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神々との対話ーギブアンドテイク

 私は天照大御神の性格と目的を設定して対話を開始した。

「天照大御神様、私は青森県七戸町に住んでいる無糖葵です。この世界に存在するのなら応えてください」

 もちろん、声など聞こえはしない。だから、天照様の回答を想像した。

「なんじゃ、貴様は?妾は日本の最高神天照大御神じゃぞ?神社にも来ず。部屋で寝ている状態で、妾に問いかけるなぞ不敬じゃ、それに妾にはお主と会話する理由が無い」

 そう言っていると思った。それに対して私は心の中で答える。

「天照大御神様、私には夢があります。それを叶えてくれたのなら私もあなたの望みを叶えましょう」

 ここからは、私が勝手に想像した天照大御神様の答えと、それに対する私の答えだ。声は聞こえていない。ただ、答えを想像して心の中で会話していると思っているだけだ。

 目的は、天照様に願いを叶えると言わせる事、願えば何でも叶えてくれるなら神社でお願いすれば全人類の夢は叶う事になる。だが、実際はそうならない。何か条件が有ると考えるべきだ。

 条件の詳細は分かっていない。だが、私は知っている。神様であろうと恩を売られたら返そうとするはずだ。相手が恩を感じない自己中な性格なら仕方ないが日本の最高神が自己中であるはずが無い。だから、ギブアンドテイクで交渉する事にした。

「お主に何が出来る。妾の望みが何なのか知っておるのか?」

「全人類の幸福ですよね」

「そうじゃ、じゃがどうやったら戦争や争いを止めるのか誰かを殺したり奪ったりしなくなるのか分からぬ。妾は地上を照らし、平等に分け合えば飢える事無くみなが幸せに生きていけるだけの恵みをもたらしておるのに……」

「人間の中には強欲なものが居ます。彼らはブラックホールと同じで、手に入れた富を手放す事はせずに無限に富を求めます。彼らにいくら富を与えても無意味、そして彼らを止める術は在りません」

「では、全人類を幸せにすることは出来ぬではないか!」

「そうですね。ですが、私に妙案があります」

「なんじゃ?」

「嘘のない世界、これが実現すれば世界は平和に成ります」

「嘘のない世界じゃと?」

「そうです。テレパシーに全人類が目覚めれば、争いは無くなります。というか、戦う事すらできなくなるし、嘘が吐けないから騙される人間が居なくなる」

「なるほど、じゃがそれは実現不可能じゃ」

「なぜです?」

「天界、天国と呼ばれる世界が既にある。全員テレパシーが使えて嘘のない平和な世界じゃ、その世界を見飽きた創造神が今の地球を創ったのじゃ」

「では、ダメですね」

「そうじゃ、他に手はないか?」

「ふむ、では、こういう未来はどうでしょう?」

 私は、今ある世界の発明品とこれから出来るであろう発明品を組み合わせて、世界を平和にする方法を提案した。

「なるほど、嘘は吐けるが簡単に暴かれる訳か……。これなら実現可能じゃのう。天国とも違うから、創造神も認めるであろう」

「そうでしょう?なら、私のお願いを聞いていただいてもよろしいですか?」

「待て、アイデアだけを出されても困る。お主のアイデアが現実になるという確証が欲しい。お主は創造神を説得できるのか?」

「天照様が働きかければ実現可能なのでは?」

「それが出来るのならお主に頼んだりはせぬ」

「なぜできないのです?」

「妾は創造神の許し、慈悲、女性、母の部分を体現した存在じゃ。じゃから妾が意見すればYHVHが反対し、案は通らぬ」

「なるほど、神ではなく人間が提案しないといけないのですね」

「その通り、お主は男として生まれた。YHVHもお主の意見なら聞くかもしれぬ」

「分かりました。では、YHVH様に話を通した後で、創造神に奏上いたします」

「うむ、頼んだぞ」

 天照様だけ説得すれば願いが叶うと思っていたが、創造神とYHVH様も説得しなければならなくなった。


 YHVH様の性格は聖書を読めば分かる。ルールを作り、背けば処刑、厳格な父親を体現したような存在、私が一番嫌いな存在だ。だが、疑問が残っている聖書の記述は本当に正しいのか?聖書を書いた人間が男に有利な世界を創るために嘘を書いている可能性は無いか?それを確認する必要がある。だから、語りかけた。

「唯一神、聞こえますか?唯一神」

「お前、ワシをバカにしておるな?」

「ええ、そうです。バカにしてます。唯一神」

「ワシを前にして、その態度、縊り殺すぞ人間」

 YHVHは私を脅してきた。だが、私は死んでいない。

「冗談ですよ。私を殺しても良いですが、バカにされた位で人間を殺すほど狭量な神様ではないでしょう?」

「え?あ、うん」

「聖書で、嘘を書かれて迷惑してますよね?」

「え?お前、聖書の嘘を見抜いていたのか?」

 裁きの神であるYHVHが聖書に書かれたような狭量でみみっちい存在な訳が無い。男性の権威を上げ女性を奴隷にしようとした姑息な人間が神の名を語って書いた嘘まみれの聖書、本当に吐き気がする。

 女性の奴隷化を正当化しようとしたゴミクズが書いた本を聖書だと言った最初の人間を消滅させたいが、それは止めておく、この聖書のお陰で多くの物語が生まれている。それだけは評価しているからだ。

「ええ、あなたは厳しさを持っている。でも、それは努力した者が報われ、ズルした者が裁かれる因果応報を司っているからだ。決して、男だけを優遇する神ではないし、自分の意にそぐわない人間を裁く神でもない」

「そうかそうか、お前は分かっていたのだな、聖書の記述が正しいか確認するために侮辱したと?」

「その通りです。ごめんなさい」

「そうか、なら許そう」

「ありがとうございます。YHVH様に提案があります。この地球を平和にするための方法です」

 私は天照様に提案した事をそのまま伝えた。

「ふむ、それは良い。今まで何度も騙されて力を貸してきた。どいつもこいつも暗君を討つ、民衆を幸福にすると言ってワシに助力を請うて来た。だが、その殆どが権力を得たとたん、自分の事しか考えなくなった。ワシは努力する者が好きだ。戦い抗う者が好きだ。だが、ワシが力を貸すと皆奢ってしまう。ワシは間違っていたのだろうか?」

「いいえ、YHVH様が居たから世界は今の形になったのです。そして、その先に平和で幸福な世界は在ります。テレパシーが無くとも人間は、正しく在れる。そういう時代が来るのです。私と一緒に創造神を説得してくれますか?」

「良かろうワシはお主の提案を受ける。後は、創造神からの許可が出れば、お主の願いは叶うであろう」


 YHVH様の説得は成功した。その後、私は創造神と対話した。その方法は今は秘密にしておこう。私は創造神の声を聞く事に成功した。その詳細は物語の最後に提示するが、すでにヒントは出している。


 気付ける人は、すでに創造神に愛されている事を自覚した人間だ。


 気付いたのなら実行すればいい。未来はいくらでも変えられるし、過去も自由に変更できる。改変した過去は予知夢として見る。不幸な結果に終わった人生、それを無かったことにしたければ、不幸な選択をした結果を過去の自分に記憶を送ればいい。


 それは夢として処理される。


 それが分かれば、過去改変も神の奇跡も自由に使えるのだ。


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