頭の中がいっぱいで
ウマ娘のコラボスイーツを食べてみました。
私の好みは苺大福ですね。
「風が気持ちいいね」
大きく背伸びをするラムノ。仕事が休みとなり、ラムノ曰く『デート』に連れ出された俺は、二人で水のせせらぎを聞きながら川辺を歩いていた。
昔はこの辺りで同年代くらいの子どもたちが遊んでいて、俺はそれを眺めつつ本を読んでいたっけ。混ざりたいとは思わなかったけども、楽しそうだなぁとは思っていた。
そういえばウォーラに初めてパンを作ってあげたのもこの辺りだったと思う。あの時も今と変わらず、彼女は美味しそうに俺が作ったパンを食べてくれた。ウォーラは今も昔もあまり変わらないんだよな。それが彼女の良さであるとは思うけど。
……待て、今はデート中なんだぞ。他の人のことを考えるのはマナー違反ではないだろうか。デートなんてしたことはないが、そんな気がする。
改めてラムノの方へと顔を向けた。時おり跳ねる魚が水しぶきをあげ、彼女の服や顔を濡らしていく。燃えるような紅い髪の毛を持つ彼女は、ただただ青い川の近くを歩いているだけで絵になっていた。こうして見るとやはりラムノは美人なんだと思う。
「ユキトにぃ、ちょっと遠いって」
そうやって色々と考え事をしていたせいだろうか、気がつけば前を歩くラムノと大きな差が開いていた。慌てて駆け出し、彼女の隣へと戻ってくる。土と埃に塗れていた初対面の頃とは異なり、今の彼女は透き通るような肌をしていた。
「さっきからあっち見たりこっち見たり。どうした?」
「あー。いや、色々考えてた」
「また?ユキトにぃっていつも何かしら考えてるよね」
「そりゃそうだろ。まったく何も考えない人間なんていないって」
「そういう意味じゃないって。結構ユキトにぃって考えがズレてるよね」
「俺が!?」
そんな。俺は比較的常識人であると思い込んでいたのに、それは間違いだったのか。そういえば前に女々しいとも指摘されたっけ。もしかして俺って世間から見るとズレた人の分類だったのだろうか。
日本人的な感覚を持っているからだろうか、自分が普通側の人間ではないことに少しショックを受けた俺は、また前を歩くラムノとの差が開いていくのだった。




