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異世界ライフ  作者: Peach
第一章
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今日は二本投稿してます。読み飛ばしにご注意ください。



馬、ウマ目ウマ科に属する動物。乗馬や農耕用に働いている馬や、競馬で走っているのを前に見たことがある。そしてこの生き物はオスとメスの生殖行為によって新しい命がメスの胎内に芽生え、幼体としてこの世に生を受ける。これが俺の知っていた馬の知識のすべてだ。しかし、俺の知識は生物商の店が連なっている商店街の一区画で壊れた。



防具屋で思わぬ臨時収入があり、ウハウハな俺はステラとともに最古参の迷宮の入り口目指して歩いていた。途中で生物商といわれる、この世界のペットショップ的な店が並んでいるとことに差し掛かり、調度いいので立ち寄ってみたのだった。しかし、その店に入って俺の常識が壊れてしまったのだ。そこには、馬の卵が売ってあった。他にも犬だったり、猫だったりの卵もあった。



「馬って卵から生まれるものだったのか・・・。あれか俺の知識が間違っていただけで本当は卵で生まれてきていたんだ・・・・」



ぶつぶつつぶやいている俺の姿は傍から見たら変人以外の何物でもなかっただろう。



「いらっしゃいませ、何かお探しですか?」

「馬を探していてな」

「馬ですか。今ですと軍馬向きの種と馬車を引く行商向きの種をそれぞれ何点かおいていますよ」



あ、そうかそこまで考えていなかった。馬にも軽馬と重馬があるのだ。用途によって購入する種は考えなければならないだろう。というかまず先に考えておかなければならないことだった。



「一応説明してもらっていいか?」

「はい!」



店で店員の熱っぽい解説のもといろいろと聞いたところ、俺の心は軍馬向きの種に傾いていっていた。正直馬車を引けなくても構わない。恐らく馬車だろうが図鑑に納めることができるはずだし、無理なら無理で、重量操作でいくらでも対応できそうだしな。戦闘にも参加できる種の方が何かと都合がよさそうだ。



「ちなみに、今こんな企画も行っています」

「ん?」

「こちらに200個の魔生物の卵があります。銀貨50枚でどれか一つを選んでいただくというものです」



ソーシャルゲームとかでありがちなガチャ形式の商売方法かな?基本的に店側が得して消費者が損をするようにできているなかなかうまい商売方法だったはず。次は当たるかもしれないという考えが働いて、はずれを引いた客がまた挑戦してくる。はずれがかさんでくると失敗を取り戻すためにさらに躍起になったりな。コレクションが趣味だった俺からすると全種類コンプしたくなる面白そうな企画だ。しかもだいたいこの手の企画では何か特別な商品が含まれているはずだ。



「その企画の目玉は?」

「察しがよろしいですね。各種の生物の中で珍しい種が含まれておりますよ。特に目玉なのが竜種のワイバーンですね」

「ほう、ワイバーンがあるのか!ちなみに馬もいたりするのか?」

「はい。一般購入できる馬用ではなくこの企画用に用意した種が2種ございます」

「その種っていうのは?」

「ユニコーン種とバイコーン種です」



ユニコーンっていうのは言わずも知れた一角獣のことだよな。バイコーンってなんだろう。角が二本あんのかな?聞いたところによるとどちらも戦闘用の軍馬向きの種だそうだ。育成方法が他と少し異なるのがたまに傷とかなんとかぼそぼそいっていたな。



「ちなみにさ、一発でその二つ引き当てたら、インチキだとか騒いだりしないよな?」

「まさか!もし当てられた場合、しっかり馬を成長させてうちの店で購入したということを宣伝してくださいとお願いする位ですよ。他の人に売ったりする場合もうちの店の宣伝していただけますと」



商売根性ってやつか。なかなかだな。正直普通に買うより当てた方が安上がりになりそうなんだよな。普通に買った場合金貨1枚とかそれ以上が当たり前なのだが、こっちのイベントだと一回銀貨50枚となかなかお手頃価格だ。ものは試しで一回やってみるか。



