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異世界ライフ  作者: Peach
第一章
26/55

26

さて、生物商の店を後にした俺たちはそのままの足で迷宮の入り口を目指した。


迷宮は街から出て街道沿いに進むと行商が開かれていてすぐに見つけることができるそうだ。どうやら円形の街の外周沿いに迷宮は点在しているらしい。


エリーに言われたように、街の東側から外周へ続く街道に出て歩いていくと最古参の迷宮があった。一番古いということで魔武器や魔道具の類の買い取りがメインらしいが、魔物の素材の買い取りも行っていたので、これまで狩って溜めてきた素材を全部売った。やはりここでも素材の状態がいいと言われ少し高めに買い取ってくれた。防具屋と買い取り商に売った合計が金貨30枚。しばらく働かなくても十分生きていけてしまう気がするが堕落した人間になってしまいそうだからやめておこう。



一応ステラと迷宮の第一階層に降りてみた。割としっかりとした階段のような足場があったので次の階へ行くのも楽になっているようだ。

探知スキルで辺りの気配を探ってみると、結構な人の気配と魔物の気配があった。迷宮では別にその階層のボスを倒さなければ次の階に行けないなんてことはないらしい。ただし下の階に行けばいくほど敵が強くなるので自分の力と相手の力を正確につかんでいないと無駄死にしてしまうことになる。


一階層にいたのは昔懐かしいスモールラビットだった。他に見たことのない小さな猪もいた。スモールボアってやつらしい。俺たちの攻撃にまったく耐えられていないような弱い魔物だったが、図鑑に登録していなかったものなのでありがたい収穫だ。それぞれの階層には数種類の魔物が生息しているらしいので、ゆくゆくは迷宮の各階層の魔物の核魔石をコンプリートしていきたいものだ。そうすれば俺は最強になれるのではないだろうかとつい夢を見てしまうな。


さて、この最古の迷宮、カトリーナの現在の最高記録は65階層ということだ。ちなみに、さっき迷宮の入り口で聞いて初めて知ったのだが、迷宮にはそれぞれ名前があるらしい。


アメリカのハリケーンみたいだなとか思ったのは内緒だ。今この迷宮が何階層まであるのかぶっちゃけるとわかっていないらしい。長年踏破されていないということもあり、100階層は超えているんじゃないかと予想されているそうだ。


なお、魔道具や魔武器の発見率が一番高いのは30階層から40階層の間らしい。理由としてはそこがよく人が死ぬところだからだそうだ。そして残された道具や武器が変質していくんだそうだ。中には呪いがかかったものもあるそうなので取扱いには注意が必要とのこと。


さて、迷宮がどんな感じかわかってきたところで一旦宿に戻ることにしよう。何の準備もせずにあまりに深くまで飛び込むのはあまり得策ではない。



見学が終わったところでステラと二人外に出てきた。



「ステラ、一応踏破を目指して明日以降この迷宮に潜ろうと思うんだけどいいか?」

「はい、私は兄さんと一緒ならどこでも」



んー、兄思いのいい子なんだが自己主張が少ないんだよな。ストレスを溜めこんでいなければいいのだが。まあ、その辺はアルストロメリアに戻ってから考えるとしよう。目下俺たちに必要なのは明日以降の準備だ。



「ステラ、武器はまだこの前ので大丈夫か?」

「はい、まだ大丈夫ですけど近いうちに壊れるかと思います」

「わかった」

「じゃあ迷宮に潜るのに必要な食い物とか飲み物買いに行こう。終わったら俺は宿で武器のメンテナンスをする」

「わかりました」

「なんなら街で遊んできてもいいからな」

「もう子供じゃないんですってば」



いつものパターンか。まあいいさ、必要ないというならきっとそうなんだろう。さて、そのあとは二人であれこれと買い物をして宿に戻った。思いつきで剣を2振り、槍を1本購入してきた。



「よっしゃ、じゃあやりますか」



そういって、俺はスキルを発動させる。そして、MPを消費しながら頭の中に一振りの刀のイメージを組み上げる。刀身の長さ、刃の向き、反り返り具合、鍔など事細かにイメージを固めていく。今考えているのはステラが使う大剣だ。ステラはこう見えてかなり力が強い。最近のつらい生活の結果俺もステラもレベルがかなり上がったことで、各パラメーターが軒並み上昇している。そのおかげでステラは身の丈ほどの大剣を使っても軽量級なみの動きをするようになった。そのステラ専用の武器を今俺は作っているのだ。


俺が武器を作っている。それがおかしなことだと思うだろうが、これはここにたどり着くまでにどうしても出来るようにならなければならないことだったのだ。何せ俺たちは魔物の蔓延るだだっ広い草原で武器も持たずに生きていかなければならなかったのだからな。


今俺が使っているスキルは、武器創造クリエイトというものだ。これはMPを消費して自分のイメージする武器を生み出すというものだ。明確なイメージがなければこのスキルは不発に終わることが多い。しかも生み出された武器も定期的に魔力を注がないと粉々に砕けて消えてしまう。Lv5まで強化したこのスキルから生まれる武器は恐らく魔武器と呼ばれているものと品質は同等かそれ以上ではないかと思っている。ただ、維持に制限があるのが玉に瑕だが。

 今自分が保有しているMPの9割を注ぎ込みながらイメージを具現化していく。徐々にスキルの影響で刀身からそこになかった大剣が生み出されていく。1時間ほどかけて一振りの大剣を生み出した。初めは武骨なただの大剣しか生み出せなかったが、日本にいたときのゲームなどのデザインを思い浮かべながら生み出したりすると多少かっこいい武器も生み出せるようになっていった。本当はMPもそこまで消費しなくても武器を生み出せるのだが、作る段階でどれだけMPを注いだかによってその武器の性能や耐久力に差が出てくることを何回も武器を作ってみてわかってきたので、安心できる環境なのだからと思い切りMPを込めて武器を作り出したのだった。



