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お久しぶりです!迫りくるレポート地獄がやっとの思いで片付いてテンションがハイな作者です。
今回の話はかなり突っ込みどころが多いとは思いますが、ご了承下さい。あと、この話は土曜日になると同時に投稿にしていたつもりだったのですが、どうやら一日日付を間違っていたようでした。もし楽しみにしていてくださった方おりました申し訳ございませんでした。
前回までの回想。
狩りまくったワイバーンの肉を調理し、洞窟内で食事していたらありえない数のワイバーンが襲来した。極上の食事を前に、食べることをやめなくてはならなくなり、憤りを感じながらも戦闘に移行したのだった。
「さてと、魔法罠設置スキルと結界スキルを試せる機会が来たか・・・」
「もぐもぐもぐもぐもぐ」
「ちょ!ステラ、いつまで食ってる気だ!」
「はっ!すいません、つい!」
「畜生!目の前に飯があるのに食えないこの辛さ!恨み!このままはらさで置くべきか!」
ハヤトとステラは現在洞窟の入り口付近で探知に反応が出た敵を確認していた。その数およそ100匹。多すぎて正確には把握できていない。普通であれば即座に逃げ出すレベルの事態だ。というか、本来この数で襲い掛かってこられたら、生き残る可能性など奇跡に奇跡が重なった場合しかありえないのだが。しかし、最悪魔法を連発すれば何とかなるのではないかという楽観的な考えのもと、スキルの力を試すことにしたのだ。
さて、洞窟の前にセットしておいた魔法罠は合計で8つ。そのどれもが自作の混合魔法である。威力は正直天災レベルだと思う。前実験で使った場所の自然環境が見るも無残なほど荒れ果てていたし。
「結界・絶!」
洞窟の入り口をふさぐように一番強度の高い結界魔法を念のために2重に張っておいた。結界が形成されるや否や、ワイバーンが罠にかかった。罠は洞窟の目の前に2つ設置し、そこを起点に洞窟から離れるように扇形に設置している。一番遠くに仕掛けていた左右2か所に設置していた罠の作動によって20匹ほどが消し飛んだ。仲間の消失に怒りを覚えたのか、敵がどんどん押し寄せてくる。
「きしゃああああ」
聞くもおぞましいほどの咆哮が聞こえてくる。しかし、罠が発動するたびに、怒りに満ちていた声が悲痛な断末魔に変わっていく。何とか洞窟ぎりぎりまでたどり着いた10数匹が最後の罠に引っかかると、ハヤトたちの間近で爆発が起きた。そして、驚くことに結界魔法の1層目が消し飛んだ。2重に張っておかなければ自分の魔法で大ダメージを受けていたかもしれない。というか、恐らく巻き込まれて死んでいたと思う。
そして、物の数分で辺りの地形が激変し、襲い掛かってきた敵は、ほとんどが形も残らず消し飛んでしまった。死体が残っていたのは初期の爆破の余波に巻き込まれ地面激しく体を打ち付け、衝撃を受けたせいで死んだやつらで、数は4匹くらいしかいなかった。そいつらから核魔石を取り出し、死体も図鑑に収納する。
「兄さんは、一人で山を消し飛ばすこともできるんじゃないかと最近思うようになってきました・・・」
「やめて・・・!そんな目で見ないで!まじやめて!」
「本当に人間なんですかね・・・?勇者とか魔王とか言われた方が現実を受け止めやすいんですけど・・・」
「お願いします!人外認定しないで!!」
ハヤトは変人であるという認識を持たれることを恐れていた。初めにステラに能力のことを打ち明けるときもかなり勇気を振り絞ったりしていたのだ。
「どうしましょうか・・・」
「うむ・・・どうしようか・・・」
さて、現在彼らの悩みは、洞窟の決壊による寝床の再確保である。結界魔法で守られていたといっても、魔法の威力があまりにも強すぎて、岩盤が耐え切れなくなってしまったのだ。洞窟からでて、剥ぎ取りをしている最中に、がらがらと爆音を立てて岩盤が崩落し、洞窟がなくなってしまったのだ。その時一緒に飯もほとんどが駄目になってしまった。すでに辺りは暗闇に包まれ始めていて、これからすぐそばに洞窟でもない限り、安全に眠ることができる場所はないに等しい。
「仕方ないか・・・・とりあえず少し移動しよう」
そういって、ハヤトたちは山頂には向かわず、移動を開始した。30分くらい移動したところでハヤトが魔法を発動させる。
「氷壁!」
