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第2話:たぶんこの回では書ききれないけど「そうだ、学校へいこう」

筆が早く進んじゃいました。

そのおかげで今日の授業1個出れませんでした。

来週テストだけどどうしよう。

なんだかんだで昨日はすごかったな。

え?

なにがすごいかって、みことさ、ううん、姉さんのアプローチさ。

あの後なにをするときもくっついてくるし、オマケに自分のことを姉さん兼彼女とまで言い出したり。

ボクが自分を偉いと思えるのは理性がまだ崩れていないところだ。

今までの経験で姉さんだけだったら免疫があるからね。

それはそうと、大きな謎がある。

それは、いつも夜遅くまでワイワイ騒いでいるあの姉さんが何故か大人しく9時には部屋に入って寝てしまったのだ。

ちなみに海外で愛を育んでいる親父が使っていた部屋を姉さんの部屋にした。

ベッドはもちろんこの際にテレビやなんやらみんな買い換えた。

荷物も明日以降に届くから部屋には新品のベッドしかないわけで。

あ、そういえば姉さんの手荷物はなんだったんだろう?

ボクが持つって言ったら割れたら困るから自分の荷物は自分で持つって言っていたし。

着替え以外には女の子の必需品が入ってるから男の子はあんまり聞いちゃダメだ、みたいなことを言われたからこっちまで恥ずかしくなったよ。

でも、そんなに壊れやすいものなのか?

気になる。

非常に気になる。

そんなことを考えていたらもう朝の6時42分だ。

7時にめざましをセットしてるからもう寝れないな。

あとこんなことを考えて眠れない理由がもう1つある。

昨日の夜から姉さんの部屋できこえるガチャガチャやドガバキ音はなんだろう?

本当に寝ているなら深夜3時過ぎまでそんな音が聞こえるわけがない。

やっぱりあの荷物があやしい。

いったい何が入っているんだ?




バタン。

姉さんの部屋のドアが開いたのか。

足音がする。

ペタペタ。

足音が近づいてきてる。

ボクの部屋の前で止まった。

ガチャ。

なるべく音をたてないようにしているのだろうが、あいにくこの家は築25年でろくにリフォームもしてないから結構ガタがきているんだなぁ。

一応お約束の寝たふりでもしておくか。

おい、待て。

待ってくれ。

今の状況を説明するとボクが寝ているベッドの上に姉さんが跨ってきているではないか。

「ハルちゃん、カワイイ唇いただきます」

姉さんは小さい声でそうおっしゃいました。

どひゃー。

やってくれたよ、この人。

新生活が始まって24時間も経ってないのにお約束ですか。

まぁ、ボクの寝たふりでお約束ポイントはお互い1ポイントずつだけどね。

って、そんなのんきなことを思ってる暇はないだろ、ボクよ。

顔がどんどん近づいてくるよー。

うわぁー洒落になんないよ、キスしようとしてるの?

ねぇ、嘘だよね。

そうだよ、そうに決まってる。

ワーッ、あと接吻完了まで残り20センチ。

やめようよ。

じゃないとボクのファーストキッスが寝たふりしてるっていう中途半端に笑えないかんじで散っちゃうよー。

唇同士の合体まで残り10センチ。

もうこの距離だと鼻息まで感じ取れるよ。

同時に姉さんの手がボクの肩と顔を触れてきた。

ボクのイケナイ部分が反応しちゃいそうだよ。

下ネタ嫌いな読者様ゴメンナサイ。

てへっ。

じゃなくて、『まうすつーまうす』までもう5センチもないよ。

神様おーたすけー!!

もうキスまであと1センチといったところで、ふいにボクの携帯がメールを着信した。

それによって、部屋に着信音が鳴り響く。

ボクの設定している着信音は某ヒーロー番組のオープニングだからかなりパワフルだ。

変な説明になっちゃった。

まぁ、とにかく音がでかくて枕元に置いているから普通に寝てたら目が覚めるよねってこと。

「ううん。うぅ」

自然な感じでうまく寝返りをうつ。

自分の目覚めかけの演技に100点をあげたいよ。

あわてて姉さんがボクの上から降りて部屋を後にした。

「失敗しちゃったけど、ハルちゃんはお姉ちゃんのものだからね」

そんな言葉は聞こえなかったことにしよう。

こんな時間にメールを送ってくるなんていったいどんな非常識野郎だろう。

でも、今回はボクの救世主様になってくれたからきっと素晴らしい人だろう。

そう思い携帯を確認してみるとメールの内容は迷惑メールだった。

畜生。

素直に喜べねー。

まずボクにはメールするくらいの仲の友達が2人しかいないし、そのうち1人は重度の遊び人で男なんかとメールする時間があるなら睡眠に時間を当てたいっていう男だから100%寝てるだろうし、もう1人はメールは神聖な儀式であり、神からの啓示が送られてくる最終兵器というちょっと痛い女の子だからボクからメールをしても1度も帰ってきたことなかったんだった。