「ぷっはー、やっぱりこれきっついわ」



そう、この作業めっちゃ疲れるんだよね。スキルのレベルが上がってもあまり完成までの時間が早まることはなかった。単にこれが俺の練度不足なのかそうでないのかもわからない。おかげで小一時間俺はずっと一振りの大剣をイメージし続けなければならないのだ。下手に集中が切れると、その分脆い武器しか生み出せず、すぐ壊れてしまったりする。

ただ今回は危険な草原地帯ではなかったということもあり、かなり集中することができた。しかし、これで完成ではない。



「スキルエンチャント:重量操作」



これも俺が手に入れた新たなスキルだ。能力付与エンチャントというもので、こいつを取得するのにはなぜかスキルポイントが50も必要だった。しかも、レベル上げをすることができないスキルだった。恐らくユニークスキルの一種なのだろう。このスキルの効果は自分が持っているスキルを物、または人に対して付与することで同じスキルを相手にも使えるようにするというとんでもないスキルだ。これのおかげでステラに鑑定スキルが使えたのだ。

しかもこのスキルのすごいところが、一度スキルを付与してやって、その人間にスキルの才能があると、スキルを取得することができたりするのだ。このスキルで何度も魔力操作をステラに付与してやっていたらステラも魔力操作のスキルを獲得した。スキルレベルがLv5の俺の魔力操作を何度も付与されていたこととその感覚を掴んで毎日練習していたことも合って、ステラは魔力操作のスキルを獲得し、今ではアリスに並ぶLv4までスキルのレベルが上昇している。他にも色々と付与してみたが、俺の持っているスキルでステラが習得できたのは剛力スキルと俊足スキルと魔力操作のみだった。まあそれでももともと力がかなり強かったステラが更にパワーアップできたのだからいいとしよう。剛力スキルや俊足スキルといった所謂パッシブスキルは本当に才能がないと取得できない部類にあると考えられる。アクティブスキルはコツさえつかめばある程度取得も難しくないのではないだろうか。まあ分類は困難なスキルも多いので今後も要研究といったところか。



武器創造で疲れたので、迷宮亭でステラと飯を食って、軽く休憩した。MPが回復したところで俺は買い物しながら思いついたことを実践してみた。武器の魔武器化だ。エリーから聞いた魔武器というのは魔素を大量に吸い込んだことによって武器が変質するというものだった。ならば魔力操作を使える俺にも作り出すことができるのではないかと思ったのだ。


魔力を買ってきた剣にひたすら注いでいく。延々と注いでいく。スキルレベルマックスの力で注いでいく。



・・・駄目でした。どうやら、簡単にはできないようだ。それならばと、買ってきた剣に魔力を注ぎながら武器創造のスキルを発動。実際に存在する武器を基に新たな武器を作り出してみようということだ。これまではMPだけを頼りに作っていたのだから、実体のあるものを触媒にしたらより強いものが生み出せると思ったのだ。さらに強化をアシストするために魔力操作で魔力を武器に込めていく。


剣ということで俺がイメージしたのは最強の剣。彼の英雄王が所有していたとされる黄金の剣。鋼をも断つといわれる名刀。俺のMPと大気中の魔素を大量に消費しながら、武器屋で買い求めた安物の剣をベースに新たな武器を創造していく。まぶしい光を放ち終わった後出来上がった一振りの剣。光を浴びると黄金に輝く刀身。刃には幾何学模様が描かれているのは俺がアニメやゲームに登場する聖剣をイメージの根底においていたからだろう。


実在している武器をベースに想像するということが何もない無から有を生み出すこととどれだけ違うのか実感した。何よりその速さだ。普通にやったら1時間かかるところが10分あったら出来上がってしまった。耐久力や攻撃力については実際に使ってみる必要があるだろう。定期的に魔力を注ぐ必要があるかも見ていく必要があるな。そして、俺が想像していた聖剣はもっと長くて大きなものだったのだが、大きさはベースとなった武器のサイズから動かすことはできないようだ。ただ鍔の部分だったり弄ることができたところもあるので変化させることは可能なのだろう。


しばらく休憩した後、槍も一本作り上げた。イメージしたものは最強の矛だ。どんなものも貫く槍をイメージした。貫通力と殺傷力を上げるために槍頭にねじりを加え、簡単に引き抜けないように返しを四つを柄を中心に対角線上に付けた。槍の長さは変えられなかったが一部分の変更は可能だったらしく、原型は全体の長さくらいしかとどめていない。これは何度か練習していけば完全にオリジナルの武器を生み出していけそうだ。


さらに時間をおいて、剣を作っていく。今度は聖剣とは真逆、魔剣とでもいえるような剣を創造していく。色は黒、すべてを飲み込むような漆黒の刃、すべてのものを断ち切る力を持った豪剣。名前はいいものが思いつかなかったので、無理して付けないことにした。




さて、準備はこんなものかな。そんなことを思いながら横を見ると、ステラがすぅすぅと寝息を立てて寝ていた。どうやら俺は夢中になってあれこれ武器を弄っていたらしい。夜も更けてきている。明日からの迷宮探索に向けて俺も寝ることにしよう。





お読みいただきありがとうございました。これから少し迷宮編突入します。


いつものことながら勢い執筆ですすいません。誤字脱字あれば報告いただけますと可能な限り早めの対処を行っていきたいと思います。

評価なども一緒にしていただけますと今後の励みになります。


今後ともつたない文章ですが楽しんでもらえるよう頑張ります。感想や指摘してくださった方々にこの場でお礼申し上げます。

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