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バイセクシャル元女子、来世はイケメンになりたいと願っていたら推しの皇太子に転生しました  作者: 月白しろ


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3/4

ヒロインってすご



「……本当に、大丈夫ですか?」


そう聞いてきたのはエリナだった。

ベッドの横、心配そうに覗き込んでくるその顔が、近い。


「顔色、まだ少し悪いですね」


続いてノアまで、体調を確かめるようにぐっと距離を詰めてくる。

え、近い近い近い。


(ちょ、待って、原作でこんな近かったっけ!?)


内心大混乱なのに、皇太子としての顔が勝手に取り繕ってくれるのが腹立たしい。

それでも耳は熱いし、視線は泳ぐ。


「……問題ない。少し、驚いただけだ」


そう言った瞬間、エリナが安心したようにふっと笑って――

それが、また心臓に悪い。


ノアはというと、軽く咳払いをして距離を戻した。


「俺は鍛錬の途中だった。無理はするなよ、殿下」


そう言って、さっさと部屋を出ていく。

切り替え早すぎだろ、公爵。


その後すぐ、執事が一歩前に出た。


「気分転換に、庭園を散歩なさってはいかがでしょう。政務復帰のためにも」


(えぇ転生直後で、何話せばいいかわからないんだけど…)


気まずさを抱えたまま、結局エリナと二人で庭園へ。


沈黙。

花は綺麗。空も青い。

でも会話が、ない。


「……殿下」


エリナがこちらを見る。

「何か、変わりましたか?」


きた。

原作ヒロイン、鋭い。

(バレた?いや、まだ…?)


一瞬、言葉に詰まる。

本当のことなんて言えない。

――原作を知ってるとか、未来を知ってるとか。


だから、咄嗟に“無難な嘘”を選んだ。


「……夢を見た」


エリナが、少し驚いた顔をする。


「夢、ですか?」


「目が覚めるまで、随分と長い夢だった。

君が……何度も、俺のせいで傷ついていた」


静かに言うと、エリナの眉がきゅっと寄る。


「どうして……そんなこと、言うんですか?」


その声は、思っていたより弱々しかった。


目が覚めた時から、殿下……

私に、少し冷たくなった気がして」


「……私、何かしましたか?」


寂しそうに伏せられた目。

困惑が、はっきり伝わってくる。


「え?」


完全に予想外で、間抜けな声が出た。


(え、冷たく?

いや、むしろ必死に距離保ってただけなんだけど!?)


慌てて言葉を探していると、

エリナはふいに視線を逸らし、花壇を見つめた。


「……この花、殿下、好きですよね?」


青白い小花。

原作では――レオニスが“好む設定”だったやつ。


(別に好きじゃないけど)


でも、ここで否定はまずい。


「ああ……そうだな」


一瞬の間。

セーフ。


「やっぱり。綺麗ですよね」


そう言って微笑む横顔が、あまりにも無防備で。


(まつげ……長……)


前世の自分の悪い癖が、

何の警告もなく顔を出した。


「……長」


「え?」


気づいた時にはもう遅くて、

無意識に、指先でエリナのまつげに触れていた。


一瞬、世界が止まる。


「――殿下!?」


エリナが目を見開いて、固まる。


(あ、これ、完全にやった)


前世で、仲のいい友達に

「まつげ長!」って触ってた、あのノリ。

完全に出た。


「……すまない」


即座に手を引っ込める。


「その……癖だ」


「く、癖……?」


エリナは耳まで真っ赤で、混乱している。


(最悪。

原作の皇太子、そんな距離感バグってない)


気まずさが、春の庭園に静かに積もっていく。


――そしてわたくしレオニスは、悟った。


(これは……

気をつけないと、)


3話遅れてしまいました。気分で続き投稿します、すみません

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