6ー13 男のロマンですか?
6ー13 男のロマンですか?
翌日、俺たちは、ライドウに送ってもらって無事にトカゲの谷に戻った。
帰ってきた俺たちをオウラが出迎えてくれた。
「よく戻ったな、婿殿!」
荷馬車から降りた俺をオウラがぎゅっと抱き締めた。
あれ?
なんかオウラの体がふにゃっと柔らかくなってる?
特に、その、胸の辺りが。
オウラは、俺より少し背が高くなっていて抱き締められるとちょうど顔がオウラの胸の辺りにあたるんだが、ぎゅっと抱かれて俺は、その胸の圧迫に呼吸ができなくなった。
「むぐっ、ちょ、ちょっと、息が!」
「おおっ、すまない。婿殿」
オウラが俺から少し離れた。
でも、まだその胸は俺の頬に押し付けられている。
ふよふよしてて、気持ちがいい。
ほんの数ヵ月前までもっとすらっとしてたのに、何があってこんなことに?
オウラは、ふふん、と笑った。
「あの後、クローディア母上様からこの里の娘たちは結婚の儀までに夫となる者のために羽織を作るということをきいてな。ずっと里に残って修行をしていたのだ」
マジですか?
オウラは、うっとりとした表情になって続けた。
「クローディア母上様の作られる甘味は最高だった。パイもケーキもクッキー、ビスケット、すべてが甘くて旨かった」
なるほどな。
俺は、納得した。
毎日、クローディア母さんに甘やかされている内にちょっと太、いや、ふっくらしちゃったんだな、オウラ。
でも、この感触は悪くない。
なにしろ、女子の胸には男のロマンが詰まっているのだ。
「オウラ、あまりみんなを足止めしてはいけませんよ」
クローディア母さんがオウラを促すとオウラは、恭しく頭を垂れて俺を離した。
あれ?
これって、もしかして餌付けされてる?
俺は、従魔であるラーズをクローディア母さんたちに紹介して、それから家へと戻った。
「フェンリルを従魔とするとは」
オウラが感心した様子で呟く。
「さすが、我が婿殿」
俺は、家に戻るとすぐにティミストリ父さんの執務室へと向かった。
ティミストリ父さんは、ライドウと何か話していたが、俺を見るとすぐに笑顔になった。
「おかえり、クロージャー」
「ただいま、父さん!」
俺は、ティミストリ父さんに抱きついた。
父さんは、俺を抱き締めてくれた。




