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異世界ライフ  作者: Peach
第一章
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34

なぜこうなった・・・。

さて、いよいよアルストロメリアに帰ろうと思う俺たちだ。そのために今、生物商の店主、今更ながら店主のビリーさんのところに来ている。


「ビリーさんどうも。頼んでいたものは用意できた?」

「おお、ハヤト君か。できてるよ、裏に来てくれ」


そういって、招かれた店の裏手。大通りに面した店前とは違い、活気をあまり感じられない小道に面している。そこには、俺が迷宮に再度潜る前に頼んでおいた荷馬車があった。その時はあまり金もなかったので装飾とかそういった無駄な出費は可能な限り抑え、外見は質素だが丈夫なもので内装だけそこそこなものを用立ててもらった。


「いい感じだ。じゃあ約束通りにもらっていくよ」

「ああ、でもちょっとだけ待ってくれないか?」

「まだ何か?」

「君の所の馬に調整してあげないといけないんだよ」

「そうなんですか、じゃあお願いしますね。レイ、シャディちょっとおいで」


そういって、後ろでステラとともに控えていた二頭を呼ぶ。多分こいつら俺たちの言ってること分っていると思う。言ったらその通りに動いてくれるし。本当に賢くなったものだな。感心させられてばかりだ。

俺に呼ばれた二頭は大人しく店主に採寸されたり、最後の調整に協力し始めた。その間暇だったので、あたりの店を見て回る旨をビリーさんに伝え、ステラと買い物に出かけた。とりあえず旅用の外套などを見て回った。


「おう、兄ちゃんか。しばらく見ないから迷宮とかで死んだんじゃないかと思ったよ」

「無我夢中で迷宮に潜ってました」

「ほー、どこまで進めた?魔道具が出るくらいの階層まで下りれたか?」

「踏破してきましたよ」

「あははは、おもしろいおもしろい」


本当のこと言ったのに信じてもらえない。まあ核魔石も戻してきたんだし、迷宮踏破の称号なんて欲しいとも思わないからいいけどさ。


「何かいいものでもあるか?」

「ちょっと待っておくれ」


そういうと、恐らく弟子か何かだろう人の名前を呼んで少しすると二人の女の子が外套を持ってきた。デザインはベースを黒で要所要所にファーのようなふさふさがついている。そう、これだよ、このふさふさもふもふを撫でたかったんだ。ブラッディタイガーと出会った時のことを思い出してもふもふを撫でられなかったことを少し悔やんだ。いや、まて今の俺ならあいつのことをもふもふできるのではないか?レベルもかなり上がったし、なぜだろう。いける気がして来た。


「こんなものも作ってみたんだがどうだ?」

「ん?これは外套か?」

「そうよ。ブラッディタイガーの素材をたくさん買えたからなんとなく思いつきで作ってみたのよ」


そういって持ってきた外套は、外が黒、内側がくすんだ赤く手触りのいいものだった。


「デザインは良いな、でも機能面ではどうなんだ?」

「撥水性もいいし保温性も高いしなかなかだよ。それに強い個体の素材を使っている分防御力も他のものよりは高いしね」

「そうか、じゃあ二人分貰おう」

「まいど♪二人分で金貨1枚でどう?」

「まあ、高い気もするがいいか」


そういって、装備とともに外套ももらってきた。本当ならこの装備は今の俺たちには釣り合わないほど弱いものなのだが、手触りがよかったので買ってしまった。帰り道危険だろうがもふると決めた。誰が何と言おうがもふってやる。


「あ、そうだ。しばらくこの街ともお別れだからついでにあいさつもしておく。買い取りとか防具製作ありがとう」

「なんだい、どこかに行くのかい?」

「もともとこっちに出かけてきていたもんだからな。また魔武器がほしくなったら来るよ」

「魔武器ね。もっと実力付けてこないと無理なんじゃない?」


笑われてしまった。なんだか少し負けた気がして悔しかったので、騒ぎになると困ると思って図鑑にしまったままだった、ゲイガニルとブルームを取り出し、ゲイガニルは俺がブルームはステラが背負いドヤ顔で見せびらかした。


「ちょ、ねえ!それって!」

「ほお、武器商人でもないのにわかるか?」

「何その武器!信じられない位強い力を感じるんだけど!」

「まあな。迷宮の制覇者だからこれくらい見つけてきたさ」


つい勝ち誇ってしまった。大人げなかったと後になって反省したが後悔はしていない。


「でも、迷宮が攻略されたなんて噂にもなってないし・・・」

「まあ、本当かどうかは神のみぞ知るということで。じゃあそろそろ行くわ」


そういって、防具屋を後にした。そこから、なんとなく生物商の店まで最短ルートを探して裏路地に入っていった俺たちだったのだが。


「さて、ステラ」

「どうかしました?」

「ここはどこだろう?」


笑いながら言ってみたがステラの目が据わっている。


「兄さん?道知っててここに入ったんじゃないんですか?」

「てへ」

「ごまかさないでください」

「いける気がしたんだ!」

「兄さん・・・?今ならまだ間に合いますよ?」

「すいませんでした」


ステラが怒ると結構おっかないのだ。日ごろ大人しい奴がキレるとすごいから気をつけよう。まあ幸いにも来た道戻れば、元いたところに戻れるだろう。そんなことを考えながら適当に散策していると、