氷結魔法を使用し、縦横15mの範囲を包んだ。そして内側に熱や攻撃を防ぐ意味を込めて結界魔法を張っていく。
「とりあえずこれで多少安全性もあるだろう」
「もう、本当に何でもありですね・・・」
「やめて!そんな目で俺を見ないで!」
ステラがジト目でこっちを見てきてつらい。でもね、ステラさん。あなたの方が基礎ステータス高いんだからね?良い意味で十分おかしいからね?あなたもとんでもないんだからね?そんなことを思いながら、ステラの視線に耐えるハヤトだった。
「と、とりあえず、交代で寝るとしよう」
「はーい」
そこから交代で休み、朝方だ。日の出とともに活動を開始した。龍種は基本的に夜行性で朝方は寝ていることが多いらしい。今のところは探知にかかるものはいない。とりあえず山頂を目指すことにしよう。
さて、二時間ほど山頂目指して歩き、途中何度かワイバーンと戦闘を行った。ここでは混合魔法の練習がメインだ。ここで分かったことは2種類の混合魔法は威力が高いということ。制御が難しい分その威力はけた違いに高められていくようだ。そのため4種というと、普通の魔法に比べその威力が桁外れの威力になっていることは想像に難くない。幸いなことに、2種類の混合魔法では核魔石まで消し飛ばすことはなかったため、スキルのレベルを上げることができた。心眼のスキルをマックスまで強化した。
「ステラ、気づいているか?」
「はい。巨大な何かがいますね・・・」
「ああ、ワイバーンでもかなりでかかったが、こいつはその比じゃないな・・・」
もうすぐ山頂というところで、探知スキルにこれまで感じたことがない大きさの反応があったのだ。恐らくこれが風龍なのではないだろうか。反応だけだとワイバーンの2周りは大きい気がする。
「いいか、無理なら全速力で逃げるからな」
「はい!」
「じゃあ、行ってみるか」
そして、ハヤトたちは、これまで感じたことのない脅威に出会うことになる。ステータスを弄ることによって、半ば無敵に近いような状態でここまで来ていた彼らにとって、弱かったころに感じていた、絶対的な恐怖を感じるであろう相手との出会いだ。
「・・・・・・・・・・」
言葉を失ってしまった。そのあまりの美しさに。そして、その絶対的とも思える存在感にだ。それは、日本にいたころ抱いていた姿かたちと酷似していた。ただ、違う点は、あまりにも巨大な体と、空を飛ぶために発達したのだろうか、驚くほど大きな翼をもっていたところだ。ゲームとかで見た竜とかは本当にあんな翼で飛べるのだろうかと不思議に思っていたのだが、これだけ大きいとそれも可能だなと思ってしまった。おそらくだが翼を広げた全長は50m近くあるのではないだろうか。体表は薄い緑色で、鱗が光を反射していて美しい光彩を放っている。
それは吠えた。まるで自分の前に現れた愚かな人間をあざ笑うかのごとく。その咆哮は今までのどんな魔物の咆哮よりも大きく、耳を塞がざるを得ないものだった。今、かなりの距離があるにもかかわらず体の底から恐怖がこみ上げてくる。
「冗談だろ・・・・」
こんなやつに勝てるのか?頭の中はそればかりだった。現在、岩場から少し顔を出した形なのだが、敵はこちらに気付いているようだ。こちらをしっかり見つめて、再度敵が吠えた。素直に戦力を秤にかけてみた結果、一つの答えを導き出した。
「撤退!!!」
全速力で来た道を引き返す。足に魔力を溜めて勢いよく爆発させながら、迫りくる木々を避け、一気に下山していく。探知スキルでは、敵に動きはない。どうやら、小さな人間など歯牙にもかけていないようだ。何とか逃げ切り、街へと続く街道へとたどり着いた。
「契約獣召喚!レイ、シャディ!」
一旦ここで二頭を呼び出し、背に乗る。加速で駆けるよりも二頭に乗っていたほうが体力回復ができるからだ。ここまで全速力で駆けてきたこともあり二人はだいぶ消耗していた。
「ステラ、あいつはまずい。一旦戻って、戦力を整える!」
「了解です。でも、街の人たちを連れてくるんですか??」
「いや、たぶん、普通の奴らじゃ話にならない。代わりに大量の火薬を手に入れてこようと思う」
「火薬ですか??」
「ああ、しかもかなりの量をな。あいつは簡単には勝てないだろう。正直全力だしても勝てるかわからない」
「そこまでですか・・・」
「ああ・・・。だから、持てる限りの戦力で、罠とかも駆使してあいつを狩る!罠の一つに爆発を使おうと思っている。あとは混合魔法で遠距離から体力を削っていくしかないと思う」