「一度挑戦してみたいな。銀貨50枚だったか?」

「ありがとうございます。只今ご用意しますので少々お待ちください」

「あたりの卵なしとかいうのはやめてくれよ?もしインチキしてるのがわかったらこの店潰すからな?」



軽く脅しのつもりで言ったのだったが、「商人は信頼が一番。私はここで長いこと店を構えています。そんないかさまをするぐらいなら商人をやめましょう。私にも誇りはあります」とまじめに返された。俺のこの店主に対する印象も初めからいい方だったのでここは素直に信じてみよう。というかインチキするなとか、今からインチキしようとしている俺がいうのもなんなんだけどな。



「ではこちらの200個の卵の中からお選びください」



そういわれて、店主が準備したテーブルを見ると、いくつもの卵が箱に詰められた状態で所狭しと置かれていた。



「ちなみに、ワイバーンの卵は他に比べあまりに大きいので大きさが同じ空の箱を用意しています。そちらを選ばれた場合本物をお持ちしますので」



なるほど、それじゃあだいたい、卵はみんな拳をふたつ重ねたくらいの大きさなのか。犬も馬も最初の段階では同じ大きなのか。さてさて、馬鹿正直に選んだのでは何かいらないものが当たってしまうだろう。店主の誇りには申し訳ないが、これも俺の天運に基づくチートなわけだから許してもらうことにしよう。しっかり宣伝してやるから許してくれ。そう心の中で謝りつつ、スキルを発動させる。そのスキルとは、ここ一か月の間で手に入れたスキルポイントで強化した鑑定スキルだ。箱の中にある卵が何の卵なのか、卵のすぐ上に種名がでてくる。名前が出ていない箱がある。あれがワイバーンか。ワイバーン、竜種を従えた勇者にあこがれを感じないわけでもないが、やはり当初の目的通り馬をもらっていくことにしよう。



「これだな」

「そ、それは!!」



俺が選んだのはユニコーンの卵だ。200ある卵から宣言通りと言ったらその通りに一発で辺りを引き当てたのだ。確率的にありえないことだが、絶対にないとは言えないのだから納得してもらうしかないだろう。



「お?その反応は当たりか?まさかワイバーンとかか?」



わざとらしく聞いてみた。店主は首を振って



「そちらはユニコーンの卵です。まさか本当に一発で当てるとは・・・!」

「おお、日ごろの行いがよかったのかもな。ステラもやってみるか?」

「えっと・・・兄さん?」

「お連れ様はお客様の妹様でしたか。いかがですか?お兄様は幸運にも名馬になるであろうユニコーン種を引き当てられましたよ」

「最初に言っておくけどステラは俺以上に運がいいからな。ワイバーンを引かれることを覚悟しておくといい」



なんて言って、わざとらしくステラに話を振ったのには一応理由がある。今俺たちには二匹馬が必要だ。俺とステラが乗るためにな。だけど俺が二回続けて当たりを引いたらさすがに怪しまれてしまいそうだからだ。だが違う人間が引き当てたなら、また印象が変わってくるというものだ。ちなみに、ステラにはバイコーン種を引いてもらうつもりだ。ステラにそんな神業ができるわけないだろうって?ユニークチートを舐めて貰っては困る。



「スキルエンチャント:鑑定」



ぼそっと俺はつぶやいて、スキルを発動させる。ステラも俺のスキルが発動したことが分かったのだろう。こっそり近づいてきて、俺の考えを尋ねてきた。



「えっと兄さん?これは?」

「アルストロメリアに戻るには馬が必要だ。だけど普通に買ったら高いからな」



そこまでいったところで俺の真意を悟ったのだろう。ステラが店主に自分も挑戦する旨を伝えた。そして、知っている俺からしたらわざとらしく見えるがうーんとえーっとなんていいながら少し迷った雰囲気をかもしながら卵を一つ選んだ。ごめんね店主さん。悪いけど容赦なんてしません。店主はステラが選んだ卵を見ながら、青ざめた顔して苦笑いしている。



