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第2話 いじめっ子への復讐開始

女神アシスタ

『現在の神時間の経過は3,616文字!

残り16,384文字です!』

 夏休み明けの登校日。

 事故の日に着ていた制服は使い物にならなくなっていたので新品の制服に身を通しての登校となった。

 学校に近づくにつれて俺を見て指差す人が増えていく。

 そして、教室の扉を開けた時、時間が止まったような感覚に襲われた。

 さっきまでにこやかに笑っていたクラスメイトの表情は固まってバケモノを見るような目で俺を観察し始めた。


「おはよう! 諸君!

 良い朝だね! 二学期からもよろしく!」


 元気よく挨拶したら、教室の端々から


「キモ……」


「やっぱ打ち所悪かったんじゃね」


「コワイコワイ」


 と揶揄するような呟きが聞こえてくる。


 無理もないか。

 公開処刑よろしくみんなの前でイジメられてた奴が自殺未遂(事故)明けに元気潑剌としてればな。

 このクラスの女子のほとんどにチン○見られてるし……

 女神様、恋人どころじゃないですよ。


「よう、サダメぇ。

 生きてやがったんだなあ」


 お、早速やってきた。

 席についた俺の周りをよく知った顔が取り囲む。

 イジメっ子グループだ。

 やってることのタチの悪さを考えるとイジメっ子なんてカワイイ言い方では足りないが、便宜上奴らのことをこう呼ぶことにしよう。


「俺が生きてて良かったな。

 さすがにお前らも人殺しにはなりたくなかったろ?」


 俺が笑いながらそう言うとニヤついた顔から色が引いていく。


「あ? ふざけんなよ。

 オマエが勝手に飛び降りたんだろうが」

「おかげで教師や警察からいろいろ聴かれて大変だったんだ。

 迷惑料よこせよ」


 足の爪先で椅子をガンガンと蹴ってくるいじめっ子達。

 きっとサダメはこの時点で恐怖して従うしかなくなったのだろう。

 軟弱な奴だ…………サダメもコイツらも。


「迷惑料? バカか、お前ら?

 こっちの方こそ俺の貴重な時間をお前ら対策に割かなくちゃいけなくなったんだ。

 もう始める前に飽き飽きしているんだよ。

 下手くそな前戯してる暇あったらさっさと本番始めようぜ」


 そう言って俺が立ち上がると普段とは違う反応に気弱なヤツが動揺した。

 たしか田中とかそんな名前だったか。


「イキってんじゃねえぞ!

 あんなことがあったから優しくしてもらえるとでも思ってんのか!?

 なんなら今度はしっかり死ねるように頭から落とし――――ブグァッ!!」


 ニキビづらの坊主頭。

 たしか鈴木、の鼻が潰れ血が噴き出した。

 やったのは俺の拳だ。


「キャアアアアアッ!!」


 クラスの女子達が甲高い悲鳴をあげた。

 同時に周りのイジメっ子どもも一歩俺から距離をおいた。


「おい……サダメぇ……

 テメエ、もう終わったぞ。

 終わっちまったぞ」


 距離をおいて威嚇してくる黄色い長髪の長身の男は山岸。

 こいつらのリーダー格だ。


「始まってすらいないんだよ。

 さっきも言ったとおりお前ら対策は俺にとって無駄な時間なんだ。

 義理と責任でやっているけどな。

 せっかくこんな平和な世界で人生を送れるってのに……」

「あ? なにぐちぐち言ってんだ!?」


 おっと、コイツらに愚痴っても仕方ないな。

 どうせ一回痛い目に合わせてやれば近寄ってこなくなるだろう。

 扱い方は獣と一緒だ。


 ちょうどその時、教師が教室に入ってきたので中入りとなった。

 山岸は自分の席への戻り際に、


「放課後、体育館裏に来い」


 と、耳元で囁いた。




 そんなこんなで放課後。

 体育館裏には20名程の男子が集まっていた。

 山岸の知り合いだろうか、別のクラスどころか下級生まで混じっている。


「一人の鼻が潰されたくらいでこんだけの人を集めるねえ……

 臆病だが用兵家としては才能あるかもな」

「なにわけのわかんねえこと言ってんだ!?

