○
せかいは
しってるとおりにしかあらわれない
もとめなければ
なにもせずとも
あるものをすべて
うばってゆく
このくそったれなせかいは
しみったれたことばで
はなむけの
とむらいの
すべをさがす
みつからない
いつでもみつからない
うばわれたのか
もとよりないのか
しらないのか
しりもしないが
しらないものは
ないものである
∴
しらないものはない
ものである
∅《くうしゅうごう》
○《くうはく》
立ち現れる
身動ぎもせず
袖を引く
何ものかを求める
埋める為に
「飢え、乾き、叫び、ダンス、ダンス、ダンス、ダンス」*1
○《くうはくは》
◎《くうはくのなかにとけた》
◎《かさねれば》
●《いずれしあわせがまるみをおびて》
○《やがてうえたころ》
/《きりたおされて》
∅《つちは、そっとだきとめる》
ないものとして、ないものとして、
渇くこととも、飢えることとも、
すっかり飲み干されるとも、
空白が街に樹齢を重ねるとも、
こえが、ことばが、あなたが、
空白を偲ぶ、空白を打倒する
∅《志の墓標として》
●《「幸福とは物質である」*2》
●《「幸福とは物質である」*2》
*1:ランボー著,小林秀雄訳「地獄の季節」『地獄の季節』岩波文庫,1970年,p16.
*2:野村喜和夫「エピローグあるいは葉」「眼前に何かしらみどりの基底がうねった」『幸福な物質』思潮社,2002年,p36.