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異世界ライフ  作者: Peach
第一章
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7

誤字修正しました。

御指摘ありがとうございました。




 昨日、準備を終えて宿屋に戻り、その日の宿代を支払って部屋に戻った俺は、はじめこのまま寝てしまおうかと思ったのだが、店を出す以上元となるウサギの肉は多いに越したことはない。というか少なかったら食べられない客が出るかもしれない。出す前から売り切れのことを考えてることは滑稽かもしれないが売れる自信はあったのだ。なので、まだ日が傾き始めたくらいなので、少しでも狩りをしてきておこうと思い直して、ギルドに行って依頼を受け、二時間ほどウサギ狩りをしてきた。成果としては15匹ほど。 近場の北門から出た草原で狩りをしたため、エンカウント率が悪かったのと暗くなってきて視界が悪くなったことが原因だろう。まあ結構捕まえられたからいいとしよう。


 ちなみに今のウサギの総狩猟数は138匹、次の規定数は160だ。あ、そうだ、角付きの扱いだが、別のモンスターとして見られているようだ。スモールホーンラビットとなっていた。こいつでも初登録でスキルポイントを10もらった。こいつも同じように二倍ずつになっていくのだろうか。角付きは140匹ほど普通のウサギを狩ってきてまだ一回しか見ていない。結構レアな部類に入っているのだろうか。まあ次捕まえてみたらわかることか。


 あとスキルポイントは今のところ保留にしておくことにした。幸い料理スキルがLv4であの絶賛ぶりだし、当面は副業が安定するまでウサギ狩りだろうしな。でもそのうち一度ゆっくりスキルを吟味していく必要がありそうだ、取得できるスキルが多すぎてメジャーなやつしか把握していないのだ。てか、スキルポイントめっちゃもらえてるよね俺。これ際限なく強くなれてしまうんじゃないか?まあ、こっちで快適に生きていくのに都合はよさそうだが。

 

 よし、難しいこと考えるの一旦はやめよう。


 

 そう思い至り、昨日は寝たのだった。





 朝はいつもより少し早く目覚めた。ドキドキしてあんまり寝れなかった。はやる気持ちを押さえ、いつものように宿屋で飯食ってからギルドに行く。今日しなければいけないことは、


①ウサギ肉の確保

②大量の木々の採取


である。どちらも欠けたら今日から店は出せなくなってしまう。俺ってこんなにせっかちだったかな?と疑問を抱いてしまうほどそわそわしている。ウサギ討伐依頼を受け、ギルドを飛び出す。夕方過ぎまでウサギが大量ポップしている南門に行ってウサギを狩り、枯れた木々を集めてきた。



「メルさん、依頼の清算お願いします」

「ハヤトさんおかえりなさい。いよいよお店だすんですね」

「後1時間ほどしたら肉を焼き始めると思います。一応肉は150人前ほど確保してますができれば早めに来ていただけるとうれしいですね」

「わかりました。仕事が終わったらすぐ行きます!」

「ではまたあとで」



 そんな会話をして報酬として銅貨50枚を受け取り出店の準備に取り掛かった。まあ準備といっても屋台は図鑑の収納に収まってるからそこから取り出して設置するだけだから簡単なんだけどね。メルさんには1時間後って言ったけどそんなにすぐにはなくならないだろうし、もう営業開始してしまおう。やばくなったら取っておけばいいわけだし。肉焼くのにも時間かかるしね。

 

 ギルドから五分ほど行ったところで所長のルークさんから宛がわれた俺の店の場所ついて、図鑑から商売セットを設置していく。そして、バーベキューセットに薪をくべて、火を起こす。火が安定してきたところで鉄板を乗せ温めていき、まな板の上でウサギの肉と皮を分けていく。焼き始めのとき、脂を敷かないと焦げてしまいそうだが、焼いてみると、肉は焦げ付くわけでもなくきれいに焼けていく。低温の状態から鉄板に乗せたため肉が持つ油が出てきたからか、料理スキルの影響か、まあ後者のような気がする。 一度に焼いていけるウサギ肉の数は4つまで、結構大きめのバーベキューセットだ。肉を焼き始めてから20分ほどで第一陣が焼きあがった。


