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異世界ライフ  作者: Peach
第一章
36/55

36

少し遅れましたがどうぞ

急いだ分確認ができてませんので変なところあったらすいません。そのへんはどうかご容赦ください


白と黒の馬が引く馬車はガタガタと音を立てることもなく街道を進んでいく。街道は行商人たちが踏み固めていることである程度道が均されているが、普通に移動すれば少なからず揺れてしまうだろう。


「快適快適♪」



上機嫌で二匹の馬の手綱を握る男がいた。そう、ハヤトだ。現在は迷宮都市から約一日ほど走ったところにいる。アルストロメリアまではおよそ3週間といったところだろうか。たどり着くまでにおよそ3つの街を通ることになり、そのうち大きな街が1つある。よくよく考えてみるととてつもない距離を流されてきたのだと感じながらのんびりと流れゆく景色を見ていた。


さて、なぜ彼らが乗る馬車が揺れから解放されているかというと、ひとえにハヤトのスキルのおかげである。まず重量操作で荷馬車と自分、その他ステラたちの装備などの重さを可能な限り軽量化。そして風魔法により馬車自体を地上から持ち上げているのだ。他にもMP回復系のスキルや魔法効果上昇系のおかげで長時間魔法を維持することが可能になっている。


「代わりますよ兄さん」

「ステラか、セラは?」

「寝ちゃいました。敵もいませんし、安心しているのでしょう。起こしましょうか?」

「そっか、まあずっと精神的に追い詰められてきてたんだろうからな。このまま寝かせておこう。あと半日も行くと魔物が出やすいらしい森に差し掛かるしな」

「わかりました。じゃあにいさんも少し休んでください」

「ありがとな、じゃあ頼むな。レイ、シャディ、魔法切るからペース落としてくれ。揺れがひどいとセラが起きちまう」


ぶるるると返事を返す二頭の美しい馬たち。ポイントはいったら、やっぱりコミュニケーションが取れるようになるようなスキルを取得してみようと思うハヤトだった。


(このペースなら夜になるころには森の近くまではいけるだろう。明るいうちに野宿の準備をして・・・)


と、ハヤトは今後のことを考えながら馬車の中に入っていった。中はおよそ大人3人が思い切り足を伸ばして寝転がれるくらいの広さがある。そこに大きめの布団が敷いてありセラがすうすうと寝息を立てて寝ている。武器を図鑑に納め、布団に腰を下ろす。こんなに広々と荷馬車を使えるのは単に図鑑に旅に必要なものを収納が可能だったからである。


(こいつにも旅の手伝い位は覚えてもらわなきゃか。でも体がまだ出来上がっていないから安全にレベルを上げさせてやってからの方がいいか・・・んー)


いろいろ考えていたが、結局ハヤトはうまい解決策が思いつかなかったので先送りを決め込み意識を手放したのだった。


「・・・さん、・・いさん・・・兄さん!」


誰かに呼ばれた気がして目を覚ますとステラが覗きこんできていた。余談だがステラはすでに先日のドレスを着替えていた。汚れるのを嫌ったのとすぐにでも戦闘に移れるようにだ。


「あ、おはよ」

「おはよう、兄さん」

「おはようございます、ハヤト様」


寝起きに様付けで呼ばれ一気に意識が覚醒した。そうだ、セラは一応俺の奴隷という扱いになっていたのだった。


「何かあったのか?」

「そろそろ森が近くなってきたので、準備を始めようかと思って」

「そうか、ずいぶん寝てたか?」

「そうでもないですよ」


これは結構寝ていたやつか。きっと起こさないように頑張っていてくれたのだろう。


「ありがとう、じゃあ手早く準備してしまおう。ステラ、ちょっとセラと話してくるから先にやっててもらってもいいか?セラは俺と来てくれ」

「はい」

「は、はい!」


驚かせてしまっただろうか。別に手を出すわけじゃないから安心してほしいのだが。


「さて、セラに聞こう」

「はい」

「これからどうする?俺たちの生活の支援、掃除とかそういうやつな、そういうことをやってくれるならこのままでも構わない。戦闘に参加したいというのであれば俺たちが敵を弱らせてやるからセラにも戦闘に参加してもらうことになる」

「料理とか家事は好きなので、頑張ります!でもそれだけじゃなく私、戦いたいです!自分の身を自分で守れるくらい・・・大切な人を守れるようになりたいです!」


個人的にはある程度力があったほうがいいと思う。まあ、料理とかも好きということだし、そういう道に進めるなら進んでくれたらいいのだが、折角料理スキルや家事スキルといった家庭的なスキルを持っているのだから。でも自分の身を守れるくらいの力はあったほうがいいに決まっている。それに、亜人族ということだから、レベルを上げていけば、体格も変わるし、ステラの様子を見ていると知力面での成長も期待できる。今後、ひとりで生活できるようになり、本人が望むのならば解放してやりたい。


「わかった。じゃあ今日の夜、俺と夜番をやるか。とりあえず今日は敵が来たら俺が敵を倒すから明るくなったらセラにも戦ってもらうとするか。まあうまく弱らせることができたら倒してもらうことになるかもしれないが」

