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  作者: 路瀕存
St.
10/13

ライムを搾る/志向の矢で射よ

つとめて穏やかなよるに

胃袋たちの喧騒をはなれ

汗だくのタンブラーが渇いている

半月ライムを搾るあいだ

つとめて穏やかなよるに

埋め込まれた空間を

カラカラところがして

程良くとろかすきわまで

つとめて穏やかなよるに





夏の夜が騒ぎ出す

背骨の中枢が疼く

駆け出したくなる 叫びたくなる

夏の夜が騒ぎ出すと

あらゆる気孔から放出して

肺の下方部がたちまち幸せに浸される

夏の夜に凪がくると

聞き分けの悪い子どもが沈黙する

およそ風の調律を訊いているのだろう





夏ノヨルガサワギダス

夏ノヨルガサワギダス

トリドリノ風車ガマワルカラ

トリドリノ

夏ノヨルガ ヒクク ウネル





何を語るのか

その

ぬらるらしたくちびるで

自転車操業の

舌が好く回る





こうしてようやくかようことができたものを

いくらか真に受けて、いくばくも屠ることなく

伝えることができようか。

座礁し、滞留し、当て所も無く佇むものを含み、

淀んだところへ口移しで

蠱惑的に蒸留することが。





うぬら勝者

だのに コンドルセ勝者

うぬら

だのに 健忘症者





ツェベリスばかりと話して居るなんて

ティンバーゲンに告げでもしたらきっと

クルーグマンのせいにしてやる




――デュラハンの胸襟を聞け。





志向の矢で射よ。

さらば勝光知ろしめす

しこうして

ゆめ、忘れるな。

己が動脈より出でて

異邦の臓腑を喰い破ることを。


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