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種族の進化 俺だけが持つ力  作者: 左が父で右が祖父
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ゴブリンの強者達〜壱〜

さて、今回はゴブリンが主役です。

書き方を変えてみようかなと思いつつできたのが、そこまで変わってないという。

いやはや、難しい。

主人公よりも背景とか細かい描写を書きたかったのですがね。

俺たちは常に弱者だ。

1人では何も出来ず、徒党を組んでも強者に勝てず蹂躙されていく。そんな存在。

いつも、小動物や手負いの魔物を獲物としていた。仲間と行動していたが小動物からは逃げられる事なんて日常茶飯事。手負いの魔物に返り討ちに遭う事なんて良くある事だ。

また1人、1人と仲間が死んで行く。だが、幸いに俺たちはすぐ産まれる。雌は出産比率が低く雄の方が多く産まれるが他の種族とでも交配出来るから其処まで問題でもない。一度に数匹産まれるのだから仲間はあっという間に増えていく。同時に減っていくが。だからか俺たちの間では死への価値観が低い。仲間が死んでも何とも思わない。俺たちは弱者だ。犠牲無しでは生きられない。仕方ない事だ。


だが、求めなかったと言われたら嘘になる。少なくとも俺は求めた。強さを。犠牲無しで魔物を狩れる強さを。強者たちに蹂躙され、壊滅されるのを阻止出来る力を。縄張りに入らないようにビクビクしながら生きるのではなく胸を堂々と張り、我が物顔で森の中を歩く実力を。俺は求めていた。


そう考えながらも俺たちは弱者だ。そんな力はない。だから、虫の息の小動物相手にしか強気でいられない。手を出さなくても死ぬであろう小動物をわざわざ思いっきり殴り叩きつけ、それを誇る様に胸を張り集落の元へ帰る。そんな弱く、卑屈な弱者。これが手負いの魔物相手ならそうはいかない。俺を含む仲間達が全員死の覚悟を決めてトドメを刺しかかる。誰も犠牲無しで狩れるとは思っていない。もしかしたら、全員死ぬかもしれない。そんな程度の弱者。



そら今回の獲物はあの手負いの猿だ。普段なら木々を飛び回り奇襲してくるとても賢く厄介な魔物だ。もし、万全の身体なら俺たちが何十匹いても勝てないだろう。硬質的な爪であっさりと引き裂かれ木々を飛び回られ翻弄されやられていく。だが、今回あの猿は違う。どうやら縄張り争いがあったみたいだ。それに敗れ逃げて来たのだろう。全身傷だらけであの恐ろしい硬質的な爪を持つ左腕は折れておりぶら下がるよに、ぶらんぶらんしている。足は切られたのか右膝から下がない。まさに瀕死。放っておいたら他の魔物にあっさりと倒されるだろう。普段なら木の上にいるはずなのに怪我の具合から登ることさえ出来ないみたいだ。

これは好機だ。普段我々を嬲り殺す魔物は今正に逆の立場になったのだ。


俺たちは囲む様に猿の魔物を囲んでいく。仲間のゴブリン達の手にはそこら辺に落ちていたであろう木の棒を持っている。簡単に折れそうではあるが一度刺すぐらいの耐久性はあるだろう。俺は木の棒ではなく石ころを持っている。あの手の武器は苦手だ。まだ石ころを当てる方が威力あっていいし、相手に近づかなくてもいい。何より使いやすいと思っている。


猿の魔物は包囲されるのが分かっていたにも関わらず動かなかった。いや、アレだけの傷だ。動けなかったのだろう。だが、俺達の包囲が完成してから何か覚悟を決めた顔をしながら立ち上がった。


