変わらないといえる思い
何か新しいこと始めるかと思い、何か雑談配信でもしようかと考えました(実施予定なし)
「あ、出てきた」
村長の家から出てきた俺を出迎えてくれたのは幼馴染の水色の髪の少女、ウォーラ・ブライドだ。昔は同じくらいの身長だったが、最近彼女の方が明らかに小さく見えることが増えてきた。
「ねね、どうだった?」
「何がだよ」
「村長さんと話したんでしょ。何話したの?」
「…街まで行って来いって」
村長から聞いた話をウォーラに話す。俺に期待していて、もっと多くのことを知るために街まで行って欲しいとのこと。それを聞いた彼女は残念そうに息を吐いた。
「なーんだ。ユキが何か失敗したんだと思ったのに」
「お前、俺のこと何だと思ってるんだ?」
「私のことを大好きな幼馴染」
「恥ずかしいこと言うなよ」
てっきり『問題児』とか『仕事サボる奴』とか言われると思ったから反論してやろうと思ったのに。そういう風に言われると反応に困るじゃないか。こっちは彼女いない歴イコール年齢なんだぞ。
「まっ、何でもいいよ。早く帰ってきてね」
「何で?」
「私が寂しいもの」
「真顔でそういうこと言うなよ」
こいつは本当に俺より年下なのだろうか。時折、俺を心から動揺させる台詞を吐きやがる。実は俺と同じ転生者で、俺をからかっているのではないだろうか。
「ね、一つ聞いていい?」
ウォーラの心中を勘繰っていると、彼女は声のトーンを下げて俺に問いかける。
「何」
「さっきの話がほんとだとしてさ。街でやりたい事があったら、ユキはここに戻ってこないの?」
初めてだった。
ウォーラがここまで、ここまで不安そうに悲しそうに言葉を発したのは。
彼女の体は震えて、目を合わせようとはしない。自分で質問を問いかけたものの、答えを聞くのは怖いと感じているようだった。先ほど俺が動揺してしまった言葉も、きっと本心だったのだろう。
「…かもな」
その質問に対して、俺は残酷な答えを出す。ウォーラの肩がビクりと震えるのが見えた。
絶対ということは絶対にない。村長が話したように、もしかしたら街の雰囲気を見る事で俺の考え方だって変わるかもしれないのだ。言い切ることは彼女に嘘を吐くのも同等だろう。
「…そっか」
「でもさ」
だったらせめて、せめて自分が思っている事だけでも話してあげよう。俺は彼女から離れるつもりなどないんだから。
「仮にやりたいことがあってもさ。ウォーラには伝えるよ。そうすれば、ウォーラも俺と一緒に来てくれるかもしれないだろ?」
「…?」
「一人で勝手にはいなくならないってこと」
どんな未来があるのかなんてわからない。だが、近くにこいつがいない世界は想像つかない。離れたいなんて思わないし、離れたいと思われたくない。
そのためにも。
「まぁ、街が気に入ったからってすぐにそこに住むことにはならないって。何かあったってとりあえず帰ってくる」
「本当?」
「嘘だと思う?」
「…思わない!」
思ったことをそのまま伝えた。それが一番、彼女に俺の未来を伝えられると思ったからだ。




