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本日二本目です。早めに投稿しようと思っていたのですが寝てしまっていて遅れました。
ミス修正しました!
街に到着してまず俺たちは宿の確保に動いた。森に面していることもあり、冒険者が結構訪れるらしく、結構な数の宿があるようだった。アリスたちが選んだ宿だとちょっと俺たち低ランク組には財布が厳しいので少しランクを下げたところに宿を取った。
なお心配していた亜人族への嫌悪というのは感じられなくて安心した。ここには亜人の冒険者も数多く来ているらしく、そういった偏見などはだいぶ薄れてきているそうだ。
「とりあえず道中お疲れさま」
アリスの一声から夕食の宴が開始された。食堂だけはアリスたちの宿のところを利用することになった。ちなみに、おごってくれるらしい。これを断る理由もなかったのでありがたくご馳走になることにした。アリス先輩ごちでした。
食事中は、道中であったことを話したり、明日以降の話し合いがされた。明日は、さっそく朝方から密林に入っていくことになった。トロールたちの目撃情報はだいぶ奥の方なので、早めに出かけるのだそうだ。トロールたちは基本的に夜型らしく、夕方頃に起きだして活動を開始するらしい。だから、早めに密林に入っておいて、やつらのテリトリー内を調べるんだそうだ。そこで巣を見つければそのまま強襲。見つからなければまた後日散策するらしい。いろいろと根掘り葉掘り聞かれて面倒ではあったが、楽しい前夜祭となった。
ちなみに、聞かれたのは俺とステラの馴れ初めについてがメインで、あとは俺の急激な戦闘能力の上昇についてだった。ステラとの関係は、妹、家族であると説明しておいた。そしてそうなった理由などを答えてやったら納得してくれたようだった。ステラのことを妹だと思っているといった時にステラがため息をついていたようだったが、頼りない俺は兄というより弟的な風にとられているのかもしれないな。もっと頑張ろう。俺の能力については、戦い方を参考にさせてもらった結果こうなった。すべてはアリスたちのおかげであるとよくわからない説明をして逃げた。
明日からの依頼遂行のために早めに寝ることにした。寝る前にステラに声をかけておいた。
「明日はがんばろうなステラ」
「はい!」
「とはいっても俺たちは基本見ているだけだろうから、生き残ることだけ考えて行動しよう。最悪、失敗してもいいんだから、絶対無理だけはするなよ?あと密林に入ってからは俺のそばからあまり離れないように」
「わかってますよ兄さん。そんなに心配しなくても大人しくしてますから」
ふふふ、と笑われてしまった。ぐぬぬ、威厳か?威厳が足りないのか?これはトロールを見つけたらバシッといいところを・・・いやあほな考えはやめておこう。いのちをだいじに、うんこれが一番重要だ。
「よし、さっさと寝ちまおう」
そうして、久しぶりのベッドでの快適な睡眠をたのしんだのだった。
さて、トロール探索初日、俺たちは密林地帯に踏み込んでいた。生い茂る木々や草が邪魔をしてなかなか前に進めない。湿度も高く、じめじめとしていてものすごく気持ちが悪い。シャツが汗を吸って張り付いてくる感じだ。今は昼過ぎで日が高いこともあり、とても気温が高い。おまけに湿度まで高いとかマジ勘弁してくれ。密林に入ってすぐに流れの速い大きな川があった。流れを追っていくと先は滝になっているようだ。高さもあるから落ちたらただでは済まないだろう。
結論から言うとこの日トロールを見つけることはできなかった。ただ、木々にトロールの縄張りであることを示す、打撲痕があったので、とりあえず、ここを中心に明日もう一度捜索することにした。暗くなってしまうと夜行性のトロールから襲われる可能性が高くなるし、他の夜行性の魔物も徘徊を始める。ただでさえ人間は夜は弱視なのだから、用心に用心を重ねることは決して無駄ではないはずだ。明日はスムーズに進めるように道を作りながら宿に戻ったのだった。