俺はこの顔を知っている。


多分。俺も今同じ顔をしているだろう。何回も見て来た。運がよく今日まで生きられたから何回も見る機会があった。


あれは死を覚悟した顔だ。


其処からの猿の魔物は疾く凄かった。

動けない筈の身体を右腕で持ち上げ左足で仲間のゴブリンを爪で突き刺しながら蹴り飛ばした。猿の魔物は足の爪も鋭く俺たちゴブリンを容易く貫く。

また1人、仲間が倒された。右腕を振り回し、仲間を切り裂いたのだ。内臓が飛び出し、苦痛で顔を歪めるが最後の一撃とばかりに猿の魔物に木の棒を突き刺す。猿の魔物は苦痛な声を上げその場で暴れる。だが、俺たちには関係ないと言わんばりに他のゴブリン達が木の棒を突き刺していく。腕に吹き飛ばされながらも爪に切り裂かれながらも腕を、背中を、足を。様々な箇所に木の棒を突き刺していく。俺も近くから頭に思いっきり石をぶつけていた。何回も同じ箇所に投げてるからかその部分の体毛が落ち、血が滲んできている。そして、次第に猿の魔物の動きが鈍くなり、最後には動かなくなった。もう仲間も4人しかいない。他は全員死んだ。だが、俺たちは勝った。あの猿の魔物に。俺たちは声を上げながらその場で喜んだ。そして、獲物を持ち帰ろうと近づいた瞬間。猿の魔物は最後の力だと言わんばかりに体を捻り回転して右足の爪が俺たちを通過した。

俺は自分の身体を見ると身体には薄っすらを赤い線が出来ていてそれがどんどん広がって、時間差で血が吹き出た。その瞬間理解した。あぁ、切り裂かれたと。周りを見てみると他も同じ様で。真っ二つに切り裂かれた奴もいた。

そのまま崩れ落ちながら猿の魔物をみる。あれが最後の力だったのか、今度こそ横たわりピクリとも動かなくっている。

最後の置き土産か。油断した。俺は顔を空に向けながら考える。傷の深さからいって助からないな。他の仲間は即死だったみたいで息をする音すら聞こえない。俺も次期に逝くだろう。



俺たちは弱者だ。あの弱った猿の魔物すら狩ることなく相打ちとなる。それが悔しい。もっと力が欲しい。どんな種族にも負けない絶対的な力が欲しい。圧倒的な力が欲しい。

お れ に チ カ ラ を。



すると頭の中から、とある声が聞こえてくる。

「ゴブリン召喚」



その声が頭に響いた。それに連動する様に俺の周りに魔法陣が浮かび上があった。魔法陣は六芒星の様な模様が中心にあり、その周囲を見た事のない模様が回っている。いや、模様というよりかは文字なのだろうか。あいにく俺は文字というのを知ってはいるが、実物を見た事がない。だからこれが文字で合っているか分からない。


その魔法陣が実現してから俺の傷だらけの身体をまるで時を戻していくかの様に癒していく。それと同時に今まで感じた事のない力が感じる。


身体から力が溢れてくるみたいだ。凄い。これはなんだ?俺の祈りが通じたのか?


興奮する俺をよそに魔法陣が光り出した。そして光が収まる頃には暗い場所にいた。


確か俺は森の中にいた筈だが。

俺は辺りを見てみる。どうやら俺以外にもゴブリンは召喚されてたみたいで合計で7匹いる。周囲はゴツゴツとした岩肌の剥き出しな空間で真ん中にキラキラした石がある。そしてその横に人型の魔物がいた。

圧倒的な魔力を感じる。力が溢れてくる今でも勝てないと思わせる。まず間違い無く俺よりも強力な存在なのはまず間違い無いだろう。

魔物か?いや、分からない。魔物と思ったがそれ以上の何かにも思える。本能がそう訴えてくる。

だが、分かる事はある。彼の方が俺の、俺らの主人だ。




俺らの主人が俺たちに命じてくれた。

この周辺を探索して来いと。

何故俺たちよりも強いのに狩をせずに探索なんてするのだ?分からない。だが、俺らの主人の命令だ。それを忠実に守ろう。俺たちは外に出て探索を始めた。

特これ何がある訳ではなくただの森だ。近くに魔物の気配はしない。俺たちはお互い少し間隔を空けて歩ている。これは何があっても情報を持ち帰る為だ。俺らの主人が何を求めているものが分からないが情報を持って帰ればいいのだろう。


しかし、何も起きない。小動物はいたが今は探索が優先だ。アレは命令を終えてから捕まえよう。いや、小動物がいた事も伝えれば良いのだろうか?

