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日本の神々のこと  作者: 榊 雅樂
神世七代
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国生み、神生み.下

 さて、伊邪那美命が亡くなったことにより、伊邪那岐命は大いに悲しみます。その涙からも神が生まれました。

 そして、伊邪那美命の亡骸を出雲の国と伯伎ははきの国との堺にある比婆ひばの山に葬りました。


 その後、伊邪那岐命は愛する伊邪那美命を意図せず殺してしまった火之迦具土神の首を斬ってしまいました。


 いくら愛する者を殺したとはいえ、この仕打ちは酷いものですね。


 そして、その血や亡骸からも、神々がお生まれになりました。

 ちなみに、その時伊邪那岐命が使った十拳剣とつかのつるぎあめ尾羽おはばりです。


 そしてその後、伊邪那岐命は伊邪那美命に会いに行こうと、黄泉よみへ行きます。


 そこで岩越に伊邪那美命と会話をします。彼は共に帰ろうと言うのですが、彼女は黄泉よもつ竈食へぐいをしてしまったため、それは叶わないと言いました。


 黄泉竈食というのは、黄泉の食べ物を食べて黄泉の住人になってしまうことです。帰ることは出来ません。


 ですが、伊邪那美命は「帰りたいから黄泉の神と難しい話をする。その間自分を見ないで欲しい」と言いました。


 伊邪那岐命は初めこそ待っていたものの、あまりに待ち時間が長すぎるため、どうしても気になってしまいます。

 そこで、髪に刺していた湯津ゆつ爪櫛つまぐしを折り、火を灯します。


 その灯した火で中に入り、辺りを見ます。そこで照らされたのは、数えられぬほどの蛆虫うじむしが這い回っている伊邪那美命の姿でした。

 それはゴロゴロと聞こえるほど。頭、腹、その他諸々の場所に湧いている、八雷神やくさのいかづちのかみです。

 この神々もいずれご紹介します。


 伊邪那岐命は恐ろしくて、横たわる伊邪那美命に背を向けて逃げ出すのですが、伊邪那美命は自分の醜い姿を見られたことに腹を立て、黄泉よもつ醜女しこめに追わせます。


 黄泉醜女というのは、醜い女という意味ではなく、パワフルな女性を意味するそうです。


 追われた伊邪那岐命は頭に巻いていたクロミカズラを取り、それを後ろに投げました。するとすぐにエビカズラが生え、醜女たちはそれを食べていたのですが、食べ終わるとまた伊邪那岐命を追いかけます。


 今度は反対の髪に刺していた湯津爪櫛の歯を取り、また投げ捨てます。

 投げ捨てると、今度はタケノコが生えてきました。それを醜女が食べているうちに、また逃げます。


 次に追いかけてきたのは、八雷神に加え、千五百ものいくさびとでした。

 そこで伊邪那岐命は腰に添えつけた十握剣を抜き、後ろ手で剣を振り回しながら逃げますが、それでも彼らは追いかけてきます。


 やっとの思いで黄泉よもつ比良ひらさかのふもとに辿り着き、そこに生えていた桃の実を三つ取り、追いかけてきた彼らを待ち伏せ、それを投げました。


 そんなもので追い返せるわけないだろうと思いますよね、ですが、彼らは恐れをなして逃げていきました。


 これは古代中国で桃の実が呪力を持っているからではないかという考察があります。


 伊邪那岐命は投げた桃の実に


あし原中国はらのなかつくにに住む、命ある青人草あおひとくさが苦しんでいる時、どうか助けてあげて欲しい」


 と言いました。そして、この桃におお神実命かむづみのみことと名を与えました。


 高御産巣日神のお話でも葦原中国というのがでてきましたが、これは私たちが住む地上世界を指しています。

 青人草というのは、私たち人間のことです。


 その後、まだ諦めないものか、ついに伊邪那美命本人が追いかけてきました。

 そこで伊邪那岐命は千人でようやっと動かせるほどの大岩を、黄泉比良坂の中程に引き据えて道を塞ぎました。


 塞がれると、伊邪那美命は


「これ程酷い仕打ちをなさるのなら、あなたの国の人草を一日に千人殺してしまいますよ」


 といい、伊邪那岐命は


「君がそうするというのなら、私は一日に千五百のうぶを建てよう」


 と返しました。

 こういうことがあって、一日に必ず千人の人が亡くなり、千五百の人が生まれることになったそうです。


 このことから、伊邪那美命は黄泉津よもつ大神おおかみとも呼ばれるようになりました。


 葦原中国に戻った伊邪那岐命は、筑紫つくしむかの橘の小戸おど安波岐あわきの原に行き、みそぎはらいをしました。


 その時、杖やら帯やらを投げ捨てた時にも、神々が産まれました。

 次に、中あたりの瀬まで降り、そこで体を洗い始めました。その時にも神々がお生まれになっています。


 すごい産んでますね。


 禊の終わりに、左目を洗うとあまてらすおおかみが、右の目を洗うとつく読命よみのみことが、鼻を洗うと須佐之すさの男命おのみことがお生まれになりました。


 この二柱の不思議なところですが、日本書紀では伊邪那美命が亡くなってないんですよね。全然生きてます。

 だから、伊邪那岐命が禊をして生まれた御子たちは夫婦の交わりで生まれています。


 さて、ここまでが伊邪那岐命と伊邪那美命のお話になります。

 ちなみに、最もとうとき神社である伊勢いせ神宮内宮(ないくう)別宮わけつのみやである月読宮には、伊邪那岐命と伊邪那美命も祀られています。不思議な二柱ですね。


 ここまで読んで頂き、ありがとうございました。また次回。

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