ある程度邪魔な木々を伐採しつつ街に戻った俺たちはすぐに宿屋で作戦会議を行った。恐らく明日には戦闘になるだろうから気を引き締める意味合いでも重要なことだ。俺たちそれぞれに役割が与えられた。俺とステラは基本的に観戦。ただ敵の意識が俺たちに向く可能性があること、死の危険があることなどを説明された。つまり危険があるが本当に来るかという確認だった。俺は首を縦に振ることで肯定した。その後は基本的な立ち回りを話し合い、夜は酒を控え軽く飯を食って早めに寝ることにした。
それは布団に入ってすぐのことだった。
「兄さん、起きてますか?」
「ん?ああ、起きてるよ?」
ステラが声をかけてきたので寝返りをうってステラのほうに顔を向ける。
「明日は大丈夫でしょうか・・・何か嫌な予感がして・・・」
不安げな顔をしてこちらを見つめるステラ。確かに不安に思うのも仕方のないことかもしれないな。なんせ、ステラは精神年齢的にまだ幼いし。体は確かにもう大人だが、いや別に胸とか見たわけじゃないよ?でもまあ出会ったころに比べたら大人になった。本人いわく精神面も大人になったということだが、それはいくらなんでも無理があるだろ。もっと時間をかけていろんなことを知って徐々に成長していくものだと思っているからな。
「大丈夫だよ。もし怖いなら宿に残っているか?俺のわがままだし無理に付き合わなくてもいいぞ?」
「い、いや!一人にしないで・・・」
今にも泣きだしそうな声で懇願してくるステラ。やはり、両親がともに依頼に出かけて戻ってこなかったというのが一種のトラウマになっているのかもしれないな。俺も帰ってこないかもと不安になっているのか。
「大丈夫どこにも行きやしないよ。何かあったら俺が守ってやるから安心して早く寝ちゃいな」
「はい・・・」
暗い話になりそうだったので早めに話を打ち切ることにした。俺も明日に備えて寝ようとしたら、俺の布団に侵入してくるやつがいた。もちろんステラだった。たまにこうして俺のベッドに侵入してくることがあるんだよな。雷が鳴った時とか。やっぱりまだまだ子供だな。追い出すようなこともせず、横にずれてステラが寝るスペースを空けてやり、そのままゆっくりと意識を手放していった。
次の日、トロール捜索二日目、事前に作った道を通って順調に昨日着たところまで来た。そして、そのまま無事にハイトロールを見つけて狩って終わった。
なんてことにはならず、目下予断を許さぬ状況にいる。
事の始まりは昨日の地点まで戻って、周辺を探していたころまで遡る。ある程度時間が経った頃、短い口笛が響いた。これは前もって決めていた敵発見の合図だ。ただ、その口笛が3度なったのが俺の不安を増幅させる。1回なら発見できずとりあえず合流、二回目なら敵発見すぐ合流。だが三回目の時は緊急事態発生ということを表すと決めていたのだ。何かが起きたらしい。とりあえず口笛が鳴ったほうになるべく音をたてないようにしながら駆けた。
俺が行く頃にはすでに戦闘が始まっていた。
俺の身長が約180㎝だが、トロールというのは俺より1.5倍くらいでかい。縦にもでかいが横にもでかいのには驚いた。なんというかまだ想像通りのでかさなんだけど、想像より不細工だった。トロールと思われる個体が約7体、その群れの中に一際でかい奴がいた。恐らくあいつがハイトロールだろう。しかし、俺の目には通常のものよりも大きな個体が二匹いる。依頼では一匹の討伐だったのだがこいつらは番になっていたのだ。ボス級の魔物が番になっている場合依頼のランクが上がりBランク相当になってしまう。
俺が駆け付けたころにはアリスたちがすでに戦闘中だった。ハイトロールたちはまだ昼過ぎ位ということもありまだ眠いのだろう。戦闘には参加していないようだったが、それでもトロールの数が多い。
アリスが猛然とダッシュし、リンダさんも合わせて駆け出す。ベッキーさんは二人の向かった個体の両脇の個体に弓で狙いをつけて矢を放った。同じようにアマンダさんも炎魔法で火の玉を作り出して脇の個体を狙って攻撃していく。アリスたちがターゲットを攻撃範囲内に捉えると、その槌で剣で、相手を蹂躙していった。アリスは一撃入れたら即動き始め、常に的を絞らせないように努めているし、リンダさんは可能な限り正面に位置を取り、ターゲットの意識を自分に向けさせ続けようとしている。そして、敵がリンダさんを攻撃した隙にアリスが重い一撃を入れるといった感じだ。ここまでの動きを流れるように行っているあたりさすがといえる。
