表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
西暦4000年の世界  作者: 浅黄若狭
2/5

未来人と対面

ひかるは驚いた。


「西暦4038年?そんな未来の世界に飛ばされちゃったの?」


『検索しましたが、あなたのIDは存在しませんね』


今までと変わらず、姿が見えない男性の声が脳内に直接聞こえてくる。


「すみません、怪しいものではないので助けてもらえませんか?寒いんです」


言い終わらないうちに、目の前が暗転して、体が軽く浮くような感覚を覚えた。


場所が移動したようだ、そこは寒くもなく暖かくもない。


畳で言うと8畳ほどの真っ白な部屋に、テーブルとイスが向い合って2つ置いてあった。


『はじめまして、ヤノヒカルさん』


片方のイスに若い男性が姿勢悪く腰掛けている。


『海外も検索しましたが、どのサバにもあなたのIDは存在しませんね、2016年の原始時代から飛ばされたと言うのも、真っ赤な嘘でもないかもしれません』


「はぁ?原始時代ですって?」


ひかるは男の顔や体をまじまじと見た。


座っているので身長は推定だが、175cmほど、


スマートではないが、太っているとまではいかない体型。


髪の色は真っ黒で、顔はごく普通の若い日本人に見える。


目の色も黒で、銀色のフレームの眼鏡をかけている。


服装は、上半身は青い服で、下は黒いジーパンのようだった。


『そんなにジロジロ見られると恥ずかしいですよ』


男は顔をひかるの方に向けた。


対面しているのに、声ではなく、脳に語りかけてくるのは変わらない。


「イスに座ってもいいですか?」


男は優しそうな顔をしており、危険はなさそうなので、訪ねてみた。


『どうぞ、座ってください、飲み物を出しますね』


ひかるは、イスに腰掛けた。


驚くことに、冷えきったからだが一瞬で暖かくなり、非常に心地が良い。


テーブルに目線を移すと、さっきまで何もなかったはずのテーブルに、空のコップが2つ置いてあった。


『好きな飲みのものはなんですか?お好みのものを用意できますよ』


ひかるは相手を困らせようと思い、


「じゃあ、72年の赤ワインをください」


と、舌をぺろっと出して、言ってみた。


『検索72年ノアカワイン、インリョウスイ』


男の眼鏡が一瞬光った。


次の瞬間、目の前の空のコップが赤く染まった。


『用意できました、2072年に作られた赤ワインです』


男はにっこり笑った。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