 焼くのに夢中になっていた俺は、前方に群がっている人たちに気が付かなかった。肉から目を離し、この人だかりは自分の店の客なのだと分かった俺は、わくてかした。どこぞの名探偵のオープニングみたいになってしまったが気にしたら負け。



「いらっしゃい、ウサギ肉いかがです?1匹丸々で銅貨2枚、半身なら銅貨1枚ですよ?」



 結果から言うと最初にできた肉は、あっという間に売れてしまった。これはバーベキューセットの追加発注が必要かもしれないな。幸運にも一番最初に焼けた4つを購入した人たちは、一心不乱に食べるもの、ボッシュさんのように吠えるもの、涙を流したりするやつもいた。そこまでうまいかね。まだLv4ですよ?一口食べた人がうまいうまいと褒めちぎるもんだから注文が殺到した。注文されるのはうれしいが、一種の暴動にでもなりそうなほど人が押しかけてきている。騒ぎが騒ぎを読んでいった感じだ。

 ここは、店主としてガツンと言ってやる必要があるな。


「道を塞がないように二列に並んでくれー!!いうこと聞かないやつには売らんぞ!!」



ざざざっと音を立てて、肉に群がっていた連中が軍隊さながらに隊列組みやがった。どんだけ食いたいんだよ。でも、並び方で喧嘩とかでなかったからまあいいか。



「前から順に点呼!最後尾が何番か報告してくれー!」



そういうと、順に番号が数えられて行き、最後尾は130だった。なんかまじで軍隊みたい。食い物ってすごいな。



「協力感謝します。今日は今いる人たちで終了ということで。あと、お買い上げは一人ウサギ1匹までにしてください。これからもここで商売していくのでいつでも食べられると思うので」



 そういうと、客は快く了承してくれたようだった。でも、そこからが大変だった。焼いても焼いても客が減らないのだ。鉄板だけだと足りないから、足元で新たに二か所起こした火で鉄串に差した肉を焼いていっても1匹焼きあがるのに20分かかるとなると回転が悪い。今同時に10匹ずつ焼いていっているが後ろの人なんて何時間後になるのやら。腹空かせているだろうから早く食わせてやりたいんだけどな。焼けるのを待っている間は客と世間話に花を咲かせていた。


 人間観察おもしろすぎる。なんでかって?さっきまで笑顔で話していた人たちが、肉食った瞬間、叫んだり泣き出したりするんだもん。でも同時に思ったのは耳栓欲しいだ。男が叫ぶと鼓膜破れそう。



 恐らく売り始めたのが日本時間で5時くらいだったと思う。日が傾き始めたくらい。一時間で30個焼けるから、軽く4時間焼き続けたわけだ。途中でやってきたメルさんにはかなり時間がかかる旨を伝え、3時間ほどしたら来てくれるように頼んである。そして、売り始めてから5時間弱で完売した。課題は場所の狭さと火力の弱さかな。場所が広ければもっと設備増やせるし、火力が強くなれば時間も短縮できそうだ。


 ようやく客を消化しきったところで、約束通りにメルさんがやってきた、熊を連れて。おっと失礼熊じゃなかった、あれはボッシュさんだ。肉食獣のような眼をした巨大なやつだったからつい間違えてしまった。二人の分と一緒に俺の晩飯分として肉を4つ焼いていく。一人ひとつの計算だ。ん?3人しかいないじゃないかって?実はな、さっきから向かいの路地でこっちを見つめる子供がいるんだよ。気づいたのは開始して四時間が過ぎたころ、つまりほとんど終わりに差し掛かったところなんだけどさ、めっちゃ見てるのよ、それはもうガン見。肉が焼けるのを今か今かと涎を垂らしそうになっているボッシュさんの比じゃない圧力を感じるくらい。まあボッシュさんからもかなりの圧力感じてるんだけどね、だからボッシュさんもう少し離れてくれないかな。あ、メルさんはもう少し近づいてくれてもいいんだよ?何なら今夜・・・。

