3/9
3話
両親は私のために、友人は気持ちの悪いクラスの為に。
世界はとことん歪んでいるんだな。
だけど、1番歪んでいるのは、今私の腕の中で首だけつぶれずのけぞった、茶色のくまの瞳に映る、いじめを黙っていたくまの腹を抱きつぶしている張本人。
大切な人達はただ死んだんじゃない。殺されたんだ。
汚い世界とそれに侵された私達に。
ああ。もう嫌だな。
こんなところで生きていたくない。
真っ暗で空っぽなマンションの一室。
私の心と全く同じ。
自分を殺して楽になりたい。
なのに、自分を殺すときだけは手が震えるんだ。
使えない自分の手を真っ黒な天井にかざして、にらんでみた。
けれど、それは特に何もなく、闇に溶けていくだけだった。
なんと無情。
そんなことを思いながら、乱暴に手をおろした。
1人なのをいいことに、大きく溜息をついて、小さくつぶやく。
「死にたい」
私の誕生日まであと3日。




