1ー12 人間の町
1ー12 人間の町
ライディア一行と別れて村へと帰る道すがら、俺は、ため息をついていた。
もし、本当に穀物の種が手に入るなら、ついでに家畜とかも要求するんだったかな?
そう考えて俺は、ぶるぶるっと頭を振った。
いや、だめだ!
俺たちは、人間とは違う。
もとトカゲの竜人族を人間たちがほんとはどう思っているのか、俺には、まだわからない。
この話は、なんか危険な匂いがする!
だいたい森で出会った人外に気安く褒美なんて、いくら命の恩人だからってくれるものか?
俺は、立ち止まると低く呻いた。
絶対に、お供の人たちの対応の方が正解だろ?
下手をすれば一族みんなが危険に晒されることになる。
俺は、この話を忘れて、あいつのもとになんて行かないにこしたことはないな。
俺は、うんうんと頷いた。
俺のせいで一族のみんなを危険な目にあわせるわけにはいかないしな。
ティミストリ父さんや、クローディア母さんに迷惑はかけられない。
しかし、もし、本当に穀物の種が手にはいったらすごく助かるし。
俺は、ぐるぐる思い悩んでいた。
そんなときに不意に背中を叩かれて、俺は、飛び上がった。
「ぎゃっ!」
振り向くとそこには村の子供で俺とは、比較的親しい、いうなら幼馴染みである1本角の竜人であるリリウスの姿があった。
「また何が難しいこと考えてんのか?クロージャー」
リリウスは、明るい栗色の髪をした小柄な子供だが、火属性と風属性を持ち合わせた優秀な戦士だった。
ちょっとライディアのことを思い出させるようなかわいい外見をしているが騙されてはいけない。
リリウスは、へたな大人よりも強い。
俺は、リリウスにその日あったことを話した。
リリウスは、きっぱりと言い放った。
「そんなの様子を見て決めたらいいんじゃね?」
俺たちは、2人でマリージアの町とやらに行って、影からこっそりと様子を確認してから受取に行くかどうかを決めることにした。
まあ、どうせこの森に住み続けるんだからな。
人間が俺たちをどう扱うか知るのは悪いことじゃないしな。




