2ー6 領主の館
2ー6 領主の館
「今日は、なんの用事なの?もしかして復職したいとか?」
「残念ながら違うわよ」
マリーナさんは、笑って俺たちをララさんに紹介してくれた。
「今日は、この子達の登録にきたの」
「あら、かわいい。僕たち、いくつ?」
カウンターから身を乗り出して俺たちに問いかけるララさんにリリウスがきっぱりと答える。
「5才だ」
「まあ、それでもう冒険者登録するの?」
ララさんが困ったような顔をした。
「本当は、もう少し大きくなってからじゃないとダメなんだけど」
「でも、この子達、身分証が必要なのよ」
マリーナさんが頼み込む。
「お願いよ、ララ」
「仕方がないわね。これは、貸しよ、マリーナ」
ララさんは、そういうと俺たちに書類を差し出した。
「ここに名前を書いてほしいの。君たち、名前、書ける?」
「たぶん」
俺は、書類を受け取るとテーブルに置かれていた羽ペンをとってもらうとつま先立ちで立つとなんとかさらっとサインした。
よかった!
文字が理解できて。
でも、リリウスは、文字が書けなくてララさんに代筆をしてもらった。
それから、ララさんは、俺たちの前にそれぞれ銀色のプレートを置くとそれぞれのプレートに血を一滴垂らすようにと告げた。
俺たちは、持っていた短刀で指先に傷をつけて一滴血を垂らす。
すると、プレートに文字が浮き上がってきた。
『クロージャー、男、5才
種族 竜人族、職業 魔道師
レベル5』
「はい?」
ララさんが首を傾げる。
「変ね、故障かしら?」
ララさんは、リリウスのプレートに目をやった。
『リリウス、男、5才
種族 竜人族、職業 魔法剣士
レベル3』
「この子も?」
ララさんが驚きの声をあげる。
「こんな子供がレベル3?」
「やっぱり竜人族は違うわね」
マリーナさんがあっさりとまとめてくれた。
なんだかややこしいことになりそうだったので俺たちは、門番のもとに身分証を持って行かなくてはならないことを理由に早々に冒険者ギルドを後にした。
門番のもとに身分証を提出しに行くと、次は、いよいよ領主の館へと向かうことになった。
マリーナさんが街の中央にある領主の屋敷まで案内してもらうとそこまでで別れることにした。
もしも、何かあったときに マリーナさんを巻き込んでは申し訳ないからな。
「ほんとに大丈夫?」
マリーナさんが何度も確認してくれたが、俺たちは、かたくなに自分達だけで行くことを主張した。
「じゃあ、家で待ってるからね、2人とも」
マリーナさんが家へと帰っていくのを確認すると俺たちは、ローブをしっかりと被り領主の屋敷の入り口に立つ守衛に声をかける。
「すまないが、ライディアにクロージャーが来たと伝えてくれ」




