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私の執事が可愛いです。

今回短めです!

すみません、次回は長くする予定です!


「ウィル!」


仲良さそうな(コーデリアにはそう見える)二人を眺めていたら、空色のドレスを身に纏うクロエの姿が見えた。



「クロエ」


「やっぱりお姉さまのところにいたのね!一人にしないでよ!あなたのお母様のマシンガントークを一人で聞かないといけなくなるのよ!!」



プンスカ怒るクロエに「わかったわかった」と言って、ウィルはまた大きな溜め息を吐いた。



「リア、俺は暫く休みだから気晴らしに何処かへ昔みたいに二人で遊びにでもいこう」


「ウィル、分かっているでしょう?二人では無理よ。貴婦人たちは噂が好きだからわたくしたちの間に何もなくても色々と言われる事になるわ。わたくしのことはいいから、クロエをデートに連れていってあげて」



ウィルの提案は嬉しいけれど、妹の婚約者と出掛ければ何かあるのではないかと誤解されてしまうわ。


子供の頃と違ってそういうのにも気を使わなければいけなくなって大人になるとは大変な事なのだと改めて思った。




「……そうだね、そうするよ…」


「ええ。きっとクロエも嬉しいと思うわ」


「…………そうは思わないと思うけど…」



小さな声で呟かれたそれが聞き取れなくてコーデリアが聞き返そうとすると、二人の間にクロエが割って入ってきた。



「もう、お姉さま!!ウィルは私の婚約者なのよ!あまり近づかないでよ!!」



私に嫉妬する妹が可愛らしくて「ごめんね」と言ってウィルを返してあげた。




そのあと私とジークは座って料理を食べることにした。






「アーデンロード卿は凄くおモテになる方ですね」


ジークは好物なのか自身の皿に沢山取ってきたローストビーフを食べながらウィルを見ていた。


クロエに連れていかれたウィルの周りには頬を染めて彼を見つめる少女たちで溢れていた。



「あなたも負けていないじゃない。メイドたちがいつもあなたの事を聞いてくるわよ?」


「物珍しいだけですよ。私は」


「あら、わたくしには自分を卑下するなと言ったくせに自分はいいの?」


私が怒ったように言うとジークは慌ててローストビーフを喉につまらせた。


「いえ!それは……お嬢様が素敵な方だというのは事実でしたから…」


「あなたを素敵だと言ったわたくしの言葉は信じられないの?」


少しだけ怒ったフリをしながら言ってみた。



「違います!!………………え、あの、お嬢様?怒りましたか…?」



子犬のようにショボーンとする彼を見て、ちょっとからかい過ぎたかなと思い、頭をナデナデしてあげた。



「え、え?お嬢様?」


「あなた、本当に20なの?」


「はい……そうですけど…それが何か…?」


「可愛い過ぎる気がするわ」


「………………幼いと言いたいんですか…」


「あら、怒ったの?ジーク」



頬を膨らませる彼は「怒ってません」と言いながらも目を合わせてくれない。



そんな彼の態度もまた可愛いく見えてしまう。




クスクスと笑うコーデリアの楽しそうな表情にジークの膨らんでいた頬が緩んでいった。









端から見れば恋人同士にしか見えない仲の良さそうな二人の姿を遠くからエリウスは睨み付けていた。


何をやっているんだ……姉上は…


従者なんかをパートナーとして連れて来るなんて、いくら自分に相手がいないからと言って、恥ずかしいと思わなかったのだろうか。





「エリウス様~」


呼ばれて隣を見ると婚約者のルルメルが立っていた。


そっと腕を組んで上目遣いで俺を見上げてくる。


香水臭い…。


気分が悪くなる。


「ルル、アシメイト商会の指輪が欲しいんです〜」


「この前あげたネックレスは?」


「アレはこの前のパーティーで着けたじゃないですか〜。だから新しいのが欲しいの!」


「ああ、うん…考えとくよ」



金に飢えた、浪費しか脳にない家畜女なんかとは早々に婚約破棄をしたいところだが、その前にあの従者を姉上から離す方が先だ。


アレは姉上の好みの見た目では無いから、姉上の方から惚れるなんて事は無いとは思うけど、万が一という事もある。



早めに芽を摘んでおくに越した事はない。




読んでくださりありがとうございます。

次回も宜しくお願いします!

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