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Ballade
愛したものは何処へいく
わたしの愛したものたちよ
夢の島にもあるものか
マンホールの裏側にあるものか
かつて
情熱の薪を焼べて
やがてくずれた
朧のように
まどろみとめざめのあいだにあって
生まれることを忘れてしまった
愛しい愛しいものたちの
空の最中にうかんでは
見えるそばから毀れ落つ
雫のようなものたちよ
そのみに浴びて目が醒めて
気づいたそばからきえてゆく
霞のようなものたちよ
愛したものは何処へいく
わたしの愛したものたちよ
※初出『D'acqua impressopmmisme』