3話目
4月20日
朝
柚「兄さん、私の制服知りませんか?」
柊「ん? これ?」
柚「え、なんで着てんの、この気違い」
朝その2
柚「なんで私の制服を来ていたんですか?」
柊「これには深い理由があるんだ!」
柚「……聞きましょう」
柊「……実は」
柚「……実は?」
柊「柚ちゃんのお姉ちゃんになりたくて!」
柚「うわっ、本気で危ない」
朝その3
柚「お姉ちゃんって……一体何の冗談ですか?」
柊「いや、柚ちゃんが俺に冷たいのは、性別が違うからだと思うんだよ! つまり、俺がお姉ちゃんになれば万事解決するんだ!」
柚「いや、お前が消えれば万事解決だ」
昼
柚「すみません、兄さん」
柊「突然どうしたの?」
柚「今日、お弁当を家に忘れてしまいました」
柊「ははは、そんなことだろうと思って……」
柚「え? もしかして……」
柊「そう、持ってきました! 中学時代の柚ちゃんの縦笛」
柚「……食えよ?」
昼その2
柊「冗談だよ?」
柚「冗談に聞こえません、兄さん」
柊「本当はぁ……小学時代の柚ちゃんのスクール水着でした!」
柚「もうダメだ、この犯罪者」
夜
柚「兄さん、洗濯機回しますけど、何か汚れ物ありますか?」
柊「あっ、柚ちゃん!」
柚「なんですか?」
柊「柚ちゃんの下着が俺の部屋にあるよ」
柚「お前を洗濯してやろうか」
4月21日
朝
柊「柚ちゃん、今日は外食をしよう!」
柚「また唐突ですね」
柊「何が食べたい?」
柚「そうですね……兄さんは何がいいですか?」
柊「柚ちゃ――」
柚「うん、聞いた私が馬鹿だった」
昼
柊「やってきました、寿司屋さん!」
柚「え、お寿司なんて……いいんですか?」
柊「いいんだよ、今日はお兄ちゃんの奢りだ!」
柚「……そんなお金一体どこから……」
柊「ん? 柚ちゃんの写真を売って」
柚「おい、待て。聞いてねぇぞ」
昼その2
柊「冗談だよ」
柚「…………」
柊「俺が柚ちゃんの写真を他人に売るわけないだろう?」
柚「……まぁ、確かにそうでしょうけど」
柊「柚ちゃんのアルバムは持ち歩いてるけどね!」
柚「ひい!? 気色悪い!」
夜
柚「あれ?」
柊「…すぅ……すぅ」
柚「兄さん、ソファなんかで寝て……」
柊「……柚、ちゃん」
柚「寝言でまで私の名前を呼んで……ふふ」
柊「はは、柚ちゃ〜ん……」
柚「本当に私のこと大好きなんですね」
柊「…………」
柚「幸せそうな顔しちゃって……寝てればかっこいいのに」
柊「……へへ、ひひひ、ひひひひひひひひひ、げへへへへへぇ、柚ちゃ〜んん」
柚「前言撤回。寝てても生理的に無理」