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楽しい時間はすぐに過ぎて

毎日投稿だと前書きのネタもなくなりますね。

 「案内してあげる」


 そう言ってくれた幼馴染の少女の背中を追いかける。人数が少ないこの村といえど、こう一箇所に集まれば立派な人混みになるようだ。少しでも気を抜くと姿を見失いそうになる。

 いつも見ているはずのこの景色も、人の数や物の色が変わるだけで見たことがない空間に変化している。その新鮮な感覚が小さな俺の心臓を高鳴らせた。もう彼女のことはからかえまい、俺だって今この瞬間に心が躍っているのだから。


 「ユキ、こっち!」


 ウォーラは一瞬だけこちらを向いて手を伸ばしてくれた。息を切らしながら俺はその手へ腕を伸ばし、中々上手くいかないながらも彼女の指を掴んだ。


 「どこへ行くんだ?」

 「こっち!」


 答えになってない返事を聞きながら、俺は彼女の指を頼りに走り続けた。村人を押し退け、…ながらも皿に食べ物を盛りつつ、ウォーラは俺の前を走り村から少し離れた林へと駆ける。俺はここまで来たことはないが、祭りのせいだろうか。ウォーラが止まった場所は人っ子一人いなかった。

 もしかしてここだけで見られる景色があるのだろうか。日本でいうところの花火が綺麗に見える場所だとか。


 「ねね。良いところでしょ」


 しかしそういうわけでもなかったようで。単純にウォーラが気に入っている場所、というだけの話であった。

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