魂のくせの波動で
園長先生とズッキーニくんは、園長室に向かって歩いていきました。途中、園長先生は、雑草が入ってる袋や、掃除の道具を片付けに、行ったので、ズッキーニくんは、先に園長室へ音楽がなる機械を、届けて待っていました。
園長室は、黄緑色のさわやかな壁に、木の机と椅子、ピンク色のソファがふたつ、そしてガラスのテーブルが置いてありました。
園長先生は、汗をふきふき、園長室に入ってきました。
「ここに置きました」
「ああ、ありがとう。助かったよ」
ズッキーニくんが帰りかけると、園長先生はソファに座って、隣の場所をポンポンとたたきました。
え?という顔をしていると、おいでおいでと手招きして、
「ここにおすわり」
と言いました。
ズッキーニくんが、近づいておずおずと座ると、園長先生は、ズッキーニくんの頭を大きなてのひらで、ポンポンとしました。
「ズッキーニくん、いつもよくやってる」
ズッキーニくんは、また、え?と思って園長先生をみると、小さく顔をふりました。
「どうして?違うと思うの? ぼくは遠くから君をずっと見ていたんだ。
君はいつも、頑張ってる。精一杯やってる。」
口を閉じて園長先生を黙って見ています。
「何もしていないように見えても、とってもたくさんエネルギーを使っているんだよ」
そう聞いても、ズッキーニくんの表情は、変わりませんでした。
それを見て、園長先生は、ふふふ、と笑ってから、また、ズッキーニくんの頭をごしごしごしとなぜました。
「君は昔の僕みたいなんだ、よく似てる。思い出す。
ぼくも、ズッキーニくんみたいに、誰かによくやってると言われても、何を言ってるんだろう、って思っちゃうような子どもだったんだ」
ズッキーニくんは、興味をひかれたように、園長先生を見ました。
「さっき、なすびくんと揉めていたね」
ズッキーニくんは、園長先生をちらっとみてから、目を伏せました。
「・・・ぼくは・・弱虫なんだ、いやだって言えない・・・」
「君は弱虫じゃないよ。ただ反応しているだけなんだよ。
・・ そんな場面に出会うと、怖い気持ちが急に湧き上がってきて、怖さでいっぱいになって、震えたんだろう? 違うかい?
なんでぼくが、って怒った気持ちや悲しさや、、んーー、ちゃんと立ち向かって言えないことで、自分を責めてたりして、心の中は、大嵐でパニックになっちゃう」
「・・・そうだよ。なんでわかるの?」
「だから、ぼくは経験者なんだ、ぼくもそんな子どもだった、だから分かるんだよ。
ぼくもずっとなんでか知らないけど、いつも悲しくて暗くてね、友だちと話すときも、緊張してすぐパニックになって、へんなやつになってたよ、」
「えーーー、ほんと?」
「ほんとほんと、。」
ズッキーニくんは、びっくりしました。今の園長先生とは全然ちがいます。
「だけど、園長先生はもうだいぶ大人じゃないか。なんだか、・・たいへん・」
「ぼくが宇宙の法則に出会ったのは、大人になってから、だいぶ過ぎてから、やっと出会ったんだ」
「ふ~~ん」
「君は大ラッキーだ!こんなに小さいのに宇宙の法則を教える幼稚園にいるなんて」
「・・・・・・」
「喜んでいいんだよ? ははは。
だから、ズッキーニくんも変わっていく。悲しいのがだんだんとれて、いつもよろこんで幸せな気持ちでいられるようになるよ」
「ほんとう?」」
「ほんとうだ」
園長先生は、熱を込めて言いました。
「怖いとか悲しいとか、の気持ちは波動なんだ。出来事も波動、からだや物も、すべてのものは波動でできている。
元々の僕たちは喜びの波動しか持ってなかったんだけど、何回も生まれ変わって怖い、悲しいこともいっぱいあったから、それにもう会わないようにしようって、感じ方のくせの波動ををからだの中にいっぱいくっつけちゃったんだ。いっぱい入ってる」
「うん、・・・そういえば、そのことトマト先生が言ってた、、、にんじんちゃんの時」
「そうか、うん、それも波動だ。
今は、からだの中に、たましいのくせがいっぱい入っているけど、とれていくから」
「とれていくの?」
「そうだよ。それに、今、なんだか悲しくても、別に悪いことじゃないから」
「悪いことじゃないの?」
「そう、。悪いとか、いいこととかじゃなくて、自分だけの成長の物語なんだ。とてもいいものなんだ。みんなと違う自分だけの体験があってそれを使って成長していくんだ。」
