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6ー5 ドラゴンですか?

 6ー5 ドラゴンですか?


 「僕たちは、ただ、このダンジョンの奥にいる主であるドラゴンを倒すだけだ。まあ、それも他の連中が片付けてくれるだろうからなぁ」

 「ようするに俺たちは、その辺にいるだろう打ち漏らされた魔物を2、3匹倒せばそれでいいってことだ」

 ルウシエが簡単そうに言うとにやっと笑って見せる。

 ほんとに残念なことだったが、ルウシエとロナードの言ったことは真実だった。

 他の俺たちよりもずっとやる気のある連中が先に何組みも通過しているのでダンジョン内には魔物の一体すら残されてはいなかった。

 俺たちの初めてのダンジョン体験は、なんともしまらないものになりそうだな。

 俺たちは、無言で薄暗いダンジョンの通路をぶらぶらと歩き続けた。

 その内に俺たちは、大きな扉の前に出た。

 「ここが主の部屋だ」

 マジか!

 俺たちは、魔物の一匹にも会うことなく主の部屋へとたどり着いたのだった。

 しかも、重い扉を押し開いて入っていくとどうやら主らしい小型のドラゴンを倒したらしいパーティーの連中が記念に主の体から鱗を剥がしているところだった。

 「おや、誰かと思ったら」

 ドラゴンに群がっていた連中の内の1人が俺たちが入っていったのに目を止めて近付いてきた。

 「ライディア第3王子殿ではありませんか」

 「おお!本当だ」

 外の奴らもこっちに近寄ってくる。

 「かの高名な第3王子には、失礼ですがもうすでに今日のドラゴンは優秀な兄上であらせられるクワイエ様が倒されてしまいましたので、あなたには、何も残ってはいませんよ」

 嫌な感じのにやにや笑い声を浮かべたその連中は、ライディアに近付こうとしたがそれを俺とリリウスが阻んだ。

 「なんだ?お前たちは」

 「尻尾だ!尻尾があるぞ、こいつら!」

 「トカゲみたいに尻尾が切れるか試してみようぜ!」

 そう言いながらそいつらは俺とリリウスの尻尾に触れようと手を伸ばしてきた。

 こいつら、たちが悪い酔っぱらいみたいな連中だな!

 俺がちょっと魔法で驚かしてやろうかと考えていると、誰かが連中の背後から声を発した。

 「やめないか!お前たち」

 「クワイエ様」

 そいつらは、伸ばした手を引っ込めると俺たちをいまいましげに睨み付けた。

 「ふん!このトカゲもどきが!」

 「お前たちは、先に行け。私は、弟に話がある」

 クワイエは、そう言うとライディアの方へと歩み寄ってきた。

 「久しぶりだな、ライディア」

 「クワイエ兄上」

 ライディアが緊張した面持ちでクワイエを見上げた。

 クワイエは、赤毛で緑色の瞳をした頬にそばかすの散った少年だった。

 ライディアとは、まったく似ていないな。

 確か、ライディアよりも3才ぐらい年上だった筈。

 ひょろりと背丈の高いクワイエは、全身を見事な銀色の鎧で固め、腰には重そうな長剣をぶら下げていた。

 「ライディア、ここの主はもう俺が倒した。さっさと引きあげるがいい」

 クワイエは、薄笑いを浮かべるとそう言って外の連中と一緒にその部屋から出ていった。

 

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