8ー6 迷宮ですか?
8ー6 迷宮ですか?
オルティスは、俺の手の平が清められると、俺を屋敷の中へと導いた。
「こちらへおいでください」
オルティスは、俺を屋敷と通路で繋がっている離れに案内した。
そこにはラダクリフ辺境伯の屋敷に仕える従僕たちの住む部屋があった。
オルティスは、俺を離れの部屋の1つに通すと申し訳なさそうに告げた。
「こちらをお使いください」
その部屋は、狭くてベッドが1つ置かれただけの部屋だった。
俺は、オルティスに礼を言うと部屋へと入っていった。
オルティスは、俺の案内された部屋へと入ってくるとそっとドアを閉めた。
「クロージャー様、体調は大丈夫でございますか?」
心配そうに問いかけるオルティスに俺は笑いかける。
「心配ないよ、オルティスさん。どうやら竜人族は、瘴気に耐性があるらしいな」
「そうでございますか?」
オルティスがホッとした様子で頷いた。
「中には勇者に近づいただけでも失神してしまう者もいますから。さすがは、竜人族は、違いますな」
「それより、ライディアたちに会いたい」
俺は、焦っていた。
明後日の朝には、ライディアたちは処刑されることになっている。
俺は、一刻もはやくライディアとラダクリフ辺境伯を救いだしたかった。
特にラダクリフ辺境伯は、勇者によって傷を負わされているというしな。
オルティスは、心労からかやつれた横顔で深いため息をついた。
「ライディア様たちの捕らえられている地下牢には、誰も近づくことができません」
「警備が厳重ってこと?」
俺がオルティスに訊ねるとオルティスが頭を振った。
「そうではありません」
オルティスは、俺を見つめた。
「文字通り、誰も近づくことができないのです」
オルティスが言うには、この屋敷の地下には呪いがかけられているのだという。
「勇者の呪術のためにこの屋敷の地下は迷宮になっているのです」
ダンジョンですと?
マジですか?
俺は、驚きを隠せなかった。
「つまり、ライディアたちを助けるためにはダンジョンを攻略しなくてはいけないってこと?」
「そうでございます」
オルティスが頷いた。
オルティスは、これまでも何人かの冒険者に依頼してその迷宮を攻略してライディアたちを救いだしてもらおうとしたのだという。
だが、このマリージアの最強のパーティーたちでさえこのダンジョンを攻略することができなかった。
「もはや、明後日までにダンジョンを攻略しお二人を救出することは不可能でございます」
マジですか?




