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4ー1 トカゲの谷の未来

 4ー1 トカゲの谷の未来


 俺とリリウスとライディアとエディットの4人は、冬が終わる頃、ヴォルツさんに連れられてアナトリア公国の首都アルディスへと旅立った。

 もちろんアルディスにある魔法学園の入学試験を受験するためだ。

 アナトリア公国の首都アルディスまでは、マリージアからは、馬車で3日ほどの道程だった。

 「ワイパーンで飛べば、一日でつくんだがな」

 ヴォルツさんは、馬車で揺られながらのんびりと欠伸を漏らした。

 ほんとにだらけきってるな、このひとは!

 俺たちは、居眠りを始めたヴォルツさんの横で俺が作ったマメタンを使って歴史の復習をしていた。

 俺もこの世界の世界史だけは、苦手なんだ。

 名前が覚えにくくて、ややこしい。

 しばらく交代で問題を出しては答えるのを続けていたが、やがて、飽きてきたらしいリリウスが学園に入学したらやりたいことをきいてきた。

 「俺は、アルディスのうまいもんを全部食べてみたい!」

 リリウスが言うと、エディットがクスクスと可愛らしく笑った。

 「では、学校を卒業したらどうするの?」

 「俺か?」

 リリウスがえっへん、と胸を張った。

 「俺は、トカゲの谷にワイパーンの騎士団を作ってその団長になる!」

 マジですか?

 俺は、想像して笑ってしまった。

 トカゲの谷に飛竜騎士団かよ?

 大袈裟だな!

 「まあ!いい考えですわね、リリウス」

 エディットがリリウスを誉めるもんだから、リリウスが満足そうににっと笑った。

 「私も、飛竜騎士団に入団したいと思っているんだ」

 ライディアも決意を表した。

 「そして、マリージアで叔父上の右腕として働きたい!」

 「辺境伯の右腕はヴォルツさんじゃね?」

 俺がきくとライディアが付け加えた。

 「もちろんヴォルツには、武術ではかなわない。だが、領主としての叔父上の右腕にならなれる筈だ」

 ラダクリフ辺境伯は、まだ独身で子供もいない。

 俺は、とてもいい考えだと思った。

 そうすれば、ライディアとも離ればなれにならなくてすむしな。

 「きっと、ライディアの言葉をきけばラダクリフ辺境伯は、喜ばれるぞ」

 俺が言うと、ライディアが少し頬を赤らめる。

 「そうかな。でも、クロが言うならそうなのかもしれないな」

 ライディアが照れ隠しの様にエディットに訊ねた。

 「エディットは、どうするんだ?」

 「私は」

 エディットがポッと頬を染めた。

 「トカゲの谷に戻って薬師になってみんなのために役立てるようにがんばりたいの」

 「それは、ありがたいな。それにエディットが戻ってくれればクローディア母さんが喜ぶし」

 俺は、うんうんと頷いた。

 すると、リリウスが俺にきいてきた。

 「クロは、どうなんだよ?」

 「俺か?」

 俺は、少し考えてから答えた。

 「俺は、トカゲの谷をもっと繁栄させるために学園でいろんなことを学びたい。そして、おれたちトカゲがもっともっと広い世界に出ていけるようにしたい」

 「それは、素晴らしいですわね、クロ様」

 エディットが微笑んだ。

 「クロ様の作られるトカゲの谷の未来、楽しみですわ」


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