「わかりました」

「よし、戻って準備を手伝ってくれ」



話しが終わったところで、火を起こし、晩飯を食べて先にステラから休ませた。俺とセラは昼寝していたので今回は俺たちの出番というわけだ。ちなみにだが、料理スキルがLv5で作った飯は、もう別次元のものだった。材料がいかに低ランクなものでも至高の料理へと激変した。具体的に言うと、最低ランクのスモールラビットの肉が最高級品の肉へと変わってしまうかのようだ。それはもう口の中でとろけた。というか、消えた。それを食べたセラは、涙を流しながら食べていた。俺とステラが最初に食べたときは、フリーズからの絶叫だった。何が言いたいかというと、とにかくうまかった。ボッシュさんが叫ぶ姿を思い起こすとはやくアルストロメリアに帰りたいと切に思った。ボッシュさんやメルさんが懐かしい。みんな無事だといいのだが。




「いいかセラ、詳しくは言えないが今からお前にいろいろ能力を付加していく。まずは探知スキルだ。もともと亜人族のお前だ、探知には才能があると思う。俺がスキルを付与したら、まわりの気配を感じろ。今日はたぶん戦わなくていいと思うからとにかくスキルを使った時の感覚を体で覚えろ」

「えっと、はい・・・?」


まあいきなり言われたらそうなるか。とりあえずエンチャントしてやった。夜の間、効果がきれたら再び付与し、スキルの定着を図った。初めは突然感覚的に生物などの気配を感じるものだから落ち着かない様子だったが。明け方だろうか、だんだん空が明るくなり始めたころだ。セラが眠気で船を漕いでいる。寝かせてやろうかと思っていると、聞き覚えのない唸り声が聞こえてきて、スキルに複数の反応があった。


「まだ、遠いが・・・このままだとすぐ囲まれるか・・・」


隣で寝ているセラを起こさぬよう立ち上がり、ゲイガニルを構える。恐らく狼系の魔物だろう。隊列を組んでこちらに向かってきている。


「レイ、シャディ、もし突破してきたら魔法で迎撃してくれ」


ぶるるると返事が返ってきた。うん、絶対にスキルポイントがたまって余裕があればコミュニケーション系のスキルを取得しようそう思うハヤトであった。


槍を投擲する構えを取り、槍に魔力を溜める。かなりの距離があるので、結構多めに魔力を込める。敵の群れを視認したところで剛力スキルで高められた力で槍を投擲する。槍の必中スキルに関しては、相手を視認することが必須条件だ。


「おらああああ」


軽く叫びながら放たれた槍は、上空に向けて飛んで行き、弧を描きながら敵に向かっていく。


「はぜろ!」


言葉に合わせ、槍が勢いよく分身していく。正確な数を把握していないので、視認できた敵にだけ槍が降り注いでいく。槍の攻撃を免れた連中が猛然とかけてくる。


雷撃ライトニング


腕から電撃が迸り、予想通り近づいてくる狼を焼いていく。数匹雷撃を抜けて来たが、レイとシャディによる連携で敢え無くしとめられていた。


「ん、セラ、おいで」


俺たちの戦闘を見て呆気にとられていたセラを呼ぶ。目的はとどめを刺させるためだ。あえて雷撃魔法の威力を抑え、8匹ほど瀕死の状態でとどめておいたのだ。この辺の魔法のダメージ操作は迷宮内で腐るほどやってきたのでお手の物だ。道すがらたまに出会った魔物で調整もしておいたし。まあその時は加減をミスって消し炭にしてしまったのだがな。


ゲイガニルは俺専用となっているのか、ステラもセラも装備することができなかったので、ステラが寝るときにブルームを預かっておいた。それをセラに持たせる。重たいのか、ふらふらしているので、重量操作で軽くしてやった。


「生き物を殺すのはつらいかもしれないが、生きるためだ」


そうして、セラにとどめを刺させていく。うっかり、パーティ登録をせずに来てしまったので、俺やステラが狩った魔物の経験値はセラには適応されない。セラが自分で倒さなければならないのだ。セラが震えながら剣を振り上げ、目をつぶって振り下ろした。その時力のなさを補うために、スキルをカットし、少しだけ重くして置いた。


セラの力が弱いことを懸念していたが、魔剣の力はそんなことを補って余りある力を持っているようで、切断には至らなかったが、首を切り裂き、狼を絶命させるに至った。そこで、セラに大量の経験値が流れ込み、レベルが加速度的に上がっていく。このあたりの敵の強さは迷宮内の10階前後といったところだろうか。弱いことには弱いのだが、レベル1のセラにとってみれば十分強敵だっただろう。その敵を8体倒せばおのずとレベルは上がる。ステラのようにスモールラビットでレベルを上げたわけではないのだ。


「え!?何?体が何だか変な感じで・・・」


急激なレベルアップで自身の変化に驚いているのだろう。ステラはレベルがちょっと上がったら体つきが激変していったから、この分だと明日にはセラも成長している可能性が高い。


