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Death such as in nightmare  作者: C.コード
Episode.3:Wonderer's load
52/73

Human eater

サブタイトル『Human eater / 人喰らい』


※江田 硲視点です。

道路の中央で堂々とした勢いも焦燥へと変わり果てた12名。

本格的に人間とは相容れぬ存在を目の前にして驚愕を隠せない様子だった。

しかし、内4名はそれでも平然とした姿勢を保っていた。









「皆さん、修羅場はここからですよ。気を引き締めてください。」

建物の先へと視線を飛ばした連中に呼びかける。

やがて意識を取り戻した面々は硲を見た。

「まだ手を出してはいけません。当初の目的は『狩猟隊の殲滅』です。

ゾンビの始末はそれから。それまでは、あの化け物の周囲で常に気を配って

狩猟隊に対して完全な不意打ちを仕掛ける事だけを考えてください。

気づかれた場合は多少手荒なまねをしてでも沈めさせますが、殺すのはNGです。

殺すのは狩猟隊を抹殺してからでお願いしますよ。」

内容の再確認を込めた言葉。

それは皆の冷静さを若干だが高めていた。

「ある程度、身体能力が高まっている事ですから、全力なら化け物に食われる事もないでしょう。

ただ、攻撃の隙があるならば……決めてください。尾行の秘訣は音を立てない事です。」

これで、旨く行けばよいのですが……。

音を立てない事は非常に重要ですが、果たしてそれを理解しているのは何名なのか・・・・・・。

人間も、一番敏感に反応する衝撃は『音』なんですけどね。

「基本は2,3名ずつで行動してください。他のメンバーとのコンタクトは各自でお願いします。

それでは、行きますよ。狩猟隊はいつきてもおかしくありませんから。」

「な、なぁ、硲。」

「なんですか、藤島君?」

「狩猟隊はいつくるのか分かっているのか? まさか来るまで延々と待ち続けるんじゃ……。」

「……少なくともまだ来てない事だけは確かです。」

「そんな! それじゃ寝るときはどうするんだ?」

硲がどう対応すべきか悩んでいると、

「それにはいいアイディアがある。」

と返された。

「弥栄氏?」

「建物の隙間から確認できたけど、あれは『C¹²-viltis(シートゥエルヴ)』だね。」

「C¹²ですと?」

聞いたこともない検体番号ですね。

それに、12という数値から察するに、相当な時間と労力を費やされた固体ってことですか。

そして決定的な者が『人間以外』に影響を及ぼしている事。

Viltisは人間専用に取られたデータがほとんど。他の生物に投与するなんてどうかしてます……!

それに人間以外にはViltisに支配された時点で死に至り、動く事はなかったはず!

なのになぜ、なぜゾンビ研究で最大の課題とされていた難関を突破できている……!?


「『船山(ふなやま) 耕治(こうじ)』の成果だと思いますよ。

確か人間以外で成功させようと試みた人間の中では最高の技術者でしたから。」

「またもや聞いたこともないような名前ですね。なぜそのような考えに至ったのか……。」

「さぁね。ただ、ゾンビ研究の中でも人間以外に投与することを目標にした人数は

5人くらいしかいなかったはずなんだけどなぁ。」

「あなた、どこからその情報を?」

「聞き込みさ。ただ、これ古い情報だけどね。今じゃもうどうなってるのかは見当もつかないよ。」

「そう、ですか。」

古い情報……以前にもこのような情報が流れていた?

いつどこで? いや、美鈴の事を知っているということはそれなりの知識もあったはず。

美鈴の事は知っていたはず。そもそもゾンビ研究は過去にあの施設でしか行っていなかった。

元研究員であった事は確実ですかね。施設から解放された後は一体どのような研究を

していたのかが気がかりですが、今はそれどころじゃなさそうですね。

急がないと赤の他人が目撃するなんて事もあり得ますし。


「ねぇ、幽にぃ!」

「ど、どうした、聖奈?」

「後ろからいっぱい人が来てる! どうしよう、アジトから皆追ってきてるみたい。」

「なんだって!?」

「な、アジトの奴らだと? もう暴挙に出るつもりかよ!」

く、猶予もあまりないようですね!

「皆さん、C¹²の方へ走ってください! ただし、気づかれないようにお願いします!

アジトの面々はC¹²とぶつけさせて消耗させるんです! 急ぎますよ!」

「ちょ、おい! 待てって!」

幽が叫ぶ中、硲は啓と共に走り出した!

そしてそれに率いられるように皆が後をつけた。

やがて建物と建物の間を通ると、広い道路に出た。

右を向いて、指をさした。

「あれですね。」

その方向には巨大な四足歩行する何かが見られた。

「行きましょう。皆さん、左側に寄って走ってください! 聖奈ちゃんは常にアジトの人間を

警戒してください!」

「あ、ああ!」

「アジトの皆、もう近いよ!」

「先回りするぐらいの勢いでお願いしますよ!」

怪物は数百メートル先といった具合ですね。残念ですが、怪物を発見してしまった時点で

すでに打倒の算段はついています。おいでなさい、アジトの面々。

あなた方の最後はかなり近いですよ?

感想などがあればお気軽にどうぞ!

お待ちしています!

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