表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界ライフ  作者: Peach
第一章
48/55

48

本日二話目です。読み飛ばしにご注意ください。



中に入ると、みんなが買ってきた服を着ていた。ベッドには買い物袋が大きく膨らんだ状態で置いてあるから、買ってきたのは今着ている服だけではないようだ。


俺が見たことあるデザインとは違っている点が多いが、黒いドレスに白いエプロン。これって例えるなら装飾の少ないメイド服って感じだろうか。


「え、あ、ん???その服は???」

「どうでしょうか??似合いませんかね?」


マリアがおずおずと聞いてくる。似合ってないかと聞かれれば、全力で似合ってると答える。似合いすぎててやばい。黒を基調にした控えめなフリルの付いたドレス。セラまでメイド服っぽいもの着てやがる。一体何がどうしてこうなった?


「ハヤト様!以前私に今後どう生きたいか考えておけとおっしゃいましたよね?」

「ああ、冒険者になるのなら鍛えてやるし、それ以外の職を望んでいるなら探してやるよ」

「私、ハヤト様の店で働きたいんです!!」

「あ?」

「というか私、ハヤト様にお仕えしたいんです!料理とか家事とか大好きなので身の回りのお世話をさせてください!」


まあ、確かにスキルまで持ってるんだもんな。これはもう天性としか言いようがない。でも、なんで俺なんだろうか?しかも、メイド服って・・・。


「構わないけど、うちのメイドってことだよな?」

「はい!お店が忙しいときは料理も作れるようになりたいです!」


ふむ、つまり俺に料理を教えてくれと。ならば鍛えてしんぜよう。究極のメイドになってもらおうじゃないか。ぶっちゃけ料理はともかく、家事とかだいぶ面倒くさいし得意な人がそばにいるのはやはりありがたい。


「セラの言いたいことは分かった。あとの2人も何かあるのか?」

「私もお店の手伝いをさせていただきたいんです!旅の道中私にできる事がほとんどなく、ただ、養ってもらっているだけでした。でも、私だって働けます!働かせてください!」


とマリア。


「私は、戦うことしかできないけど、お手伝いならこの服を着てしたほうがいいって、セラたちが言うから・・・」



マリアはどこか興奮したように早口で言い切り、ステラは顔を真っ赤にして、うつむきながら恥ずかしげにいった。とにかく可愛くて焦る。やばい、めっちゃ抱きしめたくなる可愛さだ。


一度深呼吸して気持ちを落ち着かせる。そして、いろいろと考えをまとめていく。


「まずセラ」

「はい!」

「俺メイドになり、店の手伝をするのは良いが、いずれは奴隷から解放してやるつもりだ。その後も続けるのか?」

「はい!というか私はハヤト様の奴隷のままで構いません。こんなにやさしいご主人様は他にいませんから!」

「まあ、お前が望むのならこのままでもいいんだけどさ。ただ、俺の奴隷でいるというのであれば、これからいう約束を守れ。それができないというのであれば、ある程度独立できそうなところまで来たら解放する」

「約束というのは・・・・?」

「戦闘できるようになれ。力をつけろ。ただ俺やステラのようになれとは言わない。ある程度自分の身を自分で守れるくらい強くなれって意味だ」

「わかりました!」

「それさえ守ってくれるなら料理とかの指導は任せておけ。他の家事も任せる」



多分セラは戦うことが嫌いだ。暴力全般が苦手だと思う。だけど、今後俺と行動を共にするのであれば、少なからず戦闘に巻き込まれることがあるはずだ。その時に自分を守れるようでないとこれからはまずい。


「そして、その服は夜、店の中でしか着ないこと」

「あの、店の中というのは?」


みんな俺の店が露店であることは知っている。しかし、露店では道を塞いでしまって他の店や通行人にいろいろ迷惑をかけているので、店を構えることにした。というか、自宅兼店って感じだ。


「近々俺は家を買う。そして、そこで店もやる。その恰好を外で見せるんじゃないぞ?襲われたりしたら大変だ」

「わかりました!」

「よし、分ればよろしい。似合ってるぞセラ」

「えへへ、ありがとうございます!」



はにかんだような笑顔がまた可愛らしい。セラはこれでいい。次は・・・



「さて、マリア」

「はい」

「お前はどうしたいんだ?」

「えっと、だからお店の手伝いを・・・」

「それだけか?つまり、俺の店の従業員として雇えばいいってことか?」

「!?」


嫌な言い方だが、はっきりさせないといけない。マリアだけ、俺とつながりが薄いのだ。ステラとは兄妹だと、つまり家族だと思っているし、セラは俺の奴隷だ。しかし、マリアは仲のいい友達位だ。もちろん気持ちは分かっている。ただ朝あんなことを言っていたがそれが本気なのかいまいち掴めずにいる。ここでもう一度確認しておこうと思ったのだ。


「私は、ハヤトさんと一緒にいたいです・・・!どこかへ行く時もお店で働いている時も!もう、好きな人が帰ってきてくれるのを待っているだけは嫌なんです・・・」


これは恋仲に合ったやつのことを言っているのだろう。涙を浮かべながら必死に訴えてくる。どうやらマリアの思いは本物のようだ。切実な思いにはやはり誠意をもって答えるべきだよな。そして俺についてくるというのなら、俺がマリアに言うことは一つだ。