「お疲れ、多分レベルが上がったことで体に変化が起きるかもしれない。何かあったらステラに相談するといい。あと、体に痛みが来るかもしれないからその時は遠慮せずに言え。落ち着くまでは、ゆっくり休んでいて構わないというか、休め。無理に動いて怪我でもしたら事だ」

「わかりました!」


初めての戦闘のせいか興奮気味のセラをなだめ、1時間ほど夜番をしたところで、セラとステラが変わった。セラが休んで、今度は俺とステラが見張りをしている。


「セラのレベルがだいぶ上がったからもしかするとすぐに体に変化が起きるかもしれない。その時はステラ、いろいろ面倒を見てやってくれ」

「任せてください」


朝方まで、迷宮であったことやアルストロメリアに戻ったらどうするかなどいろんなことを話して時間を潰した。そして、飯を作ったところで俺がセラと変わって寝ることにした。飯だけはみんなで食べたが、その後俺はすぐに就寝した。二時間ほどたって目を覚ますと、いよいよ最初の難関である森にはいろうとしていた。探知スキルを働かせたところ、近くには魔物の気配がなかったので、スキルを発動させたまま再び眠りについた。恐らく大して時間がたっていないとき、探知スキルに引っかかったものがあった。荷台から顔をだし、2匹の手綱を握っているステラに声をかける。


「ステラ」

「はい、前方に何かいますね」

「ああ、探知だと、でかいのが2つ小さいのが3つなんだけど、匂いはどうだ?」

「人ではないかと思います。野生の魔物もいるようです」

「ということは襲われてるってことか?」

「血の匂いは今のところしないので、戦闘が始まったばかりといったところでしょうか」

「とりあえず少し急ごう」



※※※



彼らはこの状況をどう乗り切ろうか、頭をフル回転させていた。鉱山都市から迷宮都市への道中、まさか、こいつらに出会ってしまうとは。日中は行動をあまりしないことで知られているし、何より出現するのは草原地帯の奥地だったはずだったのに。1匹なら何とかなるが数匹では、無傷では済まないだろう。


「気をつけろよ、タリウス」

「わかってる、メリーもいつでも攻撃できるように魔法の準備しておけ・・・」

「はい」



彼らは3人でパーティを組んでいる冒険者だった。鉱山都市を拠点にしていたのだが、とある事件のせいで、現在鉱山都市ではまともに稼ぐことができなくなっており、迷宮都市に向かってきていたというわけだ。


さて、彼らが現在対面しているのは、かつてハヤトたちが狩った魔物で、現在ハヤトたちが身に着けている装備の素材となったブラッディタイガーである。運が悪いことにオスとメスのつがいだった。本来はメスが数匹連携して狩りを行うのだが、今回はオスが同行していたのだ。ブラッディタイガーはオスの方が一般的に強いとされている。メスに比べ鋭く尖った牙が特徴の一つだ。


ブラッディタイガーは初め身動きせずに敵を舐めるように見ていたが、さしずめ食らう順番が決まったかのような態度で動き出した。幸いなことに、二匹しかいなかったため、メスが攻撃を開始した。オスは自分の前に餌が運ばれてくることを当然のことのように悠然と構えている。


冒険者は、ハンマー使いの男を筆頭に、左手に大盾を、右手で直剣を構える大男、そして杖を構える女の構成だ。襲い掛かってくる敵の攻撃を大男の盾が受け止め、攻撃を流したところにリーダーの攻撃が敵の腹を捉えた。すぐに距離を取り、離れたところに女が魔法を放つ。何度か同じようなリズムで攻めている時だ、冒険者たちの頭に生き残れる可能性が浮かび始めたのは。


しかし、戦闘の雲行きが怪しくなってきたことを敏感に感じたオスの参戦で優勢だった戦況が一瞬で反転した。


「うわああああ」


タリウスという、大盾を構えていた男が威力を流しきれずに盾ごと吹き飛ばされたのだ。メスとはけた違いの攻撃力に、戦線が崩れた。盾役が突如消えたことにより、防御を顧みない戦闘スタイルのハンマー使いの男、ルーカスが攻撃を終えた隙を突かれ、メスの爪が襲いかかる。動物の勘だろか、ルーカスはあえて前に踏み込んだ。そのおかげで鋭い爪ではなく、掌で攻撃を受けることに成功した。しかし、体長3mを超えるような虎の一撃である。軽いわけもなく、肋骨がいくつか持って行かれたのだろう、動くこともできずにいた。


「ルーカス!タリウス!」


魔法使いの女が叫ぶ。しかし、今やリーダーは動くことも困難で、盾役はオスに襲われ見る見る間にぼろぼろになっていく。誰がどう見ても、逆転の可能性はなかった。絶望にくれ、その場にへたり込んでしまう女。彼らは運が良かったとのちに彼らは語る。あの日あのときでなければ自分たちの命はすでに天に召されていたと。


「もふもふやー!!!!!」


森に奇声がこだました。


お読みいただきありがとうございます。


余談ですが、セラのステータスや容姿は大人バージョンに移行してから書こうかと思っています。のちのちどんなポジションに行くかは大体まとまっているのですが、まだステータスを考えているところなのでしばしお待ちを。


もしかしたら今日また1話位あげるかもです。(未定)

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