「私に手伝えることはありますか??」
一瞬考えを巡らせる。
「危険だが・・・」
「やります!やらせてください!」
「・・・・なら・・・」
二頭に跨り、全速力で街へと帰還する。最速スピードを維持しつつ、回復魔法などを用いて無理矢理1日と少しで街にたどり着く。途中少し仮眠などの時間を取ったもののほとんど走り通しだ。
「ハヤト!!」
「アリスか・・・」
ギルドにたどり着くと、見慣れた赤髪が迎えてくれた。
「無事で良かった!状況は!?」
「説明は後でする。今はとにかく火薬をあるだけ集めてくれ。この街なら結構な量が手に入るんじゃないか?」
「職人たちに聞いてみるわ。でも何に使うの??」
「詳しくは後でだ。すまん、すこし寝かせてくれ。一日走り通しで限界だ・・・」
「わかったわ」
「すまん、2時間したら起こしてくれ」
そういって、ハヤトとステラはギルド内の備付ベッドで倒れこむように眠りについた。レイとシャディも疲れ果てていたが、ハヤトがしっかり亜空間に送っておいたことで体力回復はよりスムーズに行われていることだろう。亜空間は魔力が満ちているので、傷や体力の治りが早いのだ。
無事に帰ってきたハヤトたちを見て、受付嬢マリアの顔に喜色が浮かんだが、疲れ切っていたハヤトと会話することができず、残念そうな顔になっていることに気付いたものはいなかった。
さて、目覚めたハヤトたちがまず行ったことは、食事である。腹が減っては戦はできぬという言葉を地で行く二人であった。献立は何時ぞや堪能できなかったワイバーン祭りだ。
「おし!久々に開店と行こうか!」
金をとることはしないが、アルストロメリアでやっていたように、肉をどんどん焼いていき、ギルドに避難してきていた連中に提供していく。ワイバーンの肉はかなりの量なので、いくら使ってもまだまだ底が見えない。
食事が進むにつれて、ギルドの中は叫び声と泣き声が響き渡り、さながら地獄絵図を体現しているようだった。しかし、そこにいる人々の表情は絶望の色を見せているわけではなく、この世のものとは思えぬ極上の味に感動を隠せないでいたのだ。料理スキル様様である。食事がみんなにいきわたり、肉を堪能したところで、アリスたちとマリア、そして何人かの職人を集め、ギルド内の会議室に集まった。
「それで?どうだったの?」
まず先にアリスが口火を切った。
「ワイバーンは山の西側だけで恐らく150匹はいたかな。そいつらはほぼ狩りつくしてきたから大丈夫だが、問題が風龍だ。他にもワイバーンがいる可能性もある」
ワイバーン150匹を狩ってきたという言葉に皆が驚愕の色を見せる。中には見栄を張った嘘だと思っている人間すらいた。
「餓鬼がホラ吹いてんじゃねえぞ!!」
「あ?」
ゆえにこのような言葉が出てきたのも必然だったのかもしれない。ハヤトとステラの姿を見れば、いまだ幼さの残る顔なのだ。
「ほれ、ギルドカードだ。マリア、確認してくれ」
職人連中から出た言葉にイラつきながらも、ギルドカードをマリアに見せることでそれが本当のことであると知らしめた。
「続けるぞ。ワイバーンなら一撃で仕留めることも可能だが、風龍は格が違う。見ただけで勝ち目がないと思ってしまった」
「一撃!?え!?え!!??」
「ワイバーンはどうでもいい。とにかく風龍だ。あいつは何の備えもなく挑んで勝てる相手じゃない。だから、俺はお前たちに大量の火薬を求めているわけだ」
「あるにはあるが、かき集めるのに1日はかかる」
職人が一人説明してくる。どうやら、それぞれ職人の家に、ある程度の量があるらしい。しかし、一人の家にある分では足りると思えないので、可能な限り運び込んでもらうことにした。
「半日だ。時間をかけすぎて風龍がこっちに来たりしたらまずい。戦闘になったらこの街は消し飛ぶかもしれない」
具体的には誰かさんの魔法の余波とかで・・・。脅しが効いたのか、目の色を変えて職人たちが準備を開始した。職人には戦える奴らを何人か配置し、それぞれ行動に移ってもらった。
さて、火薬の準備ができるまでに、こちらも作戦を詰めていく。まずはスキルの取得だ。図鑑ボーナスポイントは残らず使い切っていたが、レベルアップ報酬のポイントが残っていたままだったので、残っていたスキルポイントで火魔法Lv5、土魔法Lv5で取得しておいた。