 まぐれ当たりのパンチで調子に乗ってんじゃねえぞ!!」


 マグレなんてかけらもない。

 ただの実力差だ。


 サダメの身長は160センチに満たず体重も50キロを切るくらいの貧相な体型だったが、鍛えればそれなりに格好はつく。

 夏休みの間、基礎体力向上のためにランニングと筋トレを欠かさなかった。

 母親に頼んで高タンパクな食材を摂取し、科学理論で突き詰められたトレーニングをこなす。

 ハッキリ言って現代ニッポン凄い。

 庶民の中の庶民である朽木家でも大した財政負担もなく超効率的な肉体の強化を行えるのだから。

 にも関わらずここに集まった連中はほとんどまともにトレーニングをしていない。

 勉強もせず体も鍛えず善行をするどころか弱いものイジメなんかに精を出して……


「お前らなんで生きてるの?」


 思わず口にしてしまった。

 すると、場の緊張感が急激に高まっていくのを感じた。

 山岸が思わせぶりに鼻で笑いながら口を開く。


「夏休みの間、ケンカの売り方は覚えてきたみたいだな。

 ついでに遺書の書き方はバッチリか」


 俺は山岸の言葉に応える。


「あー、そういうのが山岸の考える格好良いキャラって奴?

 余裕ぶってスカした口調で薄寒い笑い振りまいてるのが。

 クサいマンガの読みすぎだな」


 なお、これは元のサダメが内心思っていたことである。

 代弁しておいてやったぞ。


「ぶっ殺せ!」


 山岸の吠える声と共に連中が襲ってきた。

 前世での戦闘経験は現世でもそこそこ以上に役に立つ。

 とはいえ20対1を正攻法でどうにかできるほどこの身体は性能が高くない。

 まだ成長しきってもいないしな。

 とりあえず、時間稼ぎといこうか。


 俺を取り囲み連中が押しつぶすようにして攻撃を仕掛けてくる。

 そんなちょうど良いタイミングで奴が現れた!


「村上せんせーーーー!!」


 書き置きを使って俺はクラスの担任の村上教諭を放課後この場所に来るように誘導しておいたのだ。

 俺に呼びかけられた村上は当然、山岸達が俺をタコ殴りにしているところを目撃した。

 さすがに山岸達も教師の前で堂々と俺をボコるようなことはできない。

 そして俺に対するイジメ行為が白日のもとに晒された今、学校側も黙っては――――


「ふぅ……職員室に戻ってテストの採点しなきゃ……」


 なんと……村上は俺に背を向けて独り言を呟いて消えていった。


「オイイイイイイイ!! ムラカミィィィィィィィっ!!」


 学期明け早々にテストも何もないだろう!?

 てか、教員5年目でまだ若く、スラリとした細マッチョで日頃からスポーツマン面している情熱家の人気教師だと()()()()たからお前を人選したのにっ!!


「お前もバカだなあ。村上みたいなヘタレが俺たちに関わるわけないじゃん。

 アイツ女子にモテるために筋トレしてるだけのクソザコだぞ。

 女子食うために学校の先生やってるんじゃねえかって噂、聞いたことない?」


 山岸が笑いながら俺に解説する。


 なるほど……いじめられっ子で社交性が低くろくに友達もいなかったサダメの持っている情報の精度は低く、学校のカースト上位の山岸は当然事情通というわけか。

 詰めをミスった!


「ちっくしょおおおおお!!

 他人をアテにするんじゃなかったアアアアアアッ!!」


 破れかぶれで反撃に出たものの多勢に無勢で押し切られ、七人ほど立てなくしてやったところで俺も意識を失った。

女神アシスタ

『現在の神時間の経過は6,371文字!

残り13,629文字です!

多勢に無勢ながらもしぶとく足掻くあたり、さすが勇者様ですね!


さて「面白い!」「続きが気になる!」と思ったら、遠慮なく感想を書き込んでくださいね!


また下にある【ポイントを入れて作者を応援しましょう!】

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では、また明日の朝お会いしましょう!』


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