「まさか、本当に・・・」

「その表情から察するに・・・だから言ったろう?ステラは俺をもしのぐ強運の持ち主だ、店一番の目玉商品がなくなってしまって残念だったな」

「いえ、妹様が引かれたのはワイバーンではありません・・・・」

「ん?違ったか?てっきりワイバーンかと思った」

「選ばれたのはバイコーンの卵です」



知ってます。ごめんなさい。宣伝するから許してくれ。本当に悪いとは思っているんだよ?本当だよ?信じてくれ店主よ。そんな青ざめた顔でこっちを見ないでくれ。罪悪感が芽生えちゃうだろ。



「おお、そうだったか、これは迷宮に入る前から幸先がいいな」

「そ、そうですね、今後ともお二方に幸運がありますよう」



店主いい人でした。本当にごめんなさい。



気を取り直して、その後馬の育成について説明してもらった。まずこの当てた二つの種について忠告された。普通の馬ならば食事については果物や草を食わせればいいそうだが、ユニコーンとバイコーン種は少し特殊で、エサは魔力ということだった。簡単に言って魔物の体内ある核魔石を餌にする必要があるということだ。でも俺の場合魔力操作が使えるから、もしかしたら餌の心配はいらないかもしれないな。



そして説明が終わり次に飼い主を定める儀式を行った。それには飼い主の血液が必要とのことだ。どちらの馬にどっちが乗るかなんてわからないという旨を伝えたところ、二人の血を混ぜて使えばどちらも飼い主にできるとのことだった。腕をナイフで切り付け、血を垂らす。止血用に回復薬が準備されていたので安心して腕を切り付けることができた。そして、俺とステラの血と何か特殊な液体を混ぜたものを卵にかけるとすぅーっと卵に吸収されていった。

そして、今からおよそ3日くらいで孵化し、生まれて1週間ほどで成体になるとのことだ。ファンタジーの世界だ、気にするな。気にしたら負けだ。自分に言い聞かせつつ、項垂れている店主には、迷宮で稼いで馬の装備とか買いに来るからと言付けて店を後にした。


餌が魔力ということだったので、なんとなく魔力操作で俺の魔力を卵に注いでみた。するとどくんと脈打ったような気がした。調子に乗って多めに魔力を注いでいくと、卵の色がだんだん変色してきた。これはもしかしたら、ミスったか?余計なことをして卵が駄目になってしまっていたら店主になんて言い訳したらいいのかなとか思いつつ、ステラにも魔力を別の卵に注いでもらった。俺ほどスムーズではないが魔力を注いでいくとやはり色が変色してきた。初め茶色っぽかった卵が、俺の方は青みを帯びてきて徐々に黒くなっていった。一方ステラの方はだんだん黄色になっていって白くなっていった。卵を交換して魔力を注いでいったところ、俺が魔力を注いでも白い卵の方は白いままだし、黒いほうの卵もステラが魔力を注いだところで色が変わることはなかった。



後になって知ることになるが、卵の中の生物は、卵の段階でどれだけ魔素を吸収できたかによってその後の能力が変わってくる。卵の段階で大量の魔素を吸収することができた個体はより強力になっていくのだ。卵の色は生まれてくる魔物の毛の色や体の色を表している。二人は何気なく魔力を込めていたのだが、二人のスキルの、といってもハヤトのスキルのレベルがLv5ということもあり、通常では考えられないレベルの魔力が卵に注がれていた。

ちなみに魔力というのは魔素を取り込んで力に変換しているものなので、魔力を卵に込めると魔素を取り込むことになるのだ。その魔力をしかも、二人は今後卵が孵化するまで何度か魔力を込めていくことになり、生まれてくる個体がどんどん強くなっているということを本人たちも知らずに行っていくことになる。




お読みいただきありがとうございました。

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