6ー8 魔力が駄々漏れになってるぞ!
6ー8 魔力が駄々漏れになってるぞ!
俺たちは、無言でダンジョンを出ると宿へと帰った。
それぞれに割り当てられた部屋に別れると、俺は、ローブを脱ぎベッドへと倒れ込んだ。
俺は、リリウスと同室だった。
リリウスは、ベッドに横たえた俺の上に馬乗りになると俺の目の中を覗き込んだ。
「おかしいなぁ」
リリウスは、首を傾げる。
「さっきは、確かに目が真っ赤だったのに」
俺は、瞬きするとリリウスを見上げて笑った。
「見間違えたんじゃね?」
「だけど、あの時、お前、確かに」
リリウスは、俺に必死に訴えた。
「こう、ぐっさあっと大きな剣がお前にぶっ刺さってさあ、てっきり、俺、お前が死んじゃったんだとばかり思ってさ」
リリウスは、そのまま俺の着ているシャツのボタンを外すと剣の刺さった場所を確認しようとして手を止めた。
「これ、なんだ?」
さっき剣が刺さった俺の左胸には奇妙な紋様が浮かび上がっていた。
なんですのん?
これ。
俺がリリウスを押し退けて起き上がろうとしたら、その動きでリリウスが吹き飛ばされてベッドの向こうまで転がっていってしまった。
マジでか?
俺は、確か、軽くリリウスを押しただけなんだぞ?
なのに、リリウスがぶっ飛んでしまった。
いやいや。
俺は、苦笑いした。
そんなわけがないだろ?
リリウスの奴、ふざけてやがる!
俺は、リリウスを見下ろすとため息をついた。
「何、ふざけてるんだよ、お前は」
「ふざけてなんてねぇし!」
リリウスが怒り混じりで俺を睨んだ。
「そっちこそ、酷いじゃないか!こんな突き飛ばすなんて!」
はい?
俺は、ハトマメでリリウスを見つめた。
冗談じゃなかったの?
「リリウス?」
俺は、急いで起き上がるとベッドから降りてリリウスの方へと駆け寄った。
リリウスは、低く呻くと身じろぎした。
俺がリリウスが立ち上がるのを助けようと奴の腕を掴むとリリウスは、悲鳴をあげた。
「痛い!」
「ご、ごめん!」
俺は、すぐにリリウスの腕を離すとその場に立ち尽くしたまま自分の手をじっと見つめる。
どういうこと?
俺は、少し落ち着こうと思って、水を飲もうとテーブルの上に置かれていた木製のコップを手に取ろうとした。
が、俺が触れるとそのコップは、ぺキッと音をたてて割れてしまった。
マジかよ?
俺が戸惑っていると、リリウスが俺の方を見た。
「クロ、お前、なんか魔力が駄々漏れになってるぞ!」




