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7ー5 密約

 7ー5 密約


 俺は、ライディアに勇者の人となりについて訊ねた。

 ライディアは、眉をしかめた。

 「勇者は、すごく嫌な奴だ。私も叔父上も大変迷惑している」

 なんでも勇者は、このマリージアに到着するとすぐにこの街で一番の宿屋に部屋を用意するようにとラダクリフ辺境伯に命令したのだという。

 そして、魔界国への進軍が雪のせいで難しいとわかるとしばらくこの街に滞在するからその間の滞在費をラダクリフ辺境伯に要求してきたらしい。

 ラダクリフ辺境伯が断ると、ラミアトス王国から圧力をかけさせてきた。

 国際問題に発展することをおそれたアナトリア公国は、ラダクリフ辺境伯に勇者一行を丁重にもてなすようにと命令してきた。

 仕方なく勇者一行の滞在中の世話を見ることになったのだが、それがたいそう厄介なことだった。

 勇者は、街の娼館の美しい女たちをはべらせると毎日お祭り騒ぎを始めた。

 その仲間たちも好き勝手に振る舞いマリージアの人々に迷惑をかけているという。

 乱暴な兵士たちのために平穏だったマリージアの街では、諍いが絶えず治安は乱されていた。

 しかも、亜人が多く暮らしているアナトリア公国にくらべ、亜人を認めていないラミアトス王国からやってきた勇者たちは、亜人を奴隷のように扱っていた。

 「できるだけはやくでていってほしい」

 それがマリージアの、ひいてはアナトリア公国の人々の思いだった。

 マジかよ。

 俺は、ライディアに魔族をトカゲの谷で受け入れようと考えていることを打ち明けた。

 ライディアは、少しほっとした様子だった。

 実は、魔界国と国境を接しているマリージアでは、けっこう民同士の交流がありこの度のことではみな心を痛めていたのだという。

 「戦争なんて、我々は、望んでいない」

 ライディアは、俺に話した。

 「実際には、魔族は、勇者たちほどには我々に迷惑もかけてはいないしな」

 俺は、ライディアとラダクリフ辺境伯と密約を結んだ。

 勇者が魔界国へと進軍するまで彼らの様子を伝えて貰うことと、彼らが進軍する時期を教えてもらうこと。

 勇者たちに心底立腹していたラダクリフ辺境伯たちは、喜んで引き受けてくれた。

 

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