2ー2 宿ですか?
2ー2 宿ですか?
村を後にした俺とリリウスは、森を東に向かってひたすら進んでいった。
森は、えんえんと続いて、俺たちは、もしかしたら永遠にこの森から出られないんじゃないかと思った。
一昼夜歩き続けてやっと、森から出られた。
森の外には、街道らしきものがあった。
レンガ造りの道が伸びていてそこを荷馬車が行き交っていた。
俺たちが2人でとぼとぼと歩いていると見知らぬ荷馬車の男が話しかけてきた。
「お前たち、マリージアへ行くのか?」
その男は、ふさふさの耳と尻尾を持ついわゆる獣人というやつらしかった。
見た感じ、どうやら犬の獣人らしいその男は、マリージアへと帰る商人で、ライドウと名乗った。
茶色い髪と目を持つライドウは、俺たちがマリージアへと行くことを知ると荷馬車に乗せてくれた。
「お前たち、ここからマリージアまで歩くつもりだったのか?」
ライドウは、呆れた様子だった。
どうやら歩くとまた一昼夜かかるとのことだった。
だが、ライドウのおかげで俺たちはその日の内にマリージアへと到着することができた。
しばらく荷馬車に揺られているとライドウが俺たちに声をかけてきた。
「あれがマリージアだ」
俺とリリウスは、荷馬車から前方を見た。
高い土壁にがそそりたっているのが見えた。
思ったより大きな町のようで俺たちは、驚きを隠せなかった。
「ここは、ラダクリフ辺境伯が治める街だ。東の守りの要だからな」
ライドウは、自慢げに話てくれた。
「お前たちは、運がいい。もうすぐ飛竜騎士団の交代式があるから、今の時期は、ちょっとした祭みたいなもんだからな」
「飛竜騎士団?」
「ああ」
ライドウが空を指差した。
巨大な羽を広げた化け物みたいにでかいものが空を飛んでいくのが見えた。
マジか!
俺たちは、言葉を失っていた。
ライドウは、からからと笑うと、俺たちに訊ねた。
「お前たち、どこか、宿は決まってるのか?」
「やど?」
リリウスが聞き返した。
「やどってなんだ?」
俺は、慌ててリリウスの口を封じた。
「俺たちに田舎者だから、宿なんて泊まったことがなくって」
「マジか?」
ライドウが眉をしかめる。
「お前たちみたいな子供が旅をしてるだけでも心配なのに、今夜の宿も決まってないのか?」
というか、宿代もないしな。
俺は、ライドウに訊ねた。
「街に魔石を買ってくれるところはあるかな?」
「魔石だって?」
ライドウが御者台から振り向くと俺にきいた。
「そんなものを持ってるのか?」
うん。
というか、俺たちは魔石しか持ってないし。
ライドウが荷馬車を停めると目を輝かせて俺に訊ねる。
「それ、俺が買ってやろうか?」
ライドウに俺が袋の中から取り出した魔石を2、3個見せると彼は、興奮した様子で俺に申し出た。
「ぜひ、その魔石を売ってくれ!」




