癇癪王子
後から色々設定ガバに気がつきます。(あまり設定を練る方ではない)
「わかったよ…。俺は村長になるつもりはない。それでいいだろ」
半ば呆れつつ、俺はスコードに対してそう言った。とはいえ彼の立場が危ういという事実はそう簡単に変わることがないだろう。彼の態度や言動が変わらない限りは。
とにかく、これでスコードの要求は飲んだ。問題も解決、ウォーラだって解放されるだろう。本当は村長に伝えた方が良さそうだけれど、すぐにそれをすればまたこうやってよくわからないことをするかもしれない。こいつが村長になるのは止めた方が良さそうだけれど、とりあえず今はこの場を収めて撤収することにしよう。
そう考えていたのだが、スコードは未だに表情を変えない。それどころか、より強い憎しみの視線を感じる。胸に残っていた嫌な予感がより高まっていく。
「ふざけんな、お前が村長にならないってのは当たり前なんだよ。例え他の奴らがお前を推薦しようとさ、この村じゃ血筋で長が決まるんだよ」
「…まぁ、知ってるけど」
「おれがムカつくのは長でもない立場のくせして、おれに持っていないものばっか持ってるってことだよ!」
「…ん?」
何だろう、怒っている理由がよくわからなくなってきた。彼は俺の何が気に入らないのだろうか。てっきり村長の座だけの話だと思っていたし、立場が危うくなるとしか言っていなかったと思うのだが。
「じゃあ、何だよ。俺はどうすればいいんだ?」
冷静になっていたはずのこちらも、段々と苛立ちが込み上がってくる。気に入らないからと言って泣き喚く子ども、スコードの存在がそんなようなものにしか見えなくなってくる。
しかし、口を開いた彼の次の発言は、より醜く我儘なことだった。
「お前の全てをおれによこせ」




