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使われてしまう人

前作のように休日更新の時間がずれてしまいました。失礼しました。

 木目調のタイルや壁紙が貼られている店内は、外観と同じ雰囲気を醸し出していった。

 商品棚には動物や家具をモチーフにした木の小物、勾玉や十字架のようなデザインをしたチョーカー、どういう風にできているのかはわからない壁掛け時計などが置かれている。どうやら木の物限定で家具と置物、アクセサリーなど様々な物を扱っている店のようだ。


 「おら、こっち来い」


 筋肉質男は店の奥側にある部屋へ付いてこいと促す。言われるがままに入ってみると、どうやらそこは工房も兼ねているようだった。様々な色の木材や、 研磨に使うのであろう鑢やナイフなどが転がっている。そして乱雑に捨てられた木彫り細工の数を見ると、この部屋の主がここで長い時間を過ごしていることを知った。


 「見せろ」

 「あ、はい」


 背負っていた荷物の中から革袋を取り出し、その中に収めていた木彫りの置物やアクセサリーを手渡した。村長から貰った時は何とも思わなかったが、集中して見てみると先程見た棚の品と同じような出来に見える。


 「はん、流石はフェンコウの奴らだ。良いものを作りやがる」


 そして筋肉男はというと、俺が手渡したリスかなんかの動物の置物を見て嬉しそうに唸っている。彼にとって俺たちの村の木彫り細工はかなり出来の良いものみたいだ。


 「そうなんですか?」

 「見ろ、この目の部分だ。瞳のところに細かく傷がついているだろう。これが動物の目に入る光を表現していてな…」


 うむ。俺にはよくわからないが、どうやらそういうことらしい。

 それからも筋肉男は一つ一つの作品を手に取って独り言をブツブツと呟いていた。話の詳細はわからないが持ってきたものを褒めていることは間違いないようだ。


 「あ、やっぱりお客さん?」


 一人で盛り上がっている筋肉質男に声をかけられずただその様子を眺めていると、逆に俺の方が声をかけられた。声の方向へ振り返ると、そこには中学生くらいの年齢で茶髪を後ろで一つに結んだ少女が立っている。


 「ちゃんとお店開いているのに表に誰もいないから、誰か来てるんじゃないかと思ってたんだけど」

 「あの、あなたは?」

 「アタシ?キザリィ」


 いや名前を聞きたいわけじゃねーよ。


 「あー、お父さん目を輝かせちゃってる。こりゃダメだね。しばらくは自分の世界に入っちゃってるよ」


 なるほど、この人はここの娘さんだったわけだ。

 キザリィさんはどこからか取り出したエプロンを着用するとそのまま店の方へと歩いていく。


 「君も来る?ここにいても暇でしょ」

 「…そうですね」

 「じゃ、はいこれ」


 そう言うとキザリィさんは俺に何かを投げ渡す。顔に掛けられたそれは布のようだ。広げてみると。


 「エプロン?」


 彼女が着ている物と同じ色、同じ柄の物だった。


 「じゃ、ちょろっと手伝ってね」

 「…ん?」

 「いやー、いつも一人で暇なんよねぇ。店番付き合ってよ、ね」

 「…んん?」


 何だろう。どことなくウォーラと似てる人だというか、ウォーラにからかわれている時と同じ気持ちになっている自分がいる。

 待たせているラムノのことを思いつつ、筋肉男が正気に戻るまでは帰れないのは事実なので、とりあえずキザリィさんの元へと駆け寄るのだった。

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