少しの間考えたが伝えればいいだろう。必要か不要かは俺らの主人が決めるだろうから。


そう考えながら歩いていると遠くで仲間の1人が何かを見つけたのか指を指して慌てている。

俺は指の指す方向に身を向けると息を詰まらせた。その先に居たのは強力な魔物だった。全身を骨の外殻で覆われ頭部には鋭く太い角が生えている猪型の魔物。横には子供と思わしき小ぶりの魔物がいる。身体の方は骨を覆われておらずに体毛が見えている。流石に頭部には角があり骨で覆われていたが。


俺らは知っている。あの魔物を。あの化け物を。1匹で何もかも破壊尽くす天災の如き魔物。奴は俺達よりも強いオーク共を軽々と殺し、圧倒的な暴力を見せるオーガすらもその鋭い角で突き刺し屠る。そして、その骨の外殻は頑丈でオーガの攻撃すら壊す事は出来ない。一度奴らが走り出せば決して止める事が出来ず遮る物は全て破壊していく。


俺たち全員に緊張が走る。幸いこっちが風下だ。臭いでバレる事はないだろう。下手に刺激を与えずに俺らの主人に報告だ。主人はアレらとの遭遇の危険性を危惧していたのか?

どちらにせよ。此処にいる必要はない。一刻も早く報告しなければ。


俺たちはそこから速やかに撤退を始めた。来る時よりも息を潜め、早足で歩き、後ろを気にしながら洞窟へ戻った。


主人に報告をしたいのだが、一つ問題が出来てしまった。言葉が通じないのだ。此れでは主人に報告できない。

身体を使って表現したが怪訝な顔をしたまま頭を捻っていた。まずいな。報告しなければいけないのに伝えられない。

どうすればいい。どうすれば。


俺は頭を悩ませたまま答えが出ずにいる。他の仲間のゴブリンも声を上げながら必死に伝えようとしているが伝わらない。


すると主人から次の命令が出された。

木の実や小動物を狩って来いと。

その瞬間に俺は閃いた。いや、閃いたというか本能が答えを出してくれた。


獲物を狩って強くなればいい。


俺はあの時、あの魔法陣で俺の身体を癒し、力を与えた時から感じていた事がある。それは力を欲するなら更に他者を圧倒的する力が欲しいなら獲物を狩れ。獲物を狩りその獲物から力を奪えと。そう身体の奥の。そう本能と呼ばれる物が俺にそう訴えてくるの感じていた。それは今も同じで獲物を狩れば狩るほど力が手に入ると確信している。


何故そう思うのかは分からない。根拠ない。だが、分かる。俺は、俺たちは獲物を狩れば強くなる。


だから主人に命じられて頬が釣り上がるのを止められなかった。

他を見れば皆同じみたいで俺と同様に笑っていた。目をギラギラと輝かせ、戦意に満ちた顔をしていた。


そうだよな。感じるよな。お前ら。いや、同胞よ(・・・)。俺たちは強くなれるぞ。ならばやる事は一つだけ。獲物を狩ろう。この力があれば、さらなる力を与えられるなら。

あの程度、俺たちならやれる。

そう俺は感じた。



待っていろよ。化け物よ。いや、獲物よ。今はまだお前が強者で俺たちが弱者だ。今挑んでも簡単に殺されるだろう。

だが、俺たちが今よりも力を、さらなる力を手に入れた暁には。



お前を狩ってやるぞ。化け物。


実は、前に誤字脱字と文章自体が変じゃないか読み直したんですがね、仕事終わりで見直したからか


『あ、間違えてる。直しておこう。』


と書き直しまして、それに満足して眠って次の日になり、再確認したら、なんと直す前が正しくて直した後が間違えている。という状態になってました笑

再確認して間違えるのは昔からでしたけど。まさか今でもこの癖が続いていたとは。

何というか恥ずかしいかったです。

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