8ー2 従僕ですか?
8ー2 従僕ですか?
その二人は、もと勇者の仲間たちだった。
ハーフエルフの魔導師サハロフと剣士スクルドと2人は、名乗った。
「なんであんたたちが俺たちと行動を共にしたいんだ?」
リリウスが2人にきいた。
「だって、俺たちは、勇者を倒すつもりなんだぞ」
「だからだ」
スクルドが答える。
「我々も彼を止めたいのだ」
「勇者に捨てられたからか?」
ロナードがきくと2人は、頭を振った。
「我々が勇者を止めるのは、パーティーを追放されたからではない」
サハロフが俺たちに話した。
「我々は、勇者の、アロイスの友として彼を止めたいんだ」
マジですか。
俺は、2人に確認した。
「俺たちは、勇者と敵対する存在として奴を倒すつもりだ。それでもいいのか?」
2人は、頷いた。
ララさんが俺に告げた。
「ラダクリフ辺境伯の屋敷に、つまり勇者のもとに近づく方法が1つあります」
「なんです?その方法って?」
俺は、カウンターに身を乗り出して訊ねる。
「教えてください!俺たち、急いでるんです!」
「それは・・」
ララさんが答える。
「あまりおすすめはしないけど、勇者の雑用係、というか従者になることよ」
はい?
俺は、ぽかんとララさんを見つめていた。
ララさんは、話してくれた。
「勇者の取り巻きのラドス男爵から勇者の側仕えの募集依頼がきているの」
なんでもラダクリフ辺境伯の屋敷に使えていた従僕たちは、みな勇者を恐れて彼に近寄らないのだそうだ。
というか、近づけないのだ。
勇者の威圧にうたれて普通の従僕たちでは勇者の側によることができないのだという。
俺は、その話しに飛び付いた。
「その従僕、俺でもいいですか?」
「お前!」
リリウスが顔色を変えて俺にきいた。
「正気か?」
「魔王が勇者の従僕になるなんてきいたことがないぞ!」
ロナードが言ったあと、しまったという表情を浮かべる。
スクルドがきいてきた。
「魔王?」
「ああ、いや、魔王みたいに勇者と対立する気なのにってことだ」
ロナードが答えると、スクルドは、妙な顔をしたが納得したようだ。
「あなたが、勇者の従僕に?」
ララさんが俺の申し出を受けると少しだけ眉をひそめる。
「あまりおすすめはできないんだけど、でも、引き受けてくれるなら助かるわ」