だから、ボクの携帯のメール受信は1割が50メートル先のマンションに住む母からの最近どう?みたいなのと、2割が迷惑メール、7割が姉さんからの熱い愛のメッセージなのだ。

こうやって考えてみるとボクって寂しい奴だな。

なんか姉さんが急に愛しくなってきたよ。

さて、そろそろ起きるか。




なんかいい匂いがする。

リビングに行くとそこにはご飯、焼き魚、納豆、みそ汁、漬物と、大好きな和食のオンパレードがあった。

久しぶりに食欲をそそる朝食が並んでいて、朝からテンション上げられちゃったなー。

今まではボクが毎朝変わりばえのない白米、みそ汁、目玉焼きという可もなく不可もないメニューを作ってきた。

ただボクには悲しいことに料理の才能はあんまりない。

だからといって、別にまずいわけでもないし、嫌いなわけでもない。

でも、朝に時間がなかったりするからいつのころからこれが定着してしまった。

「おはよう。そんなところで突っ立ってないで早く食べよう。ハルちゃん」

もうすでに椅子に座っている姉さんが優しくはなしかけてくれた。

「おはよう。すげーうまそう。姉さんがこの家に来てくれて本当に良かったよ」

そう言うと、姉さんが頬を染めながら「朝から私たちラブラブだねぇ。ハルちゃんに私の作る朝ごはんを一生食べる方法おしえてあげようか」という答えに困るなぞなぞを朝っぱらから繰り出してきた。

ついさっきボクをキスで起こそうとしている時点で答えが出ているけどね。

姉さんが実はあの時本当はボクが起きていたと知ったらどうおもうだろうか?

それにしても相変わらず姉さんの作る料理はうまい。

国宝級だぜ。




食事も中盤にさしかかった。

「ねぇ、ハルちゃんは今日1限からでしょ。何時に家をでるの?」

姉さんには迷惑をかけてしまったな。

きっと、ボクに時間を合わせてくれているから本当はこんな時間に起きなくてもいいんだろうな。

「姉さん。わざわざボクに時間を合わせなくてもいいんだよ。なんかすごく申し訳なくて」

「そんなこと考えなくてもいいのに。だって、全部の授業をハルちゃんと同じに合わせてあるから時間どころか教場まで一緒だよ。だから、家にいるときも、登校も、授業も、昼食も、下校もね。あ、何かサークルに入りたいならお姉ちゃんも一緒に入るからね」

「えーーーーーー!!!!なんですと?すべての授業をボクに合わせた?じゃあ、本当の意味でずっと一緒じゃないか。それにそんなこと許されるのもおかしいよ。ボクはボクで1人の時間も欲しいし、女の子とも出会いたい。今までも女の子に縁がなかったんだ。大学デビューして人生初の彼女をつくるんだ。姉さんがいたら彼女に間違われて女の子との出会いがますます都市伝説化しちゃうよ」

「それならそれでいいじゃない。お姉ちゃんが大学を卒業したらハルちゃんと結婚して養ってあげる。だから付き合おうよ」

姉さんの笑顔を壊したくないけど、正直に言おう。

「嫌だってわけじゃないけど、身内以外とも繋がりが欲しいし、これから出会いがあるかもしれない。だから保留」

「それでもいいよ。どうせハルちゃんが私のものであることに変わりはないんだし。絶対ハルちゃんを堕としてあげる。さ、学校へ行こう。それで有名なバカップルになろうね」

「なりません。でも急がないともう時間だ。この時間は混むから普段は学校まで40分くらいだけど今日なら50分くらいかかるとおもうから、あと10分ででるよ」

「はーい。ハルちゃん、お姉ちゃんね、ハルちゃんのいる学校がすごく楽しみなの。いろんな意味で忘れられない学校生活を送ろうね」

いろんな意味って・・・怖いっす。

でも、そんな綺麗な顔でそんな嬉しいことを言うなんて。

ボクはバカだから、本当に堕とされちゃうかも。

期待と不安が程よく心を泳いでる。

授業の準備しないと。

姉さんを待たせるわけにはいかないからね。


次は1週間を目標に頑張ります。

コメントくださーい。

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