表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

5/9

ヤドカリさんは宿がない・・・・なんの曲や! の巻

その帰り道、難波でストリートしているミュージシャンがいたので聞いていくことにした。

20代ぐらいのきれいなお姉さんで、アコースティクギターで、バンダナをつけて、60年代後半から70年代前半にアメリカにいそうなヒッピー風の格好をしている。

お客の中に声のでかそうな男がいる。きっとツッコミ担当やと思われる。

さや「みなさん武道会ライブへようこそ!」

留久子敏子その他客「イェーイ」ジャガジャガジャガジャガ

男「イェーイちゃうわ!路上やわここ!」

さや「毎日いろいろいやなこともあります。本当にへこむこともよくあります。」

男「そうやわ。20代ぐらいやといろいろと悩みも絶えんわな。」

さや「そんな私の等身大の想いを歌にしました。」

しーんとなる客。目をうるうるされる留久子と敏子。

さや「それでは聞いてください。もうあたい還暦やねん。」

男「うそーそんないってる。」

さやはギターを弾き始めた。

ジャンジャンジャンじゃじゃじゃーんじゃん・・・♪

さや「だれが還暦やね~ん♪」

男「おまえがゆうたんや!」

ジャーン

さや「ありがとうございました。」

男「もう終わりかい!」

留久子「めちゃええ曲やわ・・ぐすん・・・」

男「どこに泣く要素あったねん。」

敏子「ホンマや!(;;)~うーーー泣けてくるわ若づくり!」

男「おいおいちょっとヤバいでそういうこと言うと・・」

ジャーン(怒ってギターをかきならす、さや)

男「ほらほら怒られた。睨まれとるぜ。そしてそのまま・・鬼瓦!何をしとんねん!」

さやは2人をにらんだ後鬼瓦の変顔をした。


さや「えーーー続いての曲は先月別れた大好きなあいつの事を想って歌います。聞いてください。27股の男。」

男「27股!そんなことある?!」

留久子「27個もマタがあったら妖怪やん!」

敏子「ちゃうやろう。マタの風太郎やろう!」

男「風の又三郎や!そしてそっちの下半身の方のマタちゃう!2股とかの浮気する股や!」


ジャンジャンジャンジャジャジャンジャンジャ♪

・・・と音が止まる

ジャンジャンと音が始まることでこけそうになり持ち直す観客

あきらかに歌が始まりそうだったのにまたイントロを弾き出す。

まだまだイントロねという感じで見合わたす観客たち

ジャンジャンジャンジャジャジャンジャンジャ♪

・・・と音が止まる

ジャンジャンと音が始まることでこけそうになり持ち直す観客

男「まだ続くんかい」

ジャンジャンジャンジャジャジャンジャンジャ♪

さや「ハックション」

みんながこける。

男「何しとんねん!早く歌えや!」

ジャンジャンジャンジャジャジャンジャンジャ♪

さや「私は29股♪」

みんながこける!

男「おまえもかい!むしろ上か!」

さや「えー今日はみんなのおかげでめっちゃ気持ちよかったです。」

男「まだ全然曲やってないわ!」

さや「それでは続いての曲で最後になります。」

観客「えーーーー」

留久子「もう終りなん。もっと聞きたいわ!」

敏子「ホンマや!」

男「まーそうやな全然歌ってへんからなぁ・・・」

さや「本当にみんなごめん!もう喉を使いすぎちゃったから・・・」

留久子「えーーーかわいそう・・・」

男「全然使ってへんわ!かわいそうおかしいわ!」

さや「それでは最後の曲聞いてください。ヤドカリさんは宿がない。」

敏子「めっちゃ悲しそう!」

留久子「ホンマや!もう泣けてきた・・・」

男「まだ泣くの早いけど。これはまともな曲そうやわ。」


ジャンジャジャンジャジャジャジャンジャジャンジャジャジャジャンジャジャンジャジャジャジャンジャジャンジャジャジャン

さや「難波に打ち上げられたヤドカリさんは♪周りを見渡しても同じ生き物いない♪」

男「確かに本州にはいいひんな」

留久子敏子や観客がみんな泣いている。声の大きい男以外。

さや「さびしいさびしいわびさびしいよ♪」

男「わびさびのほうかい!」

さや「悲しくて海に戻ってぇ・・・しょっぱいなぁ・・・」

男「気持ちか塩水かどっちかわからへんわ!」

さや「ヤドカリさんは一匹きりで♪涙を覆い隠してドラクエクリアーする♪」

男「ひきこもってるやないか!」

さや「ヤドカリさんは一匹きりで♪ミナミのネオンに消えていった♪」

男「楽しんどるやないか!」

留久子と敏子に観客は号泣している。しかしさっきからツッコンでる男は泣いていない

留久子「ヤドカリさんかわいそうやわ~グスン」

敏子「ホンマや~グスン」

男「なんでや!そないに号泣するほどでもないわ!」

留久子「きっと香奈姐さんがついてもうたんやなぁ~」

敏子「悲惨やわ~」

香奈「悲惨ちゃうわ!」

天から香奈のツッコミが飛んでワイプイン!した。

男「めっちゃするどいツッコミ。ツッコミ忘れてもうたわ。」

さや「みんな~!アンコールありがとう!」

男「だれもアンコールしとらへんわ!」

さや「それではこれが本当に最後の曲なります。人生楽ありゃ苦もあるさです。」

男「しぶ!」

留久子「黄門や黄門!」

男「やめなさい!女の子が黄門黄門言うのは。」

ジャンジャンジャ ジャジャジャチャチャチャ 

ジャンジャンジャ ジャジャジャチャチャチャ

さや「人生楽ありゃ♪雲あるさ♪」

ザバーン

いきなり一瞬の夕立が降り、みんなが濡れてしまった。

みんな「うぁーーー」

男「つめた!なんや!」

留久子「もうベタベタや~」

敏子「ホンマや!」

男「雲あるさってゆうたからか。」

さや「なんや濡れてもうたわ!由美かおりの入浴シーンちゃうねん!」

男「関係ないわ!」

水戸黄門のテーマのイントロ♪が流れる。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