1ー7 家を建てよう!
1ー7 家を建てよう!
俺は、錬金術で土からいくつかの武器を作るとそれをティミストリ父さんたちに渡した。
ティミストリ父さんは、火魔法のスキルを持っているので、食料の採集組を任せることにした。
だが、ティミストリ父さんは、武器を手にしても戸惑うばかりだ。
「こんなもの、どうすればいいんだ?」
そうか。
みんな、武器を知らないんだ。
俺は、みんなに剣や、ナイフを渡して使い方を説明した。
「これは、今までのみんなの爪や牙の代わりになるものだよ」
みんな、それぞれ剣やら短刀やらを手にとってはみたものの、困ったような顔をしていた。
俺は、とりあえず皆に武器を持たせたが、あまり役にはたちそうになかった。
仕方ない。
俺と他の村に残るメンバーは、ティミストリ父さんたちが森へと出発するのを見送った。
それから、俺たちは、住むところを確保するために家を作り始めた。
俺は、まず、みんなに土魔法で家を作って見せた。
小さいがとにかく屋根と壁のある四角い家ができるとみな、驚きの声をあげた。
俺は、これと同じようなものを作るようにみんなに頼んだ。
土魔法を使える者の中で数人が俺を真似て似たようなものを作ってみせたが、なかなか、家という概念を理解させられず苦労した。
だが、中に人が住むところだと理解できてからは、スムーズに作れるようになった。
いくつかの家が建ち並んでいく。
うん。
完璧に集落だな。
俺は、家を建てることができない連中に村の中央に釜戸を作ってもらうことにした。
石を並べて作ることを説明し、実際に1つ作ってみせると、みな、同じようなものを作ってくれた。
その後は、錬金術で鍋やら食器やらを作った。
みんな、それが、何に使われるかを理解すると手探りながらも俺のことを真似て作ってくれた。
だが、実際に使ってみせなくては、いまいちよくわからないようだ。
俺は、釜戸に火を焚くと鍋をかけて水魔法で水をくみ湯を沸かせてみせた。
おお、とみながどよめく。
そうこうしていると食料の採集に行っていたティミストリ父さんたちが帰ってきた。
なんと、巨大な猪のような魔物、鑑定するとマッドモウという牛の仲間らしいものを仕留めて持ち帰ってくれた。
俺たちは、基本的に雑食だ。
肉も食べるし、木の実も食べる。
俺は、村の連中の中で解体のスキルを持つ者数名に解体の仕方を説明し、一緒にやってみた。
といっても、俺も初めてのことなので魔法書『スキルイーター』を片手におっかなびっくりやったからかなりの時間がかかった。
けど、これで村の衣食住は、確保されたわけだ。
まあ、まだ石器時代に毛がはえた程度だけどな。
でも、この前までトカゲだったと思えば、すごい進歩だ。