4話目
4月24日
朝
柚「おはようございます、兄さん」
柊「おはよう、柚ちゃん」
柚「兄さん、すみませんが、今朝は洋食でもいいですか?」
柊「構わないけど…珍しいね」
柚「はい。いつもはご飯にお味噌汁なんですけど、今日はご飯を炊くの忘れてしまいまして……」
柊「…………」
柚「あの…兄さん?」
柊「…………はぁ」
柚「も、もしかして怒ってますか? もし怒ってるなら……」
柊「もぉ、柚ちゃんのドジっ娘ぉ♪ でも、そんなとこもキュートだぞっ☆」
柚「あれ? おかしいな…謝る気が失せたぞ」
昼
柚「というわけで、お弁当も作れませんでした」
柊「しょうがないね。じゃあ、今日は学食にしようか」
柚「はい、そうですね」
柊「何食べようか?」
柚「私は一番安いA定食にします。兄さんはどうしますか?」
柊「俺は……」
柚「柚ちゃんとか言うなよ?」
昼その2
柊「ははは、そんなこと言わないよ?」
柚「えっ? そ、それはすいませんでした。てっきり……」
柊「俺が食べるのはね……義妹の処じ――」
柚「土でも食ってろ」
昼その3
楓子「なぁ、弟」
椿「3年の教室にまで呼び出して一体なんだよ、姉ちゃん」
楓子「花園柊をあたしのものにするには、どうしたらいいと思う?」
椿「……姉ちゃん」
楓子「なんだ、弟」
椿「その話、今日27回目……」
昼その4
楓子「ん? そうだったか?」
椿「そうだよ……」
楓子「うむ、まぁそれはいいじゃねえか」
椿「え? 毎時間呼び出される俺の自由は?」
楓子「ないぜ!」
椿「…………うん、予想はしてた」
昼その5
楓子「あたしだってお前と花園柚をくっつけようとしてるんだから、ふぃふてぃふぃふてぃだろうが!」
椿「慣れない横文字使おうとするなよ! あと、そのことは言うなぁ!!!」
楓子「お? 照れてんのか、照れてんのかぁ! 愛いやつめ」
椿「は、はぁ!? ちちち、ちげぇし、勘違いすんなし! つか、まず俺は花園のことなんか好きでも何でもないし! むしろ嫌いだし!」
楓子「うひゃひゃひゃひゃ! こいつ、おもれぇ!」
椿「う、うるせぇ! この脳筋がっ!」
楓子「あ゛ぁ!?」
――バキッ☆
※コンクリートの壁とか破壊したりするとこんな音がするよ。
椿「ひ、ひぃ!?」
楓子「…………」
椿「す、すいませんしたぁぁぁ!!!」
夜
柚「そういえば、私のクラスに面白い男の子がいるんですよ」
柊「…………男?」
柚「はい。たぶん女の子が苦手なんだと思うんですけど、私と話す時ですら顔が真っ赤になって噛みまくるんですよ。なんだか可愛いですよね?」
柊「ははは、そうだね」
柚「昨日落ちた消しゴム取ろうとして、手が触れた時もですね――」
柊「柚ちゃん、そいつをお兄ちゃんに紹介しようか」