 おっと妄想が。そういうわけでひとつ余計に作っているわけだ。多分貧乏な子どもなんじゃないかな。服もボロボロだし、気づいてしまった以上食わせてやるしかあるまい。あんな子供の前で自分だけうまそうに肉を食うなんてあとで罪悪感に苛まれそうだ。ただの偽善かもな、だが今日は出店初日ってことでサービスにしてやろう。

 そんなことを考えているうちに、肉にいい感じの焼き色がついてきた。匂いも食欲をそそる。昨日ルークさんにご馳走した残りのハーブを刻んで肉と一緒に少しだけ焼いていく。



「おまたせしました。遅くなった分おいしくしましたので」



そういって二人に焼きたてのウサギ肉を渡す。肉を渡すや否やかぶりつく二人、うまいうまいと言いながら夢中で食べていく。そんな二人の様子をうれしく思いつつ、




「さっきからそこで見てる君、こっちおいで。今日は特別にご馳走してあげよう」



俺は路地からこっちを覗いている子供に声をかける。ボッシュさんとメルさんの視線もそちらに向く。すると、子供は視線に気づいてか路地の奥に隠れてしまった。仕方のない奴だ。



「ほら、こっちおいで」



俺は屋台から出て路地に向かった。路地にいたのは中学生くらいの子供だった。頭には犬耳とお尻のところにはしっぽがあった。亜人族の様だ。近くでまじまじと見たのはこれが初めてだったがやはり面白

い。まさにファンタジー。



「欲しくないか?なら俺が食っちゃうぞ?」



そういって、食べるそぶりを見せると、首を横にぶんぶんと振っている。食べたいようだ。なら素直にさっさとこっちに来ればいいものを。手を引いて屋台のところまで行く。



「どうしたんだ、ハヤト?ん?亜人か?」



とボッシュさん。



「みたいですね。犬人族かな?まあ何はともあれ、腹すいてるんだろ?これやるから食え」



そういうと、子供は俺の顔と肉を交互に見ては食べたそうな顔するがなかなか手を出さない。



「ハヤトよ、亜人に優しくしてると他の奴からからまれるぞ?」



ん?この世界だと亜人は差別されているのだろうか?だとしても、こんな子供をほおっておけと?そんなことあっていいわけないよな。



「なぜです?こんな子供なのに。亜人は差別されているんですか?」

「差別っていうほど表立ってはいないが、みんな下に見ている傾向にあるな」

「ボッシュさんもですか?」

「まあそういわれて育ってきたからな」

「そういうものなのですか・・・」


この世界の身分制度っていうものは知らなかったが、基本的に亜人族は差別の対象ということか。たしかに、日本のように安全な国ならいいが、この世界のように外に出ればモンスターがいる世界だと他人のことを気遣う余裕など本当はないのだろう。



「亜人だ、人間だと種族に拘って、飢える子供に手を差し伸べることを躊躇しなければならないなんて俺は嫌です。うちの店はすべての人に平等を信条にしています。この子には特別にサービスで肉をあげましたが、それは出店初日で俺の機嫌がよかったということにしておいてください」

「ああ。下に見ている傾向にあるってだけでみんながみんな亜人族を嫌っているわけじゃないんだぞ?うちの職場にだって亜人のやつはいるし、友達だ」

「そうなんですか、その方はどうやって今まで生活してきたんですかね?」

「もともとは冒険者だったはずだ。なかなかの実力があったのと人柄の良さから所長がスカウトしたんだったかな」



元冒険者か・・・。



「ん?ほら、いつまでも肉とにらめっこしてないで食え、冷めるぞ」


 そういうとようやく肉を受け取った子供は夢中になって肉を食べ始めた。差別か・・・。俺個人の考えとしては、見た目は、習慣、そんなことで誰かを差別するなんて最低だと思う。


 子供をよく見ると、腕は枯れ木のように細く、頬はこけて、まさに骨と皮だけのような感じだ。肉を速攻で食い終わった子供は幸せそうな表情だったがすぐに暗くなった。俺の分の肉をやるとまたうれしそうに食べ始めた。一体いつから食べてなかったのか。