「俺とくるってことはその分危険だって増える。死ぬかもしれないってことを理解しているか?」

「はい!」


マリアの真剣な目を見て、これまでの他人行儀な接し方を改めようかと思う。


「俺について来たいというのなら、マリアもセラと同様に体を鍛えろ。セラの訓練もまだ始まっていないから一緒に始めればいい。一応言っておくが、戦闘に連れて行くことのできるレベルまで達していないと判断すれば街で留守番していてもらうことになるからな」

「はい!がんばります!」

「無理だけはするな。店の手伝いも張り切り過ぎないようにな。服めっちゃ似合ってるよ」



これで、マリアもオッケーだ。褒められて真っ赤になってる。可愛いな。


「最後にステラ」

「はい」

「お前は、みんなの指導教官だ。甘やかさず愛ある教育をしてやってくれ」

「わかりました!」

「あとな、戦いでは確かに助かっているが、いっしょにいてくれるだけで俺の支えになっているからな。店だってお前が看板娘だろ。自信持て、大丈夫。お前は可愛いからそういう服も似合ってる」


頭に手を置いて、褒めてやったら、ぼんっと音がしそうなほど勢いよく顔が真っ赤になった。可愛いなほんと。



「よし、改めていうのは変な気もするがみんなを俺の家族として迎えよう。まだ、家は探していないけどそろそろ動き出そうか」

「家族というのは・・・・?」



まあ、もうここまで来たら、男気見せるしかないよな。デートしてみてからでいいかなと思ったけど、ここまできたらなるようになれだ。



「これから俺は、お前たちのことを家族だと思って行動する。まあステラはもともと家族だと思っていたんだけどな。マリアは今度デート行ってみて、やっぱり合わないと思えば今までの関係に戻ってくれて構わない。セラはこれから先俺の奴隷兼メイドとして俺に仕えろ」

「それって!」


マリアが口を押え、感激している。


「ああ、俺はお前の気持ちを素直に受け止める。でも片方を選ぶなんてできないから両方手に入れる。文句があるなら今のうちに手を引け。俺は来る者は拒まないし去る者も追わないからな」



マリアが感極まって俺に抱きついてきた。頭を撫でながら、抱きしめ返してやる。


「大丈夫、俺はどこにも行かないからな」


きっと一人で寂しかったのだろう。旅の途中で聞いた話だとマリアの両親は昨年亡くなられたそうだし。マリアが落ち着くのを待ってカイルたちのことを切りだす。



「それから、お前たちに紹介したい奴らがいる」

「えっと、誰ですか?」


ステラが尋ねてきた。


「この街の孤児たちだ」

「孤児ですか?」


セラも話に加わってきた。


「ああ、そいつらも俺は仲間に引き入れる。前のステラの様にな」

「わかりました」「えっと、それはどういうことですか?」


昨日会ったステラは、察しがついたようだが、他の2人は?マークを浮かべこちらを見ている。





「かくかくしかじかなわけだ」


まあ、本当はしっかり説明はしましたよ。孤児たちの生い立ちや俺の考え、今日すでに戦闘訓練を行ったこと。今後の予定などだ。



「なるほど、わかりました!」

「じゃあ、その服はいったん着替えてくれ。あいつらに顔見せしたらそのまま、店に行くから、その服は駄目だ」



皆に着替えを促し、部屋をでる。しばらくすると、これも買ったばかりの服だろうか。見たことのない服を着て出てきた。みんな綺麗だ。


「よし、じゃあいくぞ」



皆を連れて、カイルたちの部屋に向かう。扉を数回たたき、中の返事を待つ。


「はーい!」


カイルの声だ。俺が来たことがわかると急いで扉を開けてくれた。


「紹介する。こいつがステラ。昨日もあったよな?俺の妹だ。これからは姉だと思え。はっきり言っておくが、ステラはお前らを一瞬で殺すことができるくらいに強いから礼儀正しくな。悪いことしなければお前たちを守ってくれる優しい姉さんだ」

「「はい!よろしくお願いします、ステラ姉さん!」」


孤児たちが声をそろえてあいさつした。


「で、次がマリア。もともとはミスリムっていう街のギルドで働いていたんだが縁あって今は一緒に旅している。頭がいいから何か困ったことがあったらマリアを頼るといい。最後にこいつは俺の奴隷のセラだ。家事全般を担当してもらうことになった俺付きのメイドだ。年はお前らに一番近いかな。あ、奴隷だからといってセラに失礼なことを言ったら問答無用で罰を与える。2人ともお前らの姉だと思って接してくれ」

「「はい!よろしくお願いします、マリア姉さん、セラ姉さん!」」


一応、顔合わせは終わったな。孤児たちの紹介はまた今度時間がある時でいいだろう。これから長い付き合いになるだろうからな。では、副職に精を出すとしますか。そう決めて、店に向かう。


「あ、そうだ。俺は今から店に行かなきゃならないから、お前らは大人しく寝ていろ。晩飯は下に下りて食堂に行けば食えるから時間内に行くこと。あと、外には出ないように。スラムの奴らに見つかったらまずいからな。力が付くまで一人歩きは控えろ。何かあれば俺かステラたちに相談するように」


そう言い残して俺たちは店に向かう。日が傾き始めてきていて、みな仕事から家に帰る時間帯だ。そして、俺の店の前にはすでに列ができ始めていた


お読みいただきありがとうございます。

というわけでセラのポジションはメイドということになりました。羊人族ということで、ひつじ→執事→メイドという安易な流れで申し訳ない限りではあります。

登場人物が増えてきたので一刻も早く人物紹介欄作るようにします。


誤字脱字等ございましたら申し訳ないです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