ズッキーニくんは、真剣な顔になって、聞いていました。園長先生も、ズッキーニくんと目を合わせて、話しています。
「今はさ、まわりのお友だちばかりが光っているように見えるかもしれない
なんだかうまくやれないし、暗くて、失敗ばかりで、ぼくはダメだなとか、思ってるかな?・・・
でも、そんなこと、思わないこと。その自分への思いは本当のことじゃない。ただキラキラ星のルールに当てはめて、当てはまらないからだめだって無意識に自分を創っているんだ。自分を創っているんだよ。おーー、こわい。
宇宙はそんなふうに見ない。いつだって、成長の道のりだって見てる。つまずいてころんでも、何回も同じことでつまずいても、また立ち上がって歩いてくそんな姿は、ダメなんかじゃないんだよ。きっとほめてくれるよ。
よくできたら喜んでくれるだろう、でもその成長していく心を、清らかに強く大きくなっていくその心を見ている。、大切に思ってくれているんだ。
だから、まわりと比べたらダメだよ。自分だけの成長の道なんだ」
「・・・うん」
「君は、光の存在。ここは、創造主の世界。波動の世界だ。今また、だんだん光の存在に戻っていく。
バランスが崩れて斜めになってるのが、くせの波動が外れるたびに、身体の重さが取れて、まっすぐになっていく感じなんだ。そのたびに次元が変わる。
そうして、怖さや不安のない、自由で、喜びと平和の世界が現れる」
「怖いのがなくなるの?」
{そうだよ、胸が痛いのもなくなるし、穴が開いてるんじゃないかなって感じるのも、ちゃんとふさがって、温かくなってくる、どんどん変わっていく」
「変わるんだ」」
「変わる。ほんとに素晴らしいんだよ!ぐらんって世界が変わって違うところにいるんだ。外れるたびにぐらんって。
自分が光の存在で、この世界が愛と光だけでできているってだんだん現れてくるんだよ。
このキラキラ星も、創造主の世界で、絶対に壊れない愛と光だけの世界が現れる。とっても美しい」
「ふ~~ん」
「それに、創造主は、この宇宙のどんな小さな存在だって忘れられてない。繋がって愛されてる、いつだって愛されている。永遠に愛されてる。なにがあっても生きているだけで、愛されている。・・安心しないかい?」
「うん・・・・・安心する」
「そうだろう?ぼくは安心して涙がでたよ」
「涙が出たの?」
「うん、ずっと1人だと思っていたからね・・とっても安心した」
「・・・・・・・・・・」
「世の中の野菜たちはさ、魂のくせとか、いらない規則とか、ルールが波動になって自分をしばってる。本当は自由なのに。なんてもったいない!」
「ふふふふ」
「だからさ、きみはとてもラッキーなんだ。もうよみがえりの道のりが始まっている」
「うん、そうなの?」
「そうだよ。きみはこのキラキラ星でいろんな体験をしただろ、全部活きてくる、体験したことは、無駄にならないんだ。
この星は愛の星なんだ。深い愛が体験できるほしなんだよ。愛でつくられている。キラキラほしが好きかな?」
「うん、好き」
「うん、先生も大好きだ。
このキラキラ星で今度は、君は光の存在っていう本当のことが残って、他のものはみんな、消えていくよ、おばけなんだ」
「おばけ?」
「うん。君の今の自分で思っている姿もおばけ。消えてなくなる」
「ふーん」
「だから、何か起こっても、悪いことは起きていない。みんな成長につながっていくんだよ。宇宙の仕組みでぴったりなことが起こるんだ。間違いは絶対にない。この愛の宇宙を、このキラキラ星を信頼していたら、どんどん変わっていく」
「ふーん。宇宙って間違わないの?」
「そう。ズッキーニくんが光の存在だって現れてくる。」
「ふーん、よーし、ぼく、変わりたい、できるかな?」
「できる、できる。大丈夫。今幼稚園でやっていることを続けるだけだ。
よーし、宇宙に宣言しよう、宣言するのも大事なんだ。」
「うん」
「よーし、いくよ。
ぼくは永遠不滅の光の存在です!」
「ぼくは、永遠不滅の光の存在です!」
「もう一回」
「ぼくは、永遠不滅の光の存在です」
「もう一回」
「ぼくは、永遠不滅の光の存在です」
「おー!素晴らしい!
まずは、波動を心地よい感じに、ずっと保つんだ。こうやったら、いい気分になるっていっぱいみつけてね。このキラキラ星といっしょに過ごすんだ」
「うん、わかった。ありがとう。園長先生」
ズッキーニくんの目は、キラキラと輝いていました。