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どうも作者です。ハヤトが変化してしまったと思われる方がいらっしゃるようですので、補足として・・・。
魔物はびこる草原を息抜き、元の世界と違う世界で死にそうになりながら生き残ったことで考え方が作中の世界に適応してきたってことでご理解していただけると助かります。
主な原因は作者のせいだということはわかってますが、生暖かく見守ってくださると幸いです。
どうも、帰ってきた稀代の天才料理人、我らが兄ちゃんことハヤトです。ええと、何故かそんな風に呼ばれています。兄ちゃんというのは前もよく言われていたのだけれど、帰ってきて、店にやってきた俺を待っていたのは常連のお客さんたちからの熱烈な歓迎だった。というか俺の本職は冒険者だ!と叫んだがあまり意味はなかった。
「完売御礼!またのお越しをお待ちしております~!」
孤児たちが集めてくれた肉と自分でとってきた肉を合わせても大した量にはならなかったため、今日の副職はあっという間に終わってしまった。ただし、お客さんの量はどんどん増えていってしまい、全員に配れるだけの量を確保できなくなってきている。これは今後の経営スタイルを考え直す必要がありそうだ。まずもって、ウサギ肉をそんなにコンスタントに集めることが難しいということがある。弱いし集めるのは簡単なのだが、いつもいつも大量に湧いているわけではない。多い時期もあればかなり少ないときだってあるのだ。これは、どこからか肉の仕入れ先を確保しないと店が成り立たなくなりそうだ。そこまで考えて思いついたことがある。
「あ、肉も持参してもらえばいいじゃん」
肉や野菜を持参してもらい、料理だけする。値段は材料と量によって決めることにすれば、そんなに大変ではなくなるのではないだろうか。依頼など受けることを考えると1週間に1回営業を行う感覚だとちょうどいい息抜きになるのではないだろうか。
現段階で俺が考えている構想では、しばらくの間は、セラとマリア、そして孤児達の育成に力を注ぎ、家兼店の完成を待つ。家が完成したらそこの管理をセラとマリアに一任し、店の営業を行ってもらう。能力付与を駆使して修練を積めばセラも料理スキルを人並み以上に究めることができると思う。俺と同じレベルまで引き上げることができたなら、あえて俺が料理することなく、店をセラに任せても問題はないはずだ。ただ、俺とステラが依頼で抜けてしまうと、家と家族を守ることが困難になると思われるので、孤児達を育て、護衛としておこうと思っている。まあ、孤児たちが独立を望むことも容易に考えられるので、護衛の件はもしかしたらの話ではある。孤児たちが全員独立した場合は、店を開ける日を限定し、みんなで依頼を受ければいいわけだし。
そんなこんなで、その日はさっさと帰って寝ることにした。相変わらず部屋割りは俺とセラが一緒で、ステラとマリアが一緒の部屋だ。次忍び込んだら許さないとくぎを刺しておいたのでもう朝の金縛り現象は起きないだろう。家族として受け入れると決めたが、いきなり情事に移ることはできなかった。それは家を構えてからでいいやと思ったのだ。すでにだいぶ長いことご無沙汰なわけだから、しばらく我慢するのなんて別に苦ではなかった。その間に親交を深めておくのもいいだろうしな。
さてそうはいうものの、欲望が消えたわけではないので、明日はどこかいい物件がないか不動産屋を訪ねてみるつもりだ。もちろん最初は孤児たちの訓練に立ち会うつもりだが。まあ、最初だけ顔を出して、後半はステラに代わってもらうつもりだ。昼ぐらいから家について相談しに行って早めに家を手に入れられるよう動くつもりだ。出来れば二階建てで、一階部分を店として使えるようにして、二階を俺たちの居住スペースにできるような物件があればいいのだが。そんな都合のいいものはないだろう。まして、俺たちの部屋をそれぞれ作るとすればかなりの広さになるし、孤児たちも住めるような大部屋も確保しておきたい。まあ将来あいつらがいなくなったとしても、いろいろと使い道はあるしな。繰り返すがそんな都合のいい物件があるとは思えないので、一から作ることになると思う。そのための資金は足りると思うし、まあ問題はないだろう。迷宮さまさまだ。ははは。
普通に考えてないはずの都合のいい物件・・・・ありました。俺の考える理想をある程度体現している屋敷があったよ。
「いやあ、お客さまは運がいいですね!つい最近売りに出された物件なんですけども、ちょっと変なことで有名だった貴族様が没落して、結構きれいな状態で屋敷が売りに出されていたんですよ!」
「は、はあ・・・」
不動産屋のおじさんのテンションが高すぎて若干引いてしまった。額が脂汗が光り、絞れば汗とか油とか出てきそうなくらいでっぷりした人だった。あまりお近づきになりたくはないな。物理的にも精神的にも。でもまあこれだけ熱弁するということはなかなかいい物件なのだろう。もしくは、逆に曰く付き物件か。
「ただね、問題がありまして」
あ、やっぱりでた。まあ、この手の話だと、幽霊だ、呪いだと訳の分からぬオカルトな話がつきものだ。美味い話には気をつけろ。これは日本にいたときからの教訓である。さて、どんな曰く付きの物件なのかと身構えていると。
「実はこの屋敷の貴族様は、他の人たちからの注目を浴びることが好きな人だったらしくて、わざわざ城壁の外に屋敷を構えていまして」
椅子から転げ落ちた。城壁の外に住んでいた。馬鹿だろそいつ。あ、馬鹿だから没落したのか。いや、知らない人のことを馬鹿とか言っちゃいけないな。しかしどうやって屋敷を警備していたのだろうか。冒険者とかを雇っていたとかだろうか。冒険者の囲い込みはミスリムで体験しているから、何かあった時に困ったことになるだろうに。それ以外にもきっと何か相当馬鹿なことをやらかしたのだろう。貴族っていうと、そういえば迷宮であったあの追剥みたいなことをしていた貴族の嬢ちゃんは大丈夫だろうか。そのうち様子を見に行ってみたほうがいいかな。お礼ももらいに行かなければだしな。
