8ー3 ラダクリフ辺境伯邸にて
8ー3 ラダクリフ辺境伯邸にて
そういうわけで俺は、勇者の従僕としてラドス男爵に雇われることになった。
もちろんリリウスもロナードも反対した。
「魔王が勇者の従僕になるなんてきいたこともない!」
ロナードが言うと、リリウスも続ける。
「そうだぞ、クロ。危険すぎる!」
2人に反対されても俺の決意は変わらなかった。
俺は、そのままラダクリフ辺境伯の屋敷にいるというラダス男爵のもとへと向かうことにした。
リリウスとロナードたちには、ライドウの家で待機してもらうことにする。
勇者のことを探って、隙をみて彼らに連絡をとることにすると俺は、1人で勇者のもとを目指した。
ラダクリフ辺境伯の屋敷に着くと俺の知らない兵士が屋敷も周辺を警備していた。
俺が門を警備していた兵士に冒険者ギルドからきたことを伝えると兵士は、すぐに俺を屋敷の中へと案内した。
ラダクリフ辺境伯の執務室に通された俺の前にラダス男爵が現れた。
ラダス男爵は、小柄ででっぷりと肥えたのっぺりとした顔のとっちゃん坊やだった。
俺が勇者の従者になりたいことを話すとラダス男爵は、俺を値踏みするような目でじろじろと見た。
「竜人族か」
ラダス男爵は、俺を蔑むように見下すと追い払うように手を振った。
「まあ、いいだろう。さっさと勇者様のもとにこいつを連れていけ」
「はい」
ラダス男爵の言葉に頷いたのは、ラダクリフ辺境伯の屋敷の執事であるオルティスだった。
俺は、先にたって歩いていくオルティスの後ろをついて歩いていく。
赤い絨毯の敷き詰められた廊下をしばらく歩くと、オルティスが立ち止まった。
「クロージャー様」
「オルティスさん、残ってくれていたんだ」
俺は、小声でオルティスに囁く。
「ライディアたちは、どこに?」
「地下にある牢におられます」
オルティスは、言葉に短く答える。
「警備が厳しく、なかなか近寄ることができません。ラダクリフ辺境伯は、深手を負われていますがきちんとした治療もされてはいません」
「そうか」
俺は頷くと、オルティスにきいた。
「勇者は?」
「こちらでございます」
オルティスは、俺をラダクリフ辺境伯の屋敷で一番いい部屋へと案内した。
「ここが勇者様のお部屋でございます」
「わかった」
俺は、オルティスに礼を言うとドアをノックした。