ハイトロールたちはまだ眠いのか参戦してこない。このまま傍観していてもアリスたちなら余裕そうだが、いつハイトロールたちが参加してくるかわからないので、アリスとリンダさんの戦い方を参考に俺とステラも近くの敵に襲いかかった。
まず槍を敵の腹目がけて投擲。槍を投げてすぐに勢いよく加重してやると、槍が面白いように敵の腹を貫いた。さらに加重していくと、重さに耐えかねて槍が刺さったままの状態で動かなくなった。それを見た俺とステラは抜刀し、敵に近づく。首や武器を持っている右手を中心に攻撃していく。敵は持っていた大きな木のハンマーのようなものを落として、抵抗することもできなくなっていた。心臓辺りに剣を突き刺して戦闘不能にして、とりあえずこいつは放置することにした。
次に残りのトロールだが、俺たちが1匹仕留めることには残り4体になっていた。アリスたちが驚異の速さで魔物を狩っているようだ。1匹ずつしとめると、即時散開。トロールが振り回す木の棍棒のようなものが木々に当たって木々を吹き飛ばしたり、地面に穴を穿ったりしているので絶対に攻撃を食らってはいけない状況だ。あんな攻撃受け流すこともまともに防御することもできなさそうだ。
ただ幸いなことにハイトロールたちがまだ寝ているため戦闘に参加してこないことだ。このままならいけるな。そんなことを思いつつ、俺はアリスに向かって叫んだ。
「アリス!あの二匹はどうするんだ?」
「とりあえずトロールを全滅させてからいったん街に戻りましょう!」
さすがにいきなりハイトロール2匹を相手にするのはアリスたちでもきついのだろう。
「ハヤト!もしこちらが雑魚トロールを全部片付ける前にあいつらが戦闘に参加してきたら全速力で逃げるのよ!ボス級が参戦すると連携攻撃されてしまうわ」
「了解!」
「死にたくなかったら、全力でトロールを狩って!」
会話はそこまでで、お互いに残ったトロールたちに襲いかかっていった。
俺がまずトロールに接近して魔拳を撃ちこんで隙を作り、ステラが追い打ちをかける。魔拳も分厚い脂肪に包まれた腹だと大した威力が通らないみたいだ。アリスたちも同様に一匹を全速力で倒しにかかっている。俺たちとアリスたちがそれぞれ一匹ずつ倒したところでとうとう起きてはならない事態が起きてしまった。
「おいおいまだ目覚まし時計はなってないぞ・・・」
雑魚トロールの断末魔の叫びでやつらが目覚めてしまった。最悪だ。まだトロールが2体残っている。アリスたちも同じように動揺しているようだったが、
「時間を稼ぐわ!あんたたちは逃げなさい!」
そういってアリスたちが一斉に攻撃に移った。アリスとリンダさん、そしてベッキーさんまでもがトロールに突撃していった。アマンダさんがさっきまでよりも大きな火球を作りだし、アリスたちが向かったトロールとは違う方に放った。森に火が広がりそうだが湿度が高いこともあってかその心配はなさそうだ。火柱がトロールを包んでいる間にアリスたちは片方のトロールを殲滅した。つづいて火に焼かれていたほうに向かうときに起きてきたハイトロールたちの攻撃がアリスたちを襲った。
「きゃっ」
短い悲鳴を上げて地面を転がるアリスたち。かろうじて攻撃は避けたように見えたが、拳圧だけで吹き飛ばされてしまったのだろうか。地面にでかい穴が開いているということはそれだけの攻撃力なのだろう。転がったアリスたちに追い打ちをかけるべくハイトロールがアリスたちに向かって歩を進めた。残りのハイトロールとトロールはアマンダさんが炎魔法で牽制していることで動けないでいるのがまだ幸いといったところか。
というかアリスたちでもあんなに簡単に吹き飛ばされてしまう攻撃力ってどんだけだよ。今すぐ逃げ出したいが、ここでアリスたちをおいていったらものすごく後悔するように思えた。ステラと自分の命を最優先に考えてきたが、やはり仲間が死にそうなのを黙ってみているなんてできない。ぶっきらぼうで喧嘩腰で偉そうなやつだと思っていたけど、知らない間に俺はアリスたちを仲間だと思っていたようだ。
なにができるかなんてわからない。けど、折角手に入れたスキルを全力で使えばみんなで逃げ切ることもできるかもしれない。こいつらを何とかしてみんなで無事にアルストロメリアに帰るんだ。
