はじめてのおつかい
(完全にタイトルが思いつきませんでした)
テイルズオブアライズ買いました。序盤のマンティスに勝てず先に進めません。
「それじゃ、俺は木彫り細工を売ってくるから」
ラムノにそう伝え、俺は一晩を過ごした埃っぽい路地裏から出ることにした。
彼女と共に行動することは難しいだろう。なにせ、顔が見えない姿で走っても八百屋のおっさんに捕まったくらいだ。ラムノが今までどれだけの悪さをして来たかはわからないが、少なくとも表立って歩くわけにはいかないと、そう判断した。
俺はここにきた用事を説明して、それを遂行したら彼女と共に俺の村へ行くことを伝えた。懐いてくれた彼女は快く了承しここで待つと言ってくれたので、俺は村の名産品である木彫り細工のアクセサリーを売りに行くことにするのだった。
さて、村長から受けたこの依頼だが、もちろん俺が直接店を開いて物を売るわけではない。この街でアクセサリーを扱っている店へと赴いてそこに商品を納めるということになる。つまりは人の集まる店に俺たちの村の名産品を取り扱ってもらって売ってもらおうという話だ。村長の話では結構な高値で取引してもらえるとのことであり、その年の需要によれば更に高く買い取ってもらえる可能性があるということだった。
一度街の入り口まで戻り、村長の地図を頼りに道を歩く。途中で昨日訪れた八百屋の前を通ることになり、ラムノと同じように顔を隠して歩くことになったりした。一応客は来ているようだから昨日の件をきっかけに店が閉まるということはなさそうだけども。
やがて食べ物の匂いが薄まり洒落た感じの建物が増えていく。先ほどまで歩いていた道とは歩く人の年齢層も異なるようで、主婦層のような年代よりも十代二十代に見える若者が多いように感じた。
「で、ここか」
数ある煌びやかなお店の中、木目が見える落ち着いた雰囲気の店が佇んでいる。周りと比較すると少し場違いというか、馴染んではいない。
恐らくここで間違い無いのだろうが、本当に高値で買い取ってもらえるのだろうかと不安になる。大体よく考えたらあんな人の来ないような辺境の村の物なんてガラクタ同然なのでは無いだろうか。
段々と不安ばかりが大きくなり店の前をウロウロしているとカランコロンという音が鳴った。店の扉が開いており、ボディビルダーのような筋肉質な男がドアノブに手をかけて俺を見ていた。刃物のような鋭い目だった。
「…誰だ?」
筋肉男は更に目を細め、人を殺せそうな視線で俺を睨みつけた。あまりの迫力に逃げ出しそうになるが、一度深呼吸をして落ち着きを取り戻した俺は男へ話しかける。
「えぇと、木彫り細工を売りに来たんですけど」
「素人の物を?そんな余裕はないが」
「いえ、毎年売りに来てる奴で」
「あぁ、フェンコウの人間だったのか」
あぁ、やはりこの店が目的の場所で間違いなさそうだ。フェンコウとは俺たちの村の名前であり、店の人物が知っているということは、まぁそういうことだろう。
筋肉男は店へ入るように促した。俺はその指示を受け入れて、その大きな背中を追いかけて店へ入るのだった。
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