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孤独(宿木)
孤独よ
おまえはいつから其処にいたのか
いつからおまえは自らを騙り
そして形を潜めていたのか
この葉むらのなか
枯葉となり、
すっかり色を失っていようとは
およそここに生があれば
孤独は備忘の宿木として
若さに逡巡し
老いに居座り
思えばついぞ
消えたためしがない
孤独よ
不意におまえが主語になるとき
まったく誰も許していないのに
おまえときたらまったく
よほどみずからを語りたがる
孤独よ
不意におまえが主語となるとき
果たして誰が労い、耳を傾けるのだろう
しんと静まる人生の木立のなかで
是非もない
孤独だけが知っている