「おおおおおおおおおおお」
俺は吠えた。敵のすべてを圧倒すべく。少しでも大きく見えるように立ち上がり、威圧スキルを全開にした。炎魔法で攻撃されていたトロールは俺の威圧によって、地面に膝をついた。だが、上位種のハイトロールたちには効かなかったようだ。やはり俺よりもレベルが高いのだろう。同じレベルか俺よりも下ならあのトロールのようになるはずだし。俺の威圧に対してアリスたちの方に向かっていたハイトロールがこちらにターゲットを移したようだ。アリスたちに向いていた敵意が俺に向いたことだけでも、威圧を行った意義があった。
「アリス!こいつらはなんとか俺に引き付けるから早く体勢を立て直してくれ!」
そういって俺は槍を投げた。目標はアリスたちに近い位置にいるハイトロール。投げるときは可能な限り軽く、投げてあたるときには可能な限り重く。槍は狙い通りにハイトロールに命中。槍の重さと威力に呻きを上げてたたらを踏むハイトロール。それに合わせて俺は駆けた。魔力操作による加速で一気に距離を潰す。目標はさっき威圧で膝をついたトロールだ。威圧から徐々に回復してきていたので早めに潰さなければならない。拳に魔力を集めて、屈んだことで低い位置に落ちてきていた顔面に魔拳をぶち込む。インパクトの瞬間魔力が爆発して頭を吹き飛ばした。
この間ほんの数瞬。これまでのハヤトを知るものならば、この動きや戦闘力は異常に見えただろう。現に他のパーティメンバーたちも呆然とハヤトの動きに見入ってしまっていた。
「おおおおおおお」
俺は再度咆哮した。相手の気力を押しつぶすために、そしてハイトロールという強敵に向かう自分を鼓舞するために。そして、叫んだあと、一瞬息を吸って、また加速する。肉迫して手を伸ばせばすぐにでも触れられる距離まで接近。魔力のこもった拳を亜種の腹に撃ちこんだ。ざざざっと後ろに若干吹き飛びかけるのを堪える亜種。これまでの相手ならば体は折れ曲がり、うまくいけば一撃で絶命するレベルの魔拳だったが、この亜種には通常攻撃が少し強くなったレベルといったところなのか。
「冗談きついぜ・・・」
楽しいわけじゃない。でも自然と笑ってしまう。どちらかといえば苦笑いの部類の笑みだ。ハイトロールの耐久力に驚いたせいで、すぐに体勢を立て直した敵の攻撃に反応できなかった。奴が拳を振り上げて俺に打ち下ろしの右を放ってきた。全力で魔力溜める。何もないよりはいいだろうと思い、拳の当たるであろう場所に魔力を集める。当たる瞬間に魔力を爆発させて抗力を生み出す。かろうじて威力をそぐことはできたようだが、ハイトロールの攻撃を受けて俺は思い切り吹っ飛ばされてしまった。攻撃の威力のせいで地面に落ちてからもしばらくごろごろと吹き飛ばされていって川辺ぎりぎりまで来てしまった。ただ想像していたよりもダメージは少なかった。魔力操作で攻撃の威力を少しは減らすことができることが分かった瞬間だ。
なんとか体を起こしてみたが、体中が痛い。想像していたより痛くなかったが痛いことに変わりはない。悠然と近寄ってくるハイトロール。さすがにまずいな。足が笑ってやがる。
「兄さん!!」
俺のそんな様子を見かねてステラが無謀にもハイトロールに突進してくる。逃げろと叫ぼうとしたがうまく声にならなかった。アリスたちはもう片方の相手をしていてこちらを援護する余裕がない。初撃は躱して攻撃に移ったステラだったが、2撃目に捉えられてしまい、俺と同じように吹っ飛ばされてしまう。というか、これはまずい!俺のように魔力操作で威力を殺したわけではなく、盾でハイトロールの拳を受けたステラはぐんぐん吹っ飛ばされていく。俺がいる位置よりも先まで。俺の後ろは川だぞ。
「ステラー!!」
考えるより先に体が動いた。足に魔力を集め、川に落ちていくステラに向かって俺も川に飛び込んでいった。
なぜだろう、メルさんが怒っているような気がした。
お読みいただきありがとうございます。
ちょっと無理やりなところある気もしますがその辺はご勘弁ください。
今後もがんばりますのでよろしくお願いします。
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