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異世界ライフ  作者: Peach
第一章
18/55

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約一か月ぶりの更新です。

待っていてくださった方いましたらお待たせしました。また行き当たりばったりですが更新していきたいと思います。今後もよろしくお願いします



翌朝、昨日までの雨は止み、雲間から一部青空が覗いている。天気はこのまま晴れるのだろうか、それとも梅雨のようにしばらく雨の期間が続くのだろうか。アリスたちと出かける前にマントを買わなくてはならないだろうな。また途中いきなり降られたら最悪だ。



「ステラ、起きろ、朝だぞ」

「んー」



でるか?また出るのか?



「おはよう、兄さん」



あれ、普通だ。つい最近まで、恒例のあと五分であったり、あと三日など、いろんな寝ぼけコメントが返ってきていて突っ込み甲斐があったというのに、自立してきているのか。うん、若干物足りない気がしないでもないが、プラス思考に考え、ステラの成長を喜ぼう。



「おはよう、今日はいよいよアリスたちの依頼についていく日だ。ギルドに行く前に外套とか買っていきたいから準備しろ」

「はーい」



うーんと伸びをして起きてくるステラ。俺もてきぱきと身支度を済ませ出発準備をする。最近分かったことだが、宿代にプラスアルファで代金を払うと飯のグレードが上がるようだ。今まではパンとスープ、あと適当なおかずって感じだったのが、さらにお金を払うとその額に従っておかずの質が上がっていくシステムらしい。今朝はただ焼いただけのスモールラビットの肉ではなく、名前はわからないが数種類のキノコと一緒に煮込んだ、手の込んだものだった。

今までのものに比べればずっとおいしい朝食を食べた後、急いで服屋を何件か回った。好みのデザインのものを探すというのもあるが、いい商品を探すためだ。おかげで3件目で俺の好きな黒のフード付きのマントとステラが青みがかった濃紺のマントを購入した。生地もしっかりしているし、撥水性も問題なさそうだったので購入したがそこそこお値段の張るものだった。



「本当にいいんですか兄さん。また買ってもらっちゃって・・・」

「いいよいいよ。安定して収入が取れるようになってから返してくれれば」



返してくれればいいとは言いつつも、正直受け取るつもりは毛頭ないのだが。もし、どうしても受け取らなければならなくなったのなら、盛大に高い食材でも買ってきてうまいものでも食べることにしよう。

軽い雑談をしながら、ギルドに向かった。いつものようにギルドの戸をくぐると、ギルド内に真っ赤な赤がすでにそこにいた。



「やっと来たわね」

「待たせましたか?昨日の雨で店を出せなかったから今日のこと確認できなかったんですよね」

「こちらも今来たところなのでお気になさらず」



アリスが不満そうな声を上げたものの、パーティメンバーの背の高い竜人族の人が優しく対応してくれた。気立てのよさそうなお姉さんといった感じを受ける。



「改めまして、俺は冒険者のハヤトです。こっちがステラ。突然の不躾な申し出を受けてくださったことありがたく思っています」

「ステラです。よろしくお願いします」

「私はこのパーティのリーダーのアリスよ。依頼に出たらこっちの指示を絶対に守ってもらうからね?勝手なことしたら命の保証はできないわ」

「私は前衛での防御をメインに担当しているリンダよ」

「あっちであくびしてるのがうちの遠距離攻撃を主にやっているベッキー。弓がメインなんだけど、剣の腕もそこそこよ。ただ戦闘中はしゃきっとするんだけど戻ってくるとだらけてばかりなのよね」

「アマンダ、魔法使い」



俺とステラが自己紹介すると、アリスを皮切りにあちら側も自己紹介してくる。ベッキーさんはつまらなそうにあくびしていて挨拶する気配がなかったため呆れて代わりにアリスが紹介してくれた。ローブを目深にかぶったアマンダさんは単語だけでの自己紹介だった。表情があまりうかがえないので何を考えているのかわかったものじゃない。