「いやああああ」


女の悲鳴が聞こえてきた。今にも泣き出しそうな、悲痛に満ちた声だ。ステラと一瞬顔を見合わせ、コクリと頷いて走り出した。声ははっきりと聞こえてきた。きっとそんなに遠くないところにいるはずだ。耳が俺よりいいステラを先頭にして走っていくと一軒の店にたどり着いた。



店の前には『奴隷屋』という看板が掲げられていた。そして、今まさにその店に手錠でつながれた女の人、推定26歳が男に連れていかれようとするところだったようだ。走ってきた俺たちに気付いた男が声をかけてきた。


「いらっしゃい、奴隷を探してるのかい?」


奴隷。この世界では普通に奴隷身分のものたちがいる。借金奴隷や犯罪奴隷といった人たちだ。亜人族でもこういった借金奴隷や犯罪奴隷が結構いる。前に聞いた、人間側と亜人族たちで結ばれた条約で、正当な理由のないものを不当に奴隷として扱ってはならないとされているので、こうしたしっかりとした理由があって奴隷に落ちた人たちがいるのは仕方ないことなのかもしれない。


「いや、悲鳴が聞こえてきたからさ」

「ああ、この奴隷が騒いでいただけだ、気にしないでくれ」

「そこの人!お願い!助けて!」

「俺か?」

「おお、兄ちゃんこいつの言うことは聞かなくていいからな。こいつは盗みや殺しを行った犯罪奴隷でまだ調教が済んでないから商品じゃないんだ。教育してからじゃないと主人を殺しかかるかもしれないしな」


言われて少し哀れに思ったが、鑑定スキルで見てみると確かに名前の横に犯罪奴隷(窃盗、殺人)とあったので、かなりやばい人ということが分かったのでスルーすることにした。


「店の中も見ていってみてくれよ」


そういうと男が店の戸をガンガン叩いて誰かを呼んでいる。すこしして呼ばれた男らしき人がでてきて、俺たちを店の中に引き込んでいった。ちなみにさっきの男の人は女を連れてどこかに消えてしまった。


「いらっしゃい。それでどんな奴隷がお好みだい?小さいのから大きいのまで揃ってるぜ?」


何の大きさだと問いたくなったがやめておこう。ステラが般若みたいな顔して怒ってきそうだったし。成すがままにどんどんと商品と呼ばれていた奴隷たちが置かれている檻の部屋みたいなところに連れて行かれた。


「ここらが最近の奴らだ。見たところあんたたち冒険者だろ?」

「ああ」

「戦闘向きとなると、レベルが高い奴らだが、そういうやつらだと犯罪奴隷の奴らになっちまうがいいか?」


何も言ってねえよ。誰も買うとか商品見せろとか言ってないだろうが。そう声を大にして叫ぼうかと思ったが店員のマシンガントークが炸裂して叫ぶタイミングを逃してしまった。この奴隷は~がよくて、~は駄目だとか一人一人紹介された。正直うんざりしていると、気になった子がいた。


「おい、この子は?」

「あ?ああ、こいつはやめとけ。まともに口をききやしねえし、見てくれも多分対してよくは育たねえ。そして何より亜人だ」

「いくらだ?」

「「え?」」


ステラと男の声が重なった。まさか買うとは思っていなかったのだろう。だが、俺には檻の中でガタガタと震えながらこちらの様子を伺っているこの子がなぜか小さかったころのステラに重なって見えたのだ。そして、亜人の子供というだけで誰にも買われないし、買われてもひどい目に合うと思っているのだろう。怯えを映す目には、生気もあまり感じられない。そしてがりがりに痩せ細った体はもはや病的ともいえるくらいだ。


「ステラ、いきなりで悪いがこの子を連れていく」

「え?兄さんなんで?」

「ステラに似てるからかな?」

「私にですか?」


そういって縮こまる子を見ながら考え込むステラ。


「顔がとかじゃなくて、境遇とかかな。恐らく親に売られたか親がいなくて奴隷に落ちたとかだろう。なんかほおっておけない」

「やっぱり兄さんは優しいですね・・・」

「ある程度成長したら一人立ちさせてやろう」

「はい」


ステラの説得は完了。さて、購入に移ろうか。


「それで?いくらだ?」

「あ、ああ、そいつなら金貨2枚でいいぞ。売れ残っていた商品だしな。買い取ってくれるならありがたいもんだ」

「この子はどのくらいここにいるんだ?」

「2か月くらいか?確かそんなところだ」

「そうか。じゃあこれ代金だ」


そういって金を渡すと男はそれを受け取り、檻のカギを開け、奴隷の子を連れてきた。


「じゃあこっちに来てくれ。主従の契約を結んでもらう」

「契約?」

「なに、簡単な儀式みたいなものだ」


言われるがままについていくとテーブルの上に水晶が置いてある部屋に通されてた。そこで、男が何やら呪文みたいなことをつぶやいた後、水晶に手を置けと言われたので手を置くと、水晶が輝き、その輝きが終わると


「完了だ。じゃあこれからこいつはあんたの奴隷だ」


そういって奴隷の子を差し出された。


「よろしくな」

「・・・・・」


沈黙。これは信頼関係を結ぶのにしばらく時間がかかりそうだな。これが俺とこの小さな奴隷の子との出会いだった。


ということで新キャラ出しました。扱いはどうなるか未定。

種族をまだ出してませんが、ちょっと考え中です。つっこみどころ多いかもですがかるーくながしてくだされ

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