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  作者: 路瀕存
Nv.
12/13

飼い主のいない憂い

うなだれる木通あけび

と過ぎり

つっかけを履いて会いにゆく。


大きなふるいをして

こうべを垂れる草ともども

熟れた柘榴ざくろが腸を撒き散らすうえを

闊歩し、たおして ああ、

糠床に足を突込むようだ、

ぶどう酒をすあしで拵えるようだ、

傍らで死を生が蹂躙じゅうりんする

傍らで絶えず淫靡いんびと快楽のすきまに

死が這入り込んでゆく

ずぶずぶと


何時までも手元に届かなくて

飼い主のいない、憂い


永らく静謐を野放しに

物見高い心のありかはふらふらと

ふらふらと

飼い主を亡くした憂いよ

おいで

これから遠雷を眺めにゆくよ

きっと木通あけびは、すっかりと

熟れていることだろう

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