「アリス、この戦闘は俺がやるから、お前たちはこの街の警備を頼みたい」
「な!?いくらなんでもそれは調子に乗りすぎじゃない!?」
「調子に乗っているわけでも何でもない。あいつは俺くらいしか相手にならない。ぎりぎりステラならその場に入れるくらいだと思う」
「そんなわけ!!」
考えてみればいきなりお前は弱いから残っていろなんて言われて納得できるような奴が冒険者なんてやっているわけがない。当然のこと猛抗議を受けた。
「わかった。じゃあちょっと付き合え」
そういって、ステラとアリスパーティー、そしてマリアを連れて街の外へ出た。何をするか?実力を示すのだ。現状を理解しなければ、足手まといが増えるだけだ。残酷な様だが、現実を教えなければならない。街から徒歩で10分ほど歩いたところで向かい合う。
「こい」
「え?」
「俺を殺すつもりでかかってこい。俺の力を知らなければ抗議は止まないだろう?」
「・・・後悔しないでね・・・。・・・はっ!!」
アリスが魔力を足に溜め、こちらに加速して襲いかかってくる。しかし、魔力を足に溜める段階でそれに気づいていたハヤトは軽く体をずらすだけで攻撃を悉く躱していく。襲い掛かるハンマーをすいすいと躱しながらアリスに声をかける。
「遠慮するな。当たらなきゃ話にならないぞ?」
「くっ・・!!」
アリスによる猛攻を躱し続けるハヤトを周りで観衆が息をのむ。空振りしているがアリスの繰り出している攻撃は人間が当たれば骨が砕けるであろう威力を内包しているのだ。
「そろそろこっちから攻めるからな?受け身はしっかりとれよ?」
瞬間、恐ろしい速度で足に魔力が集約され、炸裂する。アリスとの距離が一瞬で食いつぶされた。そしてそのまま、左足の蹴りがアリスの腹を捉える。ぎりぎりで腕と脚でガードに成功していたようだが、思い切り吹き飛ばされる。ここで、重要なのが足に魔力を纏ってないところだ。インパクトの瞬間に魔力を炸裂させていれば、いつかの盗賊のように体の骨が無事では済まなかっただろう。
「わかったか?アリスがあれだけ攻めていたのに1発も当たらなかったのに、俺の攻撃は一発だ」
「・・・まだよ!!」
「・・・。仕方ない、見てろ」
倒れこんでいるアリスの向こう側、更に奥の大地を見据え、手を正面に構え魔法を発動させる。
「自作混合魔法・二種!」
雷撃と氷結魔法の混合魔法を発動させる。大地に雷が降り注ぎ、大地が抉れ、大穴が開く。そしてすぐさま舞い上がった細かなチリなども含めて大地が凍り付いていく。まるで、一種のアートの様な完成度で、氷の薔薇が咲き乱れていく。かなりの威力だが、今、魔杖を介していないことを考えれば、装備していた場合の威力は想像を絶するものだ。
「これが今の俺だ。今の魔法より強力なものを発動させることもできる。そして、魔法の威力を跳ね上げる力を持つ、迷宮で手に入れた魔武器もある」
「え・・・こ、こんな・・・」
「アリスは決して弱いわけではない。でもな、今回は駄目だ。風龍は今の俺でも勝てるかわからない相手だ」
「ステラも、あんたの妹もこんなことができるっていうの・・・?」
「それは無理だ。だけど、基本的なステータスがお前たちとは段違いだ」
「なんでそんなことがわかるのよ!!」
「今レベルはいくつだ?」
「少し前に40になったわ」
「俺は85そしてステラは71だ。俺が何を言いたいかはわかってくれるよな?」
アリスも、そして他の人々も何も言えなくなっていた。
「大丈夫、何とかするから。今回は俺に譲ってくれ」
そして渋々といった表情だったが、アリスは街の警備に残ることを了承してくれた。人々の表情はさまざまだった。現実を突き付けられ、うつむきがちなアリス、そんなリーダーを気遣うリンダ、そして魔法使いのアマンダと根っからの狩人だったベッキーはそれぞれ好奇の目でハヤトを見ていた。そして、ハヤトの雄姿を見て密かに思いを募らせるマリア。みなそれぞれの思惑を抱きながら、街に戻って歩き始めた。
お読みいただきありがとうございました。
誤字脱字ありましたら申し訳ございません。評価などしていただけますと今後の励みになります。もし、今書いている話が書きあがればまたすぐ更新するかもしれません。(できないかもしれませんが・・・。)
クリスマスにちなんで何か話作れたらいいなと思っていたりいなかったり。では近いうちにまた更新できるよう頑張ります。




