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7ー2 そんなバカな!

 7ー2 そんなバカな!


 俺は、ティミストリ父さんに訊ねた。

 「どこの国がどこの国と戦争をするの?」

 「それは私も知らないんだが、なんでもオウラが勇者一行が魔界国に進軍するためにラミアトス王国からこちらに向かっているらしいとか話していたな」

 「ほんとに?」

 もう、そんな話しになってるのか?

 俺が驚いていると、オウラが応じた。

 「ああ。私の里の方から勇者が魔界国に攻め込むという話をきいた。近い内に魔界国と国境を接するアナトリア公国は、戦火に巻き込まれるだろうから私もはやく里に戻るようにと言われた」

 マジですか?

 もし、戦争になれば、このトカゲの谷もヤバイんじゃね?

 なんとか手を打っとかないとな。

 俺は、ちらっと足元にいるラーズのことを見た。

 ラーズは、ちょこんと床の上に座って何かを言いたげな様子で俺を見上げている。

 俺は、夕食後、自分の部屋に戻ってからラーズにきいた。

 「さっきオウラが言ってたことはホントなのか?」

 「はい」

 ラーズは、俺を見上げて頷いた。

 「人間たちは、常に魔界国に攻め入るタイミングを窺っていたので、今回、勇者が現れた機を逃すことはないでしょう」

 「そうか」

 俺は、ちょっと考え込んでいた。

 もしも、魔界国と勇者がアナトリア公国との国境付近で戦争をしたりしたら。

 やばい!

 絶対に、この辺りは戦場になりかねない。

 というかマリージアは、どうなるんだ?

 ラダクリフ辺境伯が巻き込まれたら。

 ライディアは?

 ライドウとマリーナさんとララちゃんは?

 だめだ!

 絶対に戦争は、防がなくては!

 「なんとか勇者との戦争を防ぐことはできないのかな?」

 俺の質問にラーズは、答えた。

 「それは、今の魔界国には不可能でしょう」

 「今の?」

 「はい」

 ラーズは、頷いた。

 「今の魔王様がいない魔界国にはなんの政治的な力もないですから」

 「何?それ」

 俺は、嫌な予感がしていた。

 「俺が魔王として魔界国に行けばなんとかなるのかよ?」

 「そうですね」

 ラーズが答えた。

 「勇者が魔界国に攻め込んでくる前に魔王様の首を差し出せばもしかすれば戦争を防げるかもしれませんね」

 マジかよ!

 それは、俺に死ねってことですか?

 

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