なにはともあれ、互いに自己紹介を済ませ、ギルドカウンターに行き、インスタントパーティの手続きに移った。インスタントパーティというのは、メインパーティを組んでいる者同士が一時的にパーティを組む際に申請するものだ。これをすることによって、討伐した数などが今までの討伐数とは別にギルドカードの中の別枠に登録されていき、だれが何体何を討伐したかなどがよりわかりやすくなるものだ。



「ハヤトさん、いきなりこんな高ランクの依頼を受けようだなんてどうしたんですか?」



前もって決めていたようにハイトロールの討伐依頼を受けるために手続きをしていると手の空いたメルさんが尋ねてきた。



「いえ、力のあるパーティの戦い方を道中の飯を作ってやれば間近で見ることができるとなったので」



なるべく何でもない事のように軽く笑って流そうとしたが、メルさんの顔は依然として冴えないままだ。未熟な冒険者が無謀な行動に出ていると思われているのだろう。自分でも正直そう思う。だが、せっかく待っていたパーティを組むことができたのだ。ここまできて無駄にはできない。止めてしまってはスキルや戦い方がわからなくなってしまう。ただついて行って、戻ってくるそれだけだ。途中飯を作るくらいなんてことない苦労だ。



「本当に大丈夫ですよ。実際この人たちかなり強いんで、いざって時は頼りになりそうですし」

「アリスたちは確かにこの街でもかなり腕が立つと評判ですけど・・・」



何とか言葉を繋いでメルさんに心配をかけないよう振舞う。依然として顔は怖いままだが、今から行く密林地帯の情報を教えてくれた。木が鬱蒼と茂っていて、視界が悪く、大きな武器は木の枝や蔓に引っかかって扱いづらいことや、トロールは知能は低く、行動は遅いが力がとてつもないということ。そしてハイトロールの傘下のトロールたちはある種の連携攻撃のようなことをしてくることがあるということなど、いろんな情報を入手することができた。



「本当に気を付けてくださいね?アリスたちがいるとはいえ、危険はつきものなので・・・」

「大丈夫ですよ、あの人たちの実力はメルさんも知ってるでしょう?それに俺だって初心者殺しを返り討ちにするくらいの実力はあるんですから」



まあ確かにアリスたちでもカバーできない事態になることも容易に想像できるので気を抜くつもりはない。というか、傍から見れば小さな子供に守ってもらっているっていう風に見えるのかな・・・?



「ちょっと、さっきからじろじろと何人のこと見てるのよ」



おっと、凝視しすぎたか。さすがに変に思われたらしい。何とかごまかさなければ。逡巡していると、メルさんが声をかけてきた。



「ハヤトさんはアリスのような人が好みなんですか?」



一瞬思考が停止する。俺が?こいつを?・・・・ないな。あまり黙っていると変に受け取られてしまうかもしれない。ばっと向きなおり、メルさんの手を取って、目を見つめながらきっぱり宣言した。



「それはありえません!確かに顔立ちは整ってますけど俺はロリコンではありません!アリスよりメルさんの方が断然好みです!」



言い切るかどうかのところで背中に衝撃が。だいたい想像はついている。起き上がって振り返ってみるとやっぱりアリスでした。



「あんたがメルを好意的に見ているのはわかったわ。けどなんかよくわからない言葉で私を侮辱しなかった?」



あ、ロリコンってこっちでは言わないのか、少女趣味?なんていうんだろうか。語彙が少なくて困るわい。でもとりあえず言ったら俺が逝くことになりそうだから華麗にスルーしよう。



「き、気のせいですよ?単に俺の好意はメルさんの方が高いということですよ?」



いかん、どもってしまった。しかも語尾が疑問形に!