さて、すこし話がずれてしまった。城壁の外に屋敷があるらしいが、俺は一度も見たことがないということは、恐らく北門か東門どちらかから出たところから近いのではないだろうか。
「場所は、北の城門から出て徒歩で10分くらいですね」
ちっかいなー。そして、そんなところにわざわざ屋敷を構えた理由が分らん。馬鹿なんじゃないのか?いや、馬鹿だろ。うん、決定。名前も知らない人だけど、馬鹿だろお前。
「金額としては」
安くはない額だった。額は想像に任せることとしよう。ただ言えるのは、普通の冒険者ならば目が点になるレベルではあった。まあ、ガッツリ稼いできたから普通に買えたけどな。買うといった時の不動産のおじさんの顔は面白かった。いい物件を紹介できるということで偉そうにしていたのか。本当に買うことができるのかとしつこく聞かれた。でもまずは見てみないとだめだろうという話になって、一度その物件を見せてもらうために訪れたのだが、内装自体はそこまで激烈なものはなく、落ちついたいい感じのものだった。大きさも申し分ないものだったし、十分住むに値する物件だ。
不安だった安全面は、家の背後は城門があるので、正面から左右に緩いカーブを描くように土魔法で壁を作ることにする。全力で硬度を高めて作れば余程のことがなければ壊れないだろう。上空からの侵入はないことを祈ろう。
これ、壁に穴開けて抜け道作れないかな・・・。ちょっとそのうち相談してみよう。穴が駄目なら階段とか地下通路とかあれば、いちいち回り込まなくても街にすぐ入れる。まあ治安の問題で駄目って言われそうだからこっそりやるか・・・と考えた俺を誰が責められようか。
店に関しては、一階の一部分を改装して営業を開始することにする。ただ、今後ここで生活をするためにぜひとも入手しておきたいものが浮上した。属性石という石の入手だ。これは、貴族の家などでは当たり前に使われているもので、ブルーローズの近くにある岩山などに生息している岩石獣から特殊な鉱石を集めてくる必要があるらしい。何でも魔物によって集められる鉱石の種類が決まっているらしく、何度も狩りに行かなければならないものらしい。一度にとれる量は個体差があり、はじめは見分けることも困難なのだそうだ。また、量を集めることの他に、より効果の高い属性石を手に入れるためには純度の高い鉱石が必要らしい。これはより強い魔物を倒すこととイコールで、より強い魔物から入手できる鉱石は純度が高いものが多いらしい。そして、必要な分の鉱石が手にはいったら、錬金師と呼ばれる人々に依頼して、属性石を作り出してもらうのだそうだ。この技術は錬金師たちのみに伝えらえているらしく、錬金ギルドに所属して修行を積まないと教えてすらもらえないらしい。属性石には、大きく分けて6種類の属性石がある。これは魔法の属性と似通っている部分があり、火、土、風、水、光、闇の6属性がある。これは、生活するうえでわざわざ生活魔法を使うことなく光や火などを使うことができるのだ。いちいち魔法を使わなくてよくなるという点で店をやるならぜひ欲しいものだ。使い道として例を挙げると、土属性の属性石は有機物の分解を助けてくれたり、水属性の物ならば、簡単な操作でものを流したり、水を溜めたりすることが可能になるのだ。そう、風呂や水洗トイレが当たり前になっていた俺からするとこれはぜひとも手に入れなければならないものだ。といっても、土や水はその使用頻度の多さから結構市場に流通しているそうだ。もちろん出回っているといってもそこまで安いものではないのだが、光や闇の属性石に比べると材料となる石材の入手が比較的容易なのだということだ。入手の難易度としては、
稀<<<<<<<<<易
闇<光<風<火<水<土
となっているらしい。まあ、これは不動産屋のおじさんが教えてくれたことなので、錬金師に実際に聞いてみないと何とも言えないのが実際のところだ。まあ今のところ急いで属性石が必要ということでもないので、しばらくはみんなの実力が上がるのを気長に待つことにしよう。
ということで、何だがあっさりと家が手に入ってしまった。もろもろの工事は今後進めていくことになるのだが、まあ結果オーライとしておこう。ステラはあっさりと受け止めていたが、他の連中はたいそう驚いていて、屋敷と俺を何度も往復するかのように見ていたが、気にしないことにした。
気にしたら負け。
うむ、いい言葉だ。
お読みいただきありがとうございました。
勢いで先を思い切り書き進めてしまいました。きっとたくさん指摘されるだろうなと思いながらもしばらく先まで書き上げてしまった・・・。我に返って読み返してみるとなぜこうなったと思うところがありますが、とりあえず予約投稿でセットだけしておこうと思います。
どうでもいいかもしれませんが、「気にしたら負け」、これは思えば中学生のころから言っていた気がします。もはや座右の銘になりかけています。
これからも、作者の道楽にお付き合いいただけたら嬉しいです。話がとんでもない方向に行く可能性もあるので、その時は作者がリアルで発狂してると思って笑ってやってください。
ちなみに、2月の最初のほうまで予約投稿してあります。今日一日で気づいたらかなりの量書いていました。また明日から勉強漬けの毎日に戻るので、予約投稿が終わったらまたしばらく更新が途絶えるかもしれません。途絶えないかもしれませんが・・・。それは未来のことなので作者もわかりませんが、ストレスが溜まりすぎると現実逃避するかもしれないので、かいているかもしれません。




