マジカルショートカット 【シナリオ形式】
■主要人物
ベル:ベル=ブレイカー。魔法中学の2年生。
リリア:リリア=タンブル。同級生。
賢者:無表情な賢者で、二人の先生。名前は作中に出ません。
悪魔1:出来損ないのぬいぐるみのような変な悪魔。
悪魔2:昔のマンガのロボットのような変な悪魔。
[1]
T「☆マジカルショートカット☆」
(魔法使いの姿で萌え萌えなポーズをとるベルとリリアを)
[2+3]
○教室
ただいま授業中。
賢者「魔法にもいろいろあるが…まずは精神魔法から学ばなければならん。」
「精神力で、紙に火をつけてみろ」
机の上の紙片を精神力で燃やそうと、生徒たちは必死。
生徒A「うーーーーーんっ」
生徒B「くそぉ、燃えろ燃えろ燃えろ萌えろ…(以下書き文字)あれっ?」
賢者の声「できない奴は、精神力をつけるために腕立て伏せ50回!」
えーーーー… と、生徒たちのため息
○学校の外観
中世の城か教会のような建物の学校。
カラーン、コローン…と「鐘」が響く。
キャプション「パラケルスス魔法学院」
○教室
放課後
リリア「ベル! 火、ついた?」
ベルはため息。
ベル「魔法の才能ないのかなぁ、私」
リリア「無理。もともと無理なのよ」
ベル「リリア?」
リリア、髪を掻き揚げながら
リリア「有名な魔法使いで、精神魔法が主体って人、いる? いやいない!」
「それは魔法使いじゃなくて超能力者だもの!」
リリア、魔方陣のような背景の前で腕を組んでポーズをとり、ニヤリ。
リリア「大賢者は魔法の素材を使って魔力を起こすのよ。」
「マテリアルさえあれば私たちだって……」
[4+5]
○学校
夜。
○廊下
暗い廊下を、隠れるように這っている2人。
ベル「やばくないかな?」
リリア「何言ってるの」
リリア、扉をピッキングしながら振り向いて
リリア「先生たちのマテリアルを盗み出せば近道って言ったのはベルよ?」
ベル「そ、それはそうだけど…」
ピーン!
リリア「開いた!」
○実験室
魔法の実験室。がいこつ、魔方陣、ガラス管、大鍋など、おどろおどろしい物がたくさん置いてある。
デスクの上においてあるフラスコと、なにやら石炭のような黒いものを手にしてる2人。
リリア「これ、使ってみよう」
ベル「でも、使い方わかるの、リリア?」
リリア「混ぜれば何か起きるわよ、きっと。」
リリア、机の上に置いた黒いものにフラスコの液体をそそぎかける。
[6+7]
○廊下
ボムッ! と、爆発で扉がふっとんだ。
○生徒指導室
…のようなところ。
賢者が激怒して、2人に向かってガミガミガミガミ!
○廊下
疲れきった表情で2人が歩いている。
ベル「4時間もお説教~~~」
リリア「失敗だったわ。マテリアルは、扱う知識がなければ危険ね。」
ベル「諦めて基礎からやろうか?」
リリア、人差し指をたてて「ちっちっち」
リリア「大魔女は悪魔と契約して魔法を使うのよ。私たちだって、悪魔を呼び出せば!」
[8+9]
○夜の実験室
ベルとリリアがそれぞれ壁と床に、本を見ながら魔法陣を書いている。
リリア「できた?」
ベル「うん。たしかにこれは魔法への近道ね。」
リリア「じゃあいよいよ、悪魔を呼び出すわよ?」
ベル「よーし、がんばるぞ!」
リリア、床の魔方陣に向かって手を組んで祈るように
リリア「エロエムエスサイム、エロエムエスサイム、われは求め訴えり!」
ベル、壁の魔法陣に向かって、ねじくれた棒を振りながら
ベル「アブラカタブラ、アブラカタブル、アブラカタブ、アブラカタ……」
ボン、と煙とともに、床の魔方陣から、角のあるワニと羊の合体したできそこないのぬいぐるみみたいな、わけのわからない変な姿の悪魔が現れる。
ちゃんとほころびて綿も出ている。(笑)
リリア「きゃーっ!!」(驚)
リリア、泣きながらベルに向かって
リリア「ベル、ベル! わけのわかんないのが出てきちゃった!」
ベルは無視して呪文に集中
ベル「アブラ、アブル、アブ、ア!」
[10+11]
壁の魔方陣から、光とともに昔のマンガのロボットのような変な悪魔がのっしのっしと出てくる。
ベル「キャアアアッ!?」
抱き合って驚くベルとリリア。
ぬいぐるみ悪魔がロボット悪魔をにらみつける。背景に炎。
ロボット悪魔もにらみつける。背景に稲妻。(互いにライバル意識(笑))
ギャオーッ ガガガガ グワーッ
2体の悪魔の派手な闘いに背を向けて、逃げ出す2人。
ベル&リリア「ひえーーーーっ!!」
[12]
○教室
誰もいない教室で居残りの二人。
ベル「えーんっ、騒ぎを起こした罰で、象形文字の書きとり500枚だなんて!」
リリア「お、終わらない……」
ベル「やっぱり、諦めて基礎からしっかりやろうよ、リリア…」
リリア「いいえ!」
リリア、ペンを握り締めて
リリア「悪魔なんかに頼ったのが間違いだったわ。大魔導師は、宇宙に偏在するマナの力で魔法を起こすのよ。私たちだって……」
ベル「また近道~?」
ベルはちょっと嫌そう。
キャプション「ENDLESS.」
<<<おしまい>>>