「ま、どうでもいいけどね」



なら蹴るなよと突っ込みたいが、まあ流れたからいいとしよう。とんだ茶番劇になってしまったが、一応メルさんに謝罪しておいた。そしたら、



「女性を喜ばせるの上手ですね。みんなにそうなのかしら?」



なんて言われた。さっきメルさんに言ったセリフのことかな。もう勢いというかノリで



「もちろんメルさんにだけですよ」



なんて返してしまった。ここにこっそり宣言しておこう。日本にいたころの俺だったら地球が逆さになろうが、こんなこと言わなかっただろう。最後はメルさんは、ふふふと笑って手を振って見送ってくれてこの茶番劇が終わった。


 まあ、本音をいえばメルさん恐ろしく美人だから恋人になってくれたら本気でうれしいレベルなんだけどね。なんせギルドの受付嬢ですよ?みんなハイレベルな受付嬢の一人ですよ?ぼんっきゅっぼんな受付嬢ですよ?ま、どうせ、そんなことにはならないだろうからいいけどさ。おいらにゃ高嶺の花だわい。



「ほらさっさといくわよ!」

「それでは行ってきます」

「行ってきます」



アリスがギルドの扉のところで俺とステラを急かす。


俺とステラはそろってメルさんにあいさつをし、ステラとともにギルド入口で待っているアリスたちのパーティに続くようにギルドを出ていったのだった。



今回の目的地の密林地帯はここ都市アルストロメリアから距離にして約二日の所にあるらしい。1日目は野宿で2日目は近くの町で宿を借りて休み、3日目から魔物の捜索に移るらしい。

 ちなみに今現在は、馬車に揺られて運ばれている。足腰が見事に鍛えられた馬が馬車を引いていて、自分で歩かなくていい分結構楽だ。揺れが結構きつくて腰が痛くなることを除けば。今はまだ荷馬車に乗っているが、魔物が出てくるところらへんになってきたらみんな歩くんだとか。

 馬車に揺られていう間、することがないので、アリスたちのスキルを詳しく眺めていった。


まず魔法使いのアマンダさん。この人は魔法関係のスキルを持っていた。特に炎魔法、風魔法に秀でているようでLv3だった。回復魔法も覚えていてLv2。そのほかには探知スキルや知力向上のスキルもあった。


リンダさんは肉体強化系のスキルをいくつか持っていた。剣、盾と回避スキルがLv3、探知、身体強化がLv2、身体強化から分岐しているようなのだが、怪力スキルを持っていた。こちらもLv2。


次が弓使いのベッキーさん。この人はけっこうたくさんのスキルを保有していた。弓と剣、回避、ロックオン、身体強化、さらに身体強化からの派生で高速スキル、探知スキルを持っていて、しかもすべてがLv3になっていた。実はこの人めっちゃすごい人なんじゃないだろうか。今は馬車の上で寝転がってぐだぐだしている様子からは凄みは全く感じないのだが。


最後がアリス。槌スキルがLv4、回避、探知、身体強化とそこから派生で剛力スキルがLv3。指揮というスキルも持ってた。恐らくこれは作戦を立てたりするのがうまいということなのだろう。Lv2だったが。かなりのパワーファイターな感じのスキル構成だが、あの突飛な戦闘力の根源はいったいなんなんだろうか。もう一度しっかり見てみると、俺ももっているあるスキルが高レベルで取得されていた。それは魔力操作。ちなみにLv4。剛力スキルが脚力にも影響していることも考えられるが、なんとなくだがこのスキルが怪しいと思う。俺ではまだなんとなく魔力を感知することができるくらいで他には何もできないのだが、レベルを上げたらできることが増えるのかもしれないな。


そんなことを思いつつ馬車に揺られ揺られる俺たち一向、快晴続く今日の様な天気は眠気を誘って仕方がないが、ステラとくだらない話でもして暇をつぶすことにしよう。


お読みいただきありがとうございます。

一気に書き上げて推敲していないので誤字脱字、また久しぶりの更新ということもあり前後関係がへんになっていたらすみません。時間見て見直します。


アリスメンバーたちのスキル構成はあまり考えていなかったので話を進めていくうちに変更するかもしれません。


感想などいただけますと嬉しいです。ただ一見一見返信できないこともありますので、この場でまとめて感謝申し上げることになるかと思いますがご了承ください。なるべくはやく次話投稿します!

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