「お前、うちはどこだ?家族は?」


肉に夢中になっている子供に聞いてみた。


「もうない、お母さんとお父さん死んじゃった」


なんだと?親は死んで家もない?じゃあ今までどこで暮らしてきたんだ?話を聞いていくと、断片的だがわかってきた。親は冒険者だったらしいが、依頼に出たきり帰ってこなくて、しばらく後になって死んだことが分かったらしい。初めは親が残してくれたお金で食いつないでいたが、その金も尽きてからはその日暮らしで今まで耐えてきたそうだ。この世界ではよくあることなのだろうが、とてもじゃないがこのまま放置するなんて俺にはできない。


「お前、名前は?」

「ステラ」

「俺の焼いた肉は美味かったか?」

「うん!」

「また食いたいか?」

「うん!・・・でもお金ない」

「なら俺のところで働くといい。働かざる者食うべからず。だが、しっかり働くのならば三食飯食わせてやるし、寝るところも俺が何とかしてやろう」


 

 そこまでいってステラは目を見開いて固まってしまった。肉を食い終わったメルさんとボッシュさんも事の行く末を黙ってみている。ステラは少しの間悩んでいるようだったが俺の提案に乗ってきた。



「オッケー、じゃあステラも明日から冒険者なるか。役所の亜人族の人ももともと冒険者だったっていうし、俺とパーティ組もう。最初の経費は俺が負担してやるから。それについてはしっかりウサギを捕まえてくれればすぐに返済できるしな」



これ以上ないってくらいに条件は良いと思う。犬人族なら匂いとかで獲物見つけてくれそうだし、二人で狩りをすればそれだけ多くの肉を調達できるし俺にもメリットが大きい。



「優しいんですねハヤトさんは」



とメルさん。いやいや、普通だろこんなの。いや、ここまで世話を焼くのはおかしなことになるか。ボッシュさんからも感心された。ついでに



「亜人族の奴らは、レベルが上がっていくと、体が戦うのに最適な状態に一気に成長していくらしいぞ。戦闘能力も高いらしいからしっかり面倒見てやるんだな」



だってさ。やはり亜人って基礎能力高いのか。なら一緒に仕事をするときに足手まといになることも少ないだろう。



「どうだ?ステラが嫌なら無理強いはしない。だが今の生活よりは生活がよくなると思う。どうするかはステラが決めるといい」

「あの、いいの・・?」

「おう!俺も金持ちっては言えないからあまり贅沢はできないだろうけどな」


ステラはまだ悩んでいるようだ。もし、ステラが俺の提案に乗ってくるようならステラを守ってやらなきゃな。


「で、でも・・・」

「俺と一緒だと昼飯はあのウサギ肉焼きとかになるんだけどな」

「冒険者になる!!」


おっと、肉が決め手になった。どんだけ肉うまかったんだろうか。料理をLv5にしたら真っ先に食わせてやるか。


「よし、改めてステラ、よろしくな。俺はハヤトだ。まあ身寄りがないっていうことだから俺のことは家族だと思っていい。兄貴的な感じだ」

「お兄ちゃん?」

「そうそう、そんな感じ」



そんなこんなで新しい仲間ができました。ちなみに、おにいちゃんと呼ぶことを強要なんてしてないぞ?俺にそんな趣味はない。たぶん。とりあえず今日はもう疲れたから宿屋いってもう寝よう。



屋台を速攻で片付けてボッシュさんとメルさんに別れを告げ、ステラを連れて宿屋に向かっていった。





7話更新です。つたない文章ですが読んでいただけると嬉しいです。


あと、感想を書いてくださったゆずキムチさん大変ありがとうございました。朝起きて感想が来ていたことに感動しました。笑

今後もがんばりますので引き続き生暖かく見守ってやってください。


来週から学業が忙しくなりそうで、今週中に可能な限り頻繁に更新したいと思っています。感想などいただけると今後の励みになります。今後ともどうぞよろしくお願いします。

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