3ー10 鍛練ですか?
3ー10 鍛練ですか?
この日の夕食のときにライディアは、俺たちをラダクリフ辺境伯に引き合わせた。
ラダクリフ辺境伯は、普段は、王都で王宮騎士団の団長としての任務についているためなかなか今まで会う機会がなかったのだ。
初対面のラダクリフ辺境伯の印象は、ロマンスグレーの気のよさそうなおじさんだった。
優しそうなライディアとよく似た感じの青い瞳が美しい。
武功をいくつもたててる武人とは思えない穏やかそうな人だ。
「ライディアは、私の大切な甥っ子だ。よろしく頼むよ、クロージャー」
「こちらこそ、快く屋敷に迎え入れていただきありがとうございます」
俺は、ラダクリフ辺境伯に礼をとった。
子供の俺に仰々しく礼をとられてラダクリフ辺境伯は、微笑ましげに俺を見つめると応じた。
「堅苦しい挨拶は、かまわない。クロージャー、それに君たちもな」
「はい。しかし、お礼はいわせていただきたいです」
エディットがぺこりとお辞儀をすると、ラダクリフ辺境伯は、にっこりと笑った。
「丁寧にありがとう。君は、竜人ではないね?」
「はい。私は、人間でございます」
エディットが緊張した面持ちで答えるとラダクリフ辺境伯は、俺たちに訊ねた。
「なぜ、竜人の里に人間がいる?」
「それは」
俺は、かいつまんで事情を説明した。
ラダクリフ辺境伯は、俺たちの話をきいて眉をひそめた。
「生け贄とはな」
「でも、今は、城で暮らしていたときよりずっと幸せです」
エディットがそう言うのをきくとラダクリフ辺境伯は、少し涙ぐんだ。
「君たち全員が無事に魔法学園の入学試験に合格できるように祈っている。みな、励みなさい」
ラダクリフ辺境伯のいう通り、俺たちは、さっそく翌日から入学試験のための勉強を始めた。
それは、めっちゃハードなスケジュールで、俺でさえねをあげそうになった。
午前中は、座学の勉強をだった。
主に魔法学と読み書き、計算の勉強だ。
これは、俺とエディットは、楽勝だったけど、リリウスはなかなか苦戦していた。
昼食をはさんで午後からは、剣と魔法の実技の鍛練だ。
これには、ラダクリフ辺境伯の騎士団の団長であるヴォルツさんが協力してくれた。
というか容赦なく叩きのめされたな。
俺たち、まだ子供なんだが、ヴォルツさんは、大人げないぐらい厳しかった。
リリウスは、なんとかついていけたけど俺とエディットは、ボロボロだった。
たぶん、明日は、全身筋